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MSCI

2006/5/14
MSCIを攻略する-2006年版

2006/5/11日の早朝、MSCIの定期入れ替え銘柄の発表がありました。MSCIに採用された銘柄は上昇傾向にあり、除外される銘柄は下落傾向にあります。今後、株価はどんなカーブを描くのでしょうか。昨年、一昨年の例から推測してみたいと思います。

まずは、今年、昨年、一昨年の採用銘柄と除外銘柄の株価の推移をグラフにしてみます。除外銘柄については、一昨年は該当なく(のばず)、昨年は4銘柄でした。(市場の影響を排除するため、TOPIXで差分調整しています。昨年の除外銘柄のカネボウは、上場廃止が話題になっていた時期でしたので、株価推移から除いています)




採用銘柄については結構きれいなM字カーブを描いていますね。発表直後に衝動買いが入り、すぐに下落の狼狽売り。そこから徐々に株価を戻して、最後にMSCI買いが入ります。

除外銘柄については、一方的に下がり、復活することなく、MSCIの売り日を迎えています。

事実:
過去のMSCI採用銘柄について、株価推移は、きれいなM字カーブを描く。除外銘柄については、一方的に下落する。

それでは具体的に一体どの銘柄を狙ったら良いのでしょうか。もう少し採用銘柄について詳細にみてみます。こういったインデックス買いの場合は、採用時のウェイトが高いものを狙うのが定石です。MSCIの場合は、浮動株考慮後の時価総額の高いものが該当します。昨年は実際その通りであったのか、確かめてみましょう。

「MSCI買い日の終値」を基準にして、MSCI採用発表日からと、MSCI買い日前日比の上昇率を見てみます。ここでの浮動株考慮後の時価総額は、「MSCI買い日前日」の終値をベースに算出しています。(TOPIXとの差分調整はしていません)

コード 銘柄 時価総額 発表日比の上昇率 前日比の上昇率
9433 KDDI 12468 1.84% 1.63%
5214 日本電気硝子 3183 3.63% 1.45%
8015 豊田通商 2861 2.85% 0.22%
4508 田辺製薬 2563 1.26% -0.18%
4062 イビデン 2485 15.64% 3.69%
8369 京都銀行 2324 -0.11% -2.14%
8327 西日本シティ銀行 1952 2.28% 3.70%
6366 千代田化工建 1838 9.24% 0.77%
5110 住友ゴム 1818 8.65% 0.35%
4536 参天製薬 1788 6.06% 2.51%
2433 博報堂DYHLDGS 1762 0.13% 0.40%
8615 三菱証券 1720 7.56% 0.11%
8473 ソフトバンクインベ 1706 1.41% 4.06%
4043 トクヤマ 1693 -4.40% -3.13%
8606 新光証券 1640 2.16% -1.78%
8804 東京建物 1588 0.94% 2.59%
8597 SFCG 1554 3.44% 1.10%
8959 野村不動産オフィスF 1538 4.31% 1.01%
5471 大同特殊鋼 1509 3.26% 2.30%
9435 光通信 1505 -5.67% -0.46%
5423 東京製鐵 1502 -6.88% 3.61%
6665 エルピーダメモリ 1439 -2.54% -2.05%
8060 キヤノン販売 1425 7.41% 1.85%
8701 イー・トレード証券 1420 -8.00% 4.86%
5991 日本発条 1414 12.72% 1.46%
8955 日本プライムリアルティ 1361 4.50% 0.31%
9009 京成電鉄 1345 2.54% 0.77%
8628 松井証券 1337 -8.41% 0.08%
6506 安川電機 1138 8.66% 0.33%
8933 エヌ・ティ・ティ都市開発 1124 0.84% -1.02%
4922 コーセー 1112 -1.08% 0.00%
6457 グロ−リ−工業 1099 -8.38% -0.70%
4835 インデックス 1040 12.13% 7.63%
9427 イー・アクセス 864 -1.95% -0.14%

なんとなく、時価総額上位の銘柄が良さそうです。もうすこし分かり易くするために、上位から5銘柄単位で銘柄数を増加させ、上昇率の平均を取ってみます。

時価総額順位 発表日比の上昇率 前日比の上昇率 前日比最高値の上昇率
1-5位 5.04% 1.36% 2.21%
1-10位 5.13% 1.20% 2.23%
1-15位 3.88% 0.78% 2.08%
1-20位 3.22% 0.91% 1.98%
1-25位 2.69% 1.12% 2.13%
1-30位 2.51% 0.95% 1.94%
34銘柄全体 2.24% 1.03% 2.15%

やはり時価総額上位の銘柄が、発表日以降も、当日の上昇率も、安定して高い成績を出しています。特に発表日からの上昇率は明らかに優位です。

ちょっと面白いのは、前日比で最高値をつけた段階の上昇率です。「どの順位でもそんなに大きく変わらず、 2%程度は上昇するけれども、最後まで持たないのが下位グループ」ということも言えそうです。

結論:
MSCIの採用銘柄を狙うのであれば、時価総額上位が安定している。下位銘柄でも、最高値まではある程度の上昇を見込めるため、そこで逃げ切る狙いもある。

とはいえ、当日の上昇率をみてお分かりのように、前日比最高値で2%超え程度、前日比終値で1.5%以下ですから、過剰な期待は禁物です。

因みに今年の時価総額上位銘柄は札幌北洋HD(8328)、長谷工(1808)、日製鋼(5631)、東邦チタニウム(5727)、東京精密(7729)です。

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編集後記(From the Editor)

MSCIの採用予想は昨年もやってみたのですが、これがなかなか難しいです。浮動株調整後の時価総額を推定でも誤差が出ますし、その他の条件をクリアしているのか、さっぱり分からないからです。

それでも IPO 銘柄や REIT 銘柄であればなんとかなりそうなので、来年も狙ってみたいと思います。また、採用・除外発表後の値動きについても、過去の例からなんとか推定できますので、ここを中心に狙っていきたいですね。

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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!

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