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dantotsu

2004/11/28
株も株価もみな戻る!

11/19日は、9月末に株式分割した新株の効力発生日ラッシュでした。中間期決算に合わせて株式分割を行った影響もあってか、52銘柄も9月末に分割を行いました。

この効力発生日に近づくにつれ、実際に売買できる株数が増える影響を恐れてか、株価が急落するケースが多いようです。

そこで、特に、新株の効力発生日近辺の株価の推移に注目し、何らかの投資戦略が生み出せないのか、早速調べてみることにしましょう。

この 11/19日に効力発生日を迎えた52銘柄について株価の推移を見てみます。市場の影響を排除するため、新興市場(ジャスダック、マザーズ、ヘラクレス、セントレックス)はジャスダック平均で調整し、それ以外は、TOPIXで調整しています。

株式分割前日を100%とし、分割の大きさ別に分類します。最初の黒縦線が株式分割前日、後の黒縦線が新株の効力発生日です。



グラフを見て分かるのは、5分割以上の銘柄は派手に上昇しますが、効力発生日近辺では、急激に分割前の株価に近づいています。また、3分割以上の銘柄については、効力発生日に向けて、急激な下落が見て取れます。

他の月も同じ傾向を示しているのか確かめることにしましょう。株式分割発表と同時に爆騰の現象が落ち着いてきた7月末、8月末について調査します。7月末は、9/21日に効力発生日を迎えた銘柄、8月末は、10/20日に効力発生日を迎えた銘柄を対象にします。

注意事項として、7月末分割銘柄では、2倍未満の分割がなかったため、その線はグラフに現れていません。8月末分割銘柄では、10倍以上の分割がなかったため、その線はグラフに現れていません。




月によって多少の色が出ていますが、7月末分割銘柄も、8月末分割銘柄も、分割直後は上昇する銘柄が多いものの、新株の効力発生日に向けて急速に分割前水準かそれ以下に下落しています。

結論1:
株式分割ににより、株価が一時的に急上昇しても、効力発生日に向けて、急速に分割前価格に戻る傾向にある。
効力発生日前後では、株価は一方的に下落する傾向にある。

そこで今度は、新株の効力発生日を 100 として、7〜9月末分割銘柄の平均推移をみてみます。



見事に傾向が現れましたね。分割の割合が大きければ大きいほど下落も急激であることが分かります。

結論2:
分割の割合が大きければ大きいほど、株価の下落割合が大きくなる傾向にある。
株価の下落は、効力発生日の5営業日前から起こりはじめ、効力発生日の2日後まで一方的に続く。

以上の結論を踏まえ、投資戦略を考えてみます。

最終結論:
3分割以上した銘柄について、効力発生日5日前から2日後まで、貸借銘柄は「信用売り」すべし。さすれば10%程度の利益を得ることができる。しかしながら、ほとんどの銘柄は信用売りできず、できる銘柄も、分割前に規制が入ることが多いため、実践ではまず利用できない。
効力発生日を迎える銘柄を、値ごろ感から買う事なかれ。落ちて行くナイフを拾うようなものである。あせらなくても良い。

最終結論に対する注意事項として、86銘柄中、9月末分割が52銘柄も存在しているため、9月末分割銘柄の結果が色濃く反映されていることをご承知下さい。

結局、株式分割中は、ほとんど信用売りができないため、効力発生日を狙って儲けることは極めて困難です。買うタイミングも存在しないため、3倍以上の分割銘柄については、近寄らないのが一番の戦略のような気がします。

参考までに、10月末分割銘柄の推移を見てみます。効力発生日は12/20日です。12銘柄とサンプル数が少ないためか、全くバラバラな動きをしています。

因みに、3-4未満分割銘柄が急激に上昇している理由は、オリコンが暴騰しているためです。この株も、効力発生日には戻ってくるのでしょうかね...



くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

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編集後記(From the Editor)

私jは長いこと、株を始めたら頃からアメリカ市場の株オンリーでした。アメリカで上場している株も、結構分割しますが、分割直後に株が補充され、売ることが可能です。初めて日本の効力発生日のルールを聞いた時にはびっくりしました。

この件に限らず、日本株を開始して、いろいろと制度として不満に思う所が多いのですが、先回り投資家としては、逆にそこを狙えるわけで、おいしい市場なのかもしれません。

その点、かわいそうなのは不慣れな初心者の方です。「自己責任」と押し付けることもできるのでしょうが、国の政策として、個人投資家を増やしたいのであれば、直感的で分かりやすいルールを作成、整備して頂きたきたいものです。
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GOOD LUCK!

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