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2007年5月


2007/5/31(木)

 本日発表された先週分の投資部門別売買状況ですが、久々に外国人投資家が現物株を多めに買い越ししました。その結果、2月の上海ショック時以降の資金流出分が戻ってきました。

期間 TOPIX先物 225先物 株式(3市場) 全合計 累計(2月4週〜)
3月4週 -151,951 96,260 80,662 24,971 -1,618,800
4月1週 -90,616 127,416 486,753 523,553 -1,095,247
4月2週 -215,961 63,569 339,822 187,430 -907,817
4月3週 -77,133 78,511 515,766 517,144 -390,673
4月4週 -1,925 91,440 111,148 200,663 -190,010
5月1週 -46,427 -49,772 -5,535 -101,734 -291,744
5月2週 -818 -16,141 233,496 216,537 -75,207
5月3週 -235,590 -61,423 175,158 -121,855 -197,062
5月4週 -84,087 7,299 342,346 265,559 68,497

 さらに毎月個例となっている「似ている月足チャート」を掲載します。日経平均のチャートは良い感じです。高値を抜けたら一気... と期待も高まります。

日経平均 1986年(バブル前夜)〜

日経平均 2005年〜


 一方でJASDAQの方は、まだ下げてもおかしくないチャートです。私は一旦の底を打ったのではないかと思っていますが、過去のチャートから、3-4ヶ月後にダブルボトムがやってきそうな雰囲気もあります。

JASDAQ平均 2000年(ITバブル崩壊後)〜

JASDAQ平均 2006年〜


 今日はMSCI買い日でもありました。結果については後日取り上げたいと思っています。


2007/5/30(水)

 本日は、MSCIより一足お先のTOPIX買い日でした。新規採用の2銘柄と公開買付によるFFW調整の2銘柄について見てみましょう。まずは新規採用銘柄からです。

 FFW考慮後の時価総額が大きめの八千代銀行(8409)が下落し、小さめの長野計器(7715)が上昇する、逆パターンでした。同時採用銘柄数が少ないと、どんな値動きになるのか全く想定がつかないため、私は参加しませんでした。それでも毎回チェックしていれば、何かが分かるかも...。(出典: Yahoo Japan Corporation.)

コード 銘柄 FFW時価総額(億) 前日比 終値/VWAP
8409 八千代銀行 590 -2.90% -1.10%
7715 長野計器 156 3.90% 3.47%

八千代銀行(8409)


長野計器(7715)


 次に公開買付によるFFW調整の2銘柄です。三洋電機クレジット(8565)は順方向、日興コーディアル(8603)は逆方向に動きました。それでも最後の大引で両銘柄共に出来高を伴って下落し、TOPIX調整に対して厳格に運営しているファンドがある事が分かります。

 とはいえ、公開買付された銘柄は通常「新規売り」ができませんので、個人投資家が大引の下落を狙って買い戻すことはできません。残念。(出典: Yahoo Japan Corporation.)

コード 銘柄 減算FFW時価総額(億) 前日比 終値/VWAP
8565 三洋電機クレジット -388 -1.24% -0.62%
8603 日興コーディアルグループ -6394 2.33% 0.72%

三洋電機クレジット(8565)


日興コーディアル(8603)



2007/5/28(月)

 連続ストップ安で大幅に値を崩した銘柄を全株約定時に購入する「バンジージャンプ投資法」はJ-Coffeeさんのページで有名ですが、ごく最近では、全株約定後、一瞬上昇するも、再度下落して、そこからまた上昇する「タワー・オブ・テラー型(ディズニーシーの人気アトラクション)」が多い気がします。

 私が観察を続けているアプリックス(3727)、オー・エイチ・ティー(6726)がこれに該当します。今日のIRI(4741)九州親和(8340)も急上昇はありませんでした。アプリックス と オー・エイチ・ティーの日足です。購入、売却のほんの僅かなタイミングで、天国となるかどうかが決まります。




 売り手が上手にコントロールしているのか(これはない気がする)、買い手があまりにも一箇所に集中しすぎているのか...。

 そう考えると、明日かあさってあたりに全株約定がありそうなテイクアンドギヴニーズ(4331)も、あせらずあわてず、分割購入や一息入れてからの参加でもいいのではないかと思ったりします。

