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株式分割

2005/3/22
株式分割イベントは狙えるか?

今週の金曜日、3/25日に株式分割のラッシュ日を迎えます。その数は約100社です。ご存知の通り、株式分割から子株還流までの約2ヶ月間は、株需給がひっ迫し、株価が乱高下する傾向があります。

以前には、株式分割前の推移と、子株の還流時期の株価推移についてご紹介しました。そこで今回は、3/25日を控え、過去の株式分割前後の株価推移を調査し、傾向を掴むことで、先回り投資し、利益を上げるための戦略を練ることにします。

過去の株価推移として、株価が上昇傾向となった昨年12月中旬以降の分割銘柄を参考にすることにします。具体的には、100分割以上銘柄を除く、12月末、1月末、2月末に分割をした43社を対象にしています。

それでは早速、分割比別の株価推移を見てみましょう。市場影響を排除するため、大証1部、東証1部は TOPIX で、それ以外は、ジャスダック平均で差分調整しています。グラフ中、カッコ内の数値は、該当銘柄数を表しています。



分割翌日から翌々日に急激に上昇し、それ以降にすぐに下落するのは全銘柄共通です。それからは、4分割以上の銘柄と、2分割未満の銘柄は継続的に下げ傾向で、2-3分割銘柄はやや上昇傾向です。

分割日前に目を移せば、説明するには難しいバラバラな動きで、傾向が掴みずらい推移です。

ここでもう少し内容を深く調査するため、信用不可銘柄、信用銘柄、貸借銘柄について、さらにグループ分けします。信用・貸借銘柄の権利処理が影響を及ぼしている可能性があるためです。

そこで、1-2分割未満、2-3分割未満、3-4分割未満 の各銘柄の推移を信用種類別に分けてグラフ化してみます。




ぱっと見た限り、値動きの推移がバラバラで、まとまりがないように思えます。そこでグラフ化する単位を変更し、「信用不可銘柄」、「信用銘柄」、「貸借銘柄」にくくり直し、再度グラフ化してみます。

更に、「信用銘柄」、「貸借銘柄」については、権利処理価格による修正を入れてグラフ化してみます。従って分割後の推移は「権利日の終値-権利処理価格」が基準となります。

この修正を入れる理由は、権利日をまたいで信用銘柄として所持する場合に、その後どのような損益となるか確かめることで、投資戦略の可能性を見るためです。





ここでようやく、なんとなくの傾向が出てきました。信用不可銘柄の場合、1-2分割未満の場合の推移は、1銘柄だけですので今回は無視することにして、それ以上の分割銘柄はじわじわ上昇傾向です。

また、信用銘柄の場合、1-2分割未満の銘柄を所持していると上昇し、逆に3-4倍未満の銘柄を保持していると下落します。貸借銘柄の場合はその逆の傾向が出ています。

結論1:
信用不可銘柄の株式分割は、分割日に向けて下落傾向にあり、分割後にじわじわと上昇する。
信用銘柄の株式分割は、分割日に向けて平均的な株価推移であり、分割日以降、1-2分割未満については上昇傾向にあり、2-4分割未満については下落傾向にある。
貸借銘柄の株式分割は、分割日に向けて平均的な株価推移であり、分割日以降、1-2分割未満については下落傾向にあり、2-4分割未満については上昇傾向にある。

なぜこのような現象が起きるのでしょうか? 正直、「これだ」という明確な理由は分かりません。多少こじつけ的に説明を試みてみましょう。

信用不可銘柄の分割日前の下落は、無期限信用銘柄の処分(分割権利日をまたいで所持できない)によるもので、分割後はその下落分を埋めるような形で、徐々に上昇するのではないでしょうか。

信用銘柄の場合、分割比率が高ければ高いほど、価格の下落を警戒し、権利入札で保守的な価格となります。その結果、信用買建ての修正価格が高くなる傾向にあります。一方で、分割翌日には、その修正価格まで株価が上昇せず、見切売りが続くのではないでしょうか。

貸借銘柄の場合、つなぎ売りが可能であるため、権利入札で高めの価格となります。従って、信用建ての修正価格が低くなる傾向にあります。その結果、分割翌日には、その修正価格まで株価が上昇し、見切売りが発生せずに上昇するのではないでしょうか。

下記の表は、分割権利日終値の価格で信用買建てを行った場合、権利入札により、どれ位、建て単価が上昇したかを表したものです。賃貸銘柄よりも、信用銘柄の方が信用買建ての修正価格が高くなる傾向があることが分かります。

分割比 権利処理による建単価の上昇率
1-2未満-信用(4) 99.72%
2-3未満-信用(4) 104.58%
3-4未満-信用(3) 105.24%
1-2未満-貸借(4) 100.11%
2-3未満-貸借(4) 103.30%
3-4未満-貸借(2) 100.23%

サンプル数が少ないので、結論を導くのにはやや怖い面もありますが、それでも目安として、指針を明確にしておきます。

結論:
信用不可銘柄については、株式分割後すぐの株価が安い時点(2-3%の上昇)で購入すべし。その後にじわじわと上昇する。
信用銘柄については、購入を見送るべし。1-2分割未満について上昇傾向にあるが、分割翌日に値上がり分のほとんどを占めるため、これも購入を見送るのが賢い。
貸借銘柄については、3-4未満分割銘柄について、株式分割後すぐの株価が安い時点(2-3%の上昇)で購入すべし。その後の急上昇を捉えることが出来る可能性がある。

売り時については、以前にもご紹介した通り、新株(子株)が還流する時期に向けて、株価が下落する傾向にあるため、適当に上昇した時点で売り払うのが良いと思います。

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編集後記(From the Editor)

今回は明確な傾向がなかなか出てこなかったため、いろいろな角度から確かめてみた結果、ここまでが分かった範囲です。株式分割について「それほど明確な傾向が出ない」のが「最近の傾向」のようです。

3連休最終日、江ノ島に遊びに行ってきました。暖かかったせいか、人出がいつもの倍はいるのではないかと思えるほど混雑していました。特に「とびっちょ」は激混み。この店では、「釜揚げしらす丼」 と 「しらすかき揚げ丼(ちょっと油っこい)」あたりがお勧め。

だいたいこの時期は、20組の待ちで70分ほど時間がかかる(冬は60分程度、夏の場合は90分程度 - キャンセルする組数に左右されます)ことを計算して、江ノ島の頂上でゆっくり散策して戻っくると、ちょうど良いタイミングです。

それにしても花粉対策でマスクしている人が多いですね。江ノ島でもたくさん見かけました。その中でもユニチャームの「超立体」(通称 鳥マスク)をしている割合が多かった。これを今、お店で買おうとしても、売り切れ店が多く、なかなか手に入りません。

最近のユニチャームの株価上昇もこれと同期している気がします。私は花粉症に敏感で、早めにこの銘柄を買って待機していたのですが、株価の反応が鈍いと思って、見切売りしたとたんの上昇です。流行に敏感過ぎるのもまた問題ですね。

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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

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