 J-Coffee さんを見習って、事例を集めて「タワー・オブ・テラー投資法」として研究してみましょうか..。


2007/5/27(日)

 MSCI買い日まで残すところあと4日です。MSCI発表日以降の株価推移を見てみましょう。発表日の前営業日を基準にTOPIXで差分調整しています。



 意外と素直な値動きです。新規採用銘柄は上昇し、除外銘柄は下落しています。個別で見ると、新規採用銘柄は全体的に上昇傾向ですが、除外銘柄はそれぞれで値動きが激しいです。インデックス(4835)、ユニデン(6815)、ネットワンシステムズ(7518)、アーク(7873)あたりは、売るタイミングが間違っていたら大変です。

 また、ウエイト調整銘柄については、買い上位(2銘柄)は素直に上昇していますが、売り上位(6銘柄)も同じように上昇しています。雰囲気からしてまだ本格的にウエイト調整は入っていなそうな雰囲気です(銘柄名は各証券会社のレポートをご覧下さいませ)。

 買い上位が2銘柄しかないのは、それらの銘柄以外は新規採用銘柄が上位に該当するためです。同じように売り上位が6銘柄しかないのは、それらの銘柄以外は除外銘柄が上位に該当するためです。

 これから株価推移がどうなるかの予想は難しいですが、新規採用、除外銘柄はまだいけそうだけれど、最終日の先回りオーバーによる逆噴射に警戒、ウエイト調整はこれから入るため、最終日に期待できそう... と勝手に思っていますが、さていかいに。

 昨年度、一昨年度の最終日に向けた値動きについては、投資戦略「MSCIを攻略する-2007年度版」をご参考下さい。


2007/5/26(土)

 ここ数日のうち、新興市場のターニングポイントになるのではと思われる出来事が発生しました。まず最初に東証がIRI(4741)を上場廃止に決めた事です。マザーズ創設期の銘柄であり、マザーズの象徴的な銘柄だっただけに驚きです。

 今までのケースでは、東証が企業からの訴訟を恐れていたためか、よほど明確な投資家への背信行為がない限り上場廃止はありえなかったのですが、今回はばっさり切りました。新興市場の会計不審が株価下落を招いていたために、一罰百戒的な意味合いもあったのだと思います。

 同じように、大証でもサンライズ・テクノロジー(4830)を上場廃止に決めました。ずいぶんと昔からMSCBなどのファイナンスを連発していて、大証はとうとう堪忍の緒が切れたようです。数年前までは、みなし額面を利用した節税銘柄としても有名でした。

 こういった事から、証券取引所として、訴訟のリスクを負ってまでも、なんとか信頼を取り戻そうとしている本気度が伝わってきます。IPOに対しても審査が厳しくしつつあります。

 バブル後の大底から復活のきっかけとなったりそな銀行への資金注入、アメリカのドットコムバブルの崩壊から復活のきっかけとなった監査の厳格化、日本の牛肉が見直されるきっかけとなった全頭検査の実施(株と関係ないけど)、阪神優勝の足がかりとなったバックスクリーン3連発(ヲイヲイ)。

 過去の例から「ここが新興市場のターニングポイントだった」と後から言われるのではないか... と密かに期待しています。

 あともうひとつ、オー・エイチ・ティー(6726)の大崩落もありました。仕手戦のバランスが崩れたことが原因でしょうが、新興市場全体の下落の影響も無縁ではないのではないかと。しかし倒産銘柄でも、ゴシップが出たわけでもないのに、こんなに崩れたのは見たことがありません。あまりにも見事な月足なので記録として残しておきます。(出典: 楽天証券 Market Speed Ver6.1)



 月曜日はIRIが値幅制限なしで取引されます。同じようなケースとなった一文字違いのIXI(4313)の場合、寄付き後すぐにストップ高連発 => 止まったと思ったらストップ安連発 でした。さて今回はいかに。




2007/5/24(木)

 先週の投資部門別売買状況です。外国人投資家は株式について買い越しですが、先物分も合わせると売り越しになります。2月の上海ショック時に売られた金額分を未だに回復できてきません。

期間 TOPIX先物 225先物 株式(3市場) 全合計 累計(上海ショック時〜)
3月3週 42,749 158,438 408,619 609,806 -1,643,771
3月4週 -151,951 96,260 80,662 24,971 -1,618,800
4月1週 -90,616 127,416 486,753 523,553 -1,095,247
4月2週 -215,961 63,569 339,822 187,430 -907,817
4月3週 -77,133 78,511 515,766 517,144 -390,673
4月4週 -1,925 91,440 111,148 200,663 -190,010
5月1週 -46,427 -49,772 -5,535 -101,734 -291,744
5月2週 -818 -16,141 233,496 216,537 -75,207
5月3週 -235,590 -61,423 175,158 -121,855 -197,062

 市場別に見れば、外国人投資はマザーズ市場について、このところずっと売り越し。一方で東証二部はずっと買い越し。今はまだマザーズ銘柄を買うよりは、東証二部の割安銘柄を発掘する方が、安心感があります。

 また、金額はあまり大きくないのですが、投資信託が全ての市場での売り越しが続き、株式市場からの資金流出が続いているのが分かります。いましばらくは辛抱の時ですね...。


2007/5/21(月)

 昨日、新興市場の下げの一因が「投資事業組合の金融庁へ登録を避けるための清算整理」ではないかとの話題を取り上げました。本日読み終えた「仕手現場の仕掛け人 真実の告白」の書籍にも、最近の仕手の流行は投資事業組合の匿名性を利用したものであるとの事。元タネは私募CB、第三者割り当て、MSCBといった有利発行だそうです。

 となると、投資事業組合を使って仕手を繰り広げていた場合、夏までには組合を清算する必要があり、急激に現金化に走っているのかもしれませんね。もしそうなら、市場の健全化として歓迎すべき事です。

 色々の所で話題となっている、オー・エイチ・ティー(6726)なんかも、MSCBを発行しているし(そんなにひどい条件ではありませんが)、実体と比べて株価は割高ですし、もしかしたら...。こういった銘柄が斉藤手法に該当したとしても、参加するのは相応の覚悟を決める必要があります。

 仕手銘柄やその手法(最初は儲けさせて、得意銘柄と勘違いさせる)に引っかからないように、こういった書籍で知識を蓄えておくのも良いのではないかと。読み物としても、仕手の手法を実際の銘柄で説明されていて、とても面白かったです。




2007/5/20(日)

 少々遅くなってしまいましたが、木曜日に発表された投資家部門別状況にて、外国人投資家は、今週もまた、はっきりした買い、売りのスタンスを示しませんでした。

期間 TOPIX先物 225先物 株式(3市場) 全合計
2月4週 -415,758 -271,506 -264,968 -952,232
3月1週 -93,105 -386,055 -390,040 -869,200
3月2週 -168,590 -176,672 -86,883 -432,145
3月3週 42,749 158,438 408,619 609,806
3月4週 -151,951 96,260 80,662 24,971
4月1週 -90,616 127,416 486,753 523,553
4月2週 -215,961 63,569 339,822 187,430
4月3週 -77,133 78,511 515,766 517,144
4月4週 -1,925 91,440 111,148 200,663
5月1週 -46,427 -49,772 -5,535 -101,734
5月2週 -818 -16,141 233,496 216,537

 いつものグラフです(参考:外国人買いは上昇トレンドのサイン?)。またデッドクロスしました... といっても、5月連休中の閑散期が入っていることと、もみ合い中のクロスなので、そう過敏に反応する必要はないでしょう。



 どっちかといえば、5月のヘッジファンドの解約に伴う売りの方が気にかかる所です。今年も含め、過去4年間の4,5月の日経平均の日足を見てみます。



 今年はどうやら大きな波乱は避けることができそうですね。毎年のごとく月曜日に急落があったので、明日が大丈夫ならもう行けそうです。5/28日にもう1度月曜日が巡ってきますが、受け渡し日が5月末日とぎりぎりですので、そこまで引っ張ることはないと思います。

 それより心配なのは新興市場です。斉藤手法にひっかかる銘柄が毎日じわじわと5銘柄程度づつ増え、金曜日時点で30銘柄程にもなりました。

 私がいつも見ているマーケットウィナーズで、新興市場の下落について、フィスコの岡崎さんが鋭い視点でお話していました。新興市場の下落の原因は、「ノンバンクの貸出の厳格化」と「投資事業組合の金融庁へ登録を避けるための清算整理」が引き金になっているのではないかと。

 「ノンバンクの貸出の厳格化」については、追証などが発生すると、ノンバンクで手当てして株の保持をしていた人が、それが貸し渋りでできなくなり、損切りに追い込まれているのではないかとの推測です。私の知っている人の中に「FXで大損した時に、家族に内緒でノンバンクから資金を借りて勝負して儲け、お金を返した」というシビれる方がいたので、もしかしたらそんな人もいるかも... と思ってしまいます。

 「投資事業組合の金融庁へ登録を避けるための清算整理」については、金融商品取引法がこの夏に始まるので、そこまでに「(怪しい)投資事業組合」が清算する必要があり、残務整理を考えると、4,5月までに株式を売る必要があるのではないかとの推測です。

 どちらも、どれくらい影響を及ぼしているのか分かりませんが、こういった視点の広さは参考にしたいものです。

 話が変わって、この週末は東海地方に遠征していました。噂には聞いていたのですが、5月21日発売予定の月刊マネー誌が19日にはもう発売されていました。私も主要のマネー雑誌をもう読んでしまいました。ということで、ほんのちょっとだけ、東海地方の方は投資に有利なのかも。


2007/5/16(水)

 もう皆様ご存知の通り、クリエイトSD(2794)山下医科器械(3022) は立会外分売実施後すぐに一部指定(東証一部への昇格)を果たしました。新基準適用後の第1号と第2号です。両社共に立会外分売によって一部指定の最後の基準をクリアしたのです。

 これらから推理すると、両社共に東証から「株主分布に関わる基準さえクリアすれば一部指定とする」といった内示を受けていたのではないでしょうか。それでなければ、こんなに発表と間近のタイミングで立会外分売はしないと思うのです。

 一部指定の審査期間は約8-9ヶ月程の超ロングランです。審査途中で業績が悪くなったり、コンプライアンス上の問題が見つかったりして、審査をパスしない企業も出てくるでしょう。

 しかしながら旧基準では、株主の分布状況に関わる基準を満たすためには、発表の2ヶ月前までには分売や売出を済ませておかなければなりませんでした。2ヶ月前ではまだ東証から審査結果は教えてもらえなかったでしょう。よって、分売や売出までして頑張ったのに、審査で落ちてしまい、それ自体が無駄となってしまった事が多々あったのではないでしょうか。

 そこで新基準では、この部分の企業側の不満を打ち消すために、内示を受けた後に株主分布状況を満たすことができるようにルール変更したのではないでしょうか。従って「一部指定の条件を満たすためとしか思えない立会外分売があったのに、一部指定を受けなかった」といった現象は、今後起きないと思うのです。

 まあ、審査料が旧基準200万円から新基準400万円へと倍増したので、そのあたりも企業側に配慮したのかも知れません。それにしても合格するとも分からない審査のために400万円の支出は大きいですね。損益計算書を丹念に見ていけば、その企業が一部指定を申請したかどうか分かるかも知れませんね。


2007/5/13(日)

 私が投資戦略を開拓する時の方法の多くは、ある仮定を置いて、それが正しいかどうか検証する「仮説検証タイプ(演繹タイプ)」のアプローチです。調査箇所を一点に集中できる利点がありますが、仮説の立て方を間違うと、最後の最後で仮説が間違っていることに気づき、検証が全て無になることもあります。

 この反対側からのアプローチが「データマイニングタイプ(全数検索タイプ)」です。数多くのデータから全く今まで気がつかなかった関連を見出す方法です。今まで誰も気がつかなかった「一生使えるお宝」を見つけ出すことができる利点がありますが、その発見までに多くの試行錯誤を繰り返します。

 昨日、土屋さんのセミナーに参加しきまして、そのセミナー内容は後者のアプローチです。私は理系出身にも関わらずデータマイニングタイプについて全く知識がなく、今回はそのアプローチ方法の入門として、そして自分の知識の殻を破る上でも有意義な講義でした。かなりの関数はエクセルでサポートされているのですね。初めて知りました。

 ただ、このセミナーは多少の統計用語とエクセルの知識を必要としています。セミナー参加者はちょっと辛かったかも。私も知らない用語が何個かありました(汗)。近々発売されるであろうDVDであれば、用語やエクセルの使い方を調べならがら見ることができますので、頭の体操を兼ねた新分野の勉強として丁度良いと思います。

 さて話は変わりまして、先週金曜日にGW中の2日間分の投資部門売買状況が発表されました。ここ6週続けていた買い越しが途切れ、売り越しに転じました。まだ世界同時株安時の売り越し額分を回復できずにいます。エンジンがかかりそうで、かならないですねぇ...。

期間 TOPIX先物 225先物 株式(3市場) 全合計 累計(2月4週〜)
2月4週 -415,758 -271,506 -264,968 -952,232 -952,232
3月1週 -93,105 -386,055 -390,040 -869,200 -1,821,432
3月2週 -168,590 -176,672 -86,883 -432,145 -2,253,577
3月3週 42,749 158,438 408,619 609,806 -1,643,771
3月4週 -151,951 96,260 80,662 24,971 -1,618,800
4月1週 -90,616 127,416 486,753 523,553 -1,095,247
4月2週 -215,961 63,569 339,822 187,430 -907,817
4月3週 -77,133 78,511 515,766 517,144 -390,673
4月4週 -1,925 91,440 111,148 200,663 -190,010
5月1週 -46,427 -49,772 -5,535 -101,734 -291,744


2007/5/11(金)

 今日はクリエイトSD(2794)以来の貸借銘柄、山下医科器械(3022)の立会外分売でした。立会外分売発表によって抑圧されていた分が解放されたかのような株価推移で、昨日の終値を割り込みませんでした。(出典: Yahoo Japan Corporation.)



 こんなに上昇したのはもっと別の理由もあります。それは、今回は単なる立会外分売ではなく、どう見ても東証一部昇格条件を満たすために行われたことが濃厚だったからです。

 私がチェックした限りにおいて、山下医科器械は、ひとつの点を除いて全て昇格条件を満たしています。その足りない点とは、株主数です。

 山下医科器械が昇格するための必要株主数は2,200名です。最新の四季報では株主数2,206名とあり、既に条件を満たしているように思えるのですが、四季報で掲載されている「株主数」と、東証一部の昇格条件となる「株主数」の意味が違います。

 昇格条件での株主数とは、株主のうち大株主上位10名及び特別利害関係者の数並びに上場会社が自己株式を所有している場合の当該上場会社を除きます。従って、東証の言う株主数にはぎりぎり届いていません。この事は東証のサイトに記載してありますし、以前ご紹介したJ-Coffeeさんの本にも書いてあります。

 そこでこの株主数の条件を満たすために、立会外分売を行ったのだと思います。最高購入株数を最低単位の100株に限定したのも、株主数を増やすための算段でしょう。この上限100株を見たときに、過去の田中商事(7619)が昇格した時のケースが思い浮かびました。この時も上限が最低単位の100株でした。

 もし本当に東証一部昇格を狙った立会外分売であれば、クリエイトSDの時ように、月曜日の引け後以降に昇格が発表される可能性がありますが、さてさてどうでしょうかね。

 くれぐれも自己責任の上でご判断お願いします。念のため。


2007/5/8(火)

 GWがはさまった関係上、今日、先々週(4月の最終週)の投資部門別売買状況が発表されました。外国人投資家は微妙に買い越し。「買い姿勢」とも「売り姿勢」ともハッキリ言えない微妙な額です。一方で先週までバリバリ売っていた信託銀行が買いに転換しました。何か特殊イベントが終わったのでしょうかね...。

 それではいつものように、外国人投資家の買いをグラフ化した図をみてみましょう(参考:外国人買いは上昇トレンドのサイン?)。長期線も短期線も横向きになってきました。「もみ合い」という言葉が当てはまっている状況です。



 また、ここ4年間の4-5月の日経平均推移グラフも確認しておきましょう。今までの所は昨年度とほぼ一致した動きです。世界株高を背景に過去の推移とは決別するのか、それともいつものように迎合するのか、ここ1-2週間が勝負です。




2007/5/6(日)

 株式とは全く関係ないのですが、1等賞金最大6億円の toto BIG のキャリーオーバが10億円を突破したとのこと。toto BIG はその他の toto と違って、自分で予想しません。勝手にコンピュータがランダムにマークシートをつけます。基本的にジャンボ宝くじ購入と変わりません。1予想300円です。多少期待値が上がっている(といっても1を超えませんが)ので、一発の夢を追いかけたい方はどうぞ。ローソンやファミマでも買えちゃいます。


2007/5/5(土)

 5月はMSCIの年次定期入れ替えの季節です(2月,8月,11月は四半期入れ替え)。5/4日の早朝に発表がありました。今年は9銘柄の採用、9銘柄の除外と、例年より採用が少なめ、除外が多め(参考: MSCIを攻略する-2006年版)です。今回の採用銘柄と除外銘柄を掲載します。

採用銘柄
コード 銘柄
1662 石油資源開発
3116 トヨタ紡織
3231 野村不動産ホールディングス
4817 ジュピターテレコム
5019 出光興産
8359 八十二銀行
8379 広島銀行
8593 三菱UFJリース
8905 イオンモール

除外銘柄
コード 銘柄
2873 加ト吉
4521 科研製薬
4835 インデックス・ホールディングス
6436 アマノ
6815 ユニデン
7518 ネットワンシステムズ
7873 アーク
8112 東京スタイル
8597 SFCG

 また今回は、MSCIからもうひとつの発表がありました。それは「MSCIPROVISIONAL STANDARD INDICES」というものです。今後MSCIの算出方法が変わりますので、今のうちからその算出方法が変わった場合の「参考銘柄」について記載したものです。このあたりは、「虎年の獅子座」さんが3/29日の記事で結構詳しく記載していますので、そちらをご覧下さいませ。

 一番大きな変更は、今までは「業種別」で85%の浮動株時価総額をカバーする銘柄を採用していたのですが、これを「全業種」で85%になるように基準を変更します。これによって、今まで「時価総額は十分満たしているのに何で採用されないの?」といった銘柄はなくなるはずです。

 因みに今回、期待されていたのに採用されなかったあおぞら銀行(8304)も、算出方法が変わる場合の採用銘柄として発表されています。今回のMSCI採用分を除いた、算出方法変更後に採用される銘柄について記載します。

コード 銘柄
4506 大日本住友製薬
4528 小野薬品工業
5486 日立金属
6448 ブラザー工業
7202 いすゞ自動車
7211 三菱自動車
7261 マツダ
7262 ダイハツ工業
7269 スズキ
7270 富士重工業
8304 あおぞら銀行
8404 みずほ信託銀行
8754 日本興亜損害保険
8761 あいおい損害保険
9504 中国電力
9505 北陸電力
9507 四国電力

 主に 薬品、自動車、銀行・損保、電力 の業種で、業種別85%ルールにより採用されていない銘柄があったことが分かります。特に自動車はすごいですね。トヨタ自動車(7203)の時価総額が大きかったためです。

 今回のMSCIの入れ替えは 5/31(木)の引け後ですので、結構長い期間があります。また、MSCIの算出方法の変更による移行は、2007年の11月と2008年の5月に時価総額で半分づつになるように入れ替えて完了します。これもまた先が長いですね。

 因みに昨年の最終日の値動きについては2006/6/1の夕凪通信をご覧下さい。MSCIの新規採用銘柄、除外銘柄の値動きは逆噴射で、ウエイト調整銘柄の方が旨みがありました。私はMSCIと契約していないので、ウエイト調整について詳細を知ることはできません。各証券会社からレポートが出ると思いますので、そちらを参考にしてください。ただし、今年も昨年と同じ傾向になるのかは分かりませんので念のため。


2007/5/4(金)

 今日はとても天気が良くて気温が高かったので、久々に七里ヶ浜のアマルフィイ デラ・セーラにでも食事に行こうかと鎌倉に着いたまでは順調でした。そこから江ノ電に乗り換えようとしたのですが、なんと駅の改札に入るための長蛇の列がありました。電車も超混雑で、それはもう通勤ラッシュ以上でした。シンジラレナイ。

 それでもなんとか七里ヶ浜に到着。踏み切りもない場所の線路をまたいで、急坂をえっちら上ってようやくお店に到着です(それ以外に店に入るルートはありません)。前に15組くらいの待ちだったのですが、約40分くらいで入れました。天気の日の海が見えるテラスでの食事は気持ちいいです。

 どうやらGWはどこもかしこも混雑しているようで、ニュースで見たのですが、新宿でクリスピー・クリーム・ドーナッツを買うために、最長約4時間も並んでいたとか。

 私が約7年程前、シリコンバレーに住んでいた頃、近くにクリスピー・クリーム・ドーナッツが新規オープンしたとの話を聞いて早速買いに行った所、お店は大混雑していました。あのおいしさは結構有名だったのですよ。2ヶ月くらい経った後に再び買いに行った時にはガラガラでしたが。

 確かにオリジナルドーナッツは、モチモチサックリした食感がたまらず、職場でも大人気だったのですが、それ以外のドーナッツは一口食べた後、そのまま残す人が大多数でした(その当時の話)。

 もしこのクリスピー・クリーム・ドーナッツを食べて「これは今後、世界中で大ブレークするに違いない」と思った方には朗報です。NYSEに上場していますので、米国株として購入できます。ティッカーはKKDです。

 IPO当初、購入を検討したこともあるのですが、オリジナルドーナッツ以外のものが「あまりにも」だったので、見送った経緯があります。その後、私の予想に反して株価は4倍以上になったのですが、2004年頃からの無炭水化物ダイエットの影響を受けて、今はIPOの頃の株価水準を割っています。


2007/5/2(水)

 クリエイトSD(2794)が立会外分売を実施した翌日の引け後に、東証一部への昇格が決定しました。決算月に左右されず昇格が発表される新ルール適合第一号銘柄となりました。

 この発表で思ったのは、立会外分売の実施によって東証一部への昇格条件の全てを満たす場合、実施後すぐに昇格できるようになったのではないかということです。この立会外分売によって満たすことができる条件は「株主数」または「少数特定者持株比率」です。

 クリエイトSDの場合は「株主数」は条件を満たしていましたが「少数特定者持株比率」は微妙な範囲でした。昇格条件として「少数特定者持株比率」は70%以下でなくてはなりません。

 東証の言うところの「少数特定者持株比率」とは、ざっくり言えば、固定的に株を所有していると認定できる上位10番目までの大株主分をカウントして、70%を超えてはならないということです。

 クリエイトSDの場合は上位4位までの身内関連で 67.2% を占めています。投信や持株会は固定的に持っているとはみなされませんので、上位10番目までの大株主分があとどれくらい占めるかは、四季報などからは確認できません。恐らく70%を超えていたため分売に踏み切ったのだと思います。

 少々前置きが長くなりましたが、東証二部銘柄が立会外分売を実施する場合に、おおよそ「株主数が2,200名に届いていない」「大株主分で70%近くの株式を所有している」場合には要注目です。実施後すぐに昇格がやってくるかも知れません。公募・売出でも同じ効果があります。

 東証一部に昇格するには、その他にもたくさんの条件を満たしていなければなりません。東証のページを丹念に読むと理解できるとは思いますが、4年ほど前に発売された J-Coffee さんの本「東証1部昇格銘柄を事前にキャッチして資金を5倍にしたJ-Coffee投資法」も便利です。今調べたらまだ販売されています。よかった、よかった。

 ついでに、クリエイトSDのTOPIX買い日は6月末最終営業日前日(6/28)です。FFWの発表はまだありませんが、0.30 か 0.35 だと思います。昇格後最初の1年は FFWが0.75%へ減らされますので、実質 0.23 か 0.26 です。今日の株価で浮動株調整後の時価総額は125億円程度(0.26計算)です。4/26日の夕凪通信で、これがどこに当たるかを確認して頂けたらと思います。


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