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投資手法-日経ヴェリタス

2009/6/17
機関投資家の相場予想を追え!

以前に取り上げました投資戦略「日経ヴェリタスの逆を行け!」が好評につき、更に検証期間を広げ、機関投資家/非機関投資家別も調査してみました。早速結果をご紹介しましょう。

検証期間は2007年12月末から2009年5月末までの約1年半(前回より半年ほど多い)です。ただし、週に2日以上市場が閉鎖されていた週(年末年始、GW期間中)は除いています。

前回同様、日経ヴェリタスのブルベア指数と、月曜日(祝日の場合は火曜日)の寄付からの日経平均先物の上昇率の関連について調査しました。まずは決定係数(R^2)がより大きい値を探してみます。

(※決定係数 - 対象にどれだけ説明力(影響力)があるのかの値。0.1 なら、10%の説明力がある)



やはり前回同様に木曜日寄付きが一番高い値です。ちょっと気になるのがここだけピョンと決定係数が高くなっているため、偶然である可能性があります。とりあえずは気にせずに木曜日寄付までの日経平均先物の上昇率を見てみましょう。



相変わらずブルベア指数とは逆相関ですね。

次に機関投資家と非機関投資家のブルベア指数を分けて、日経平均先物の上昇率との決定係数を求めます。



機関投資家の値が抜群にいいですね。それに比べ非機関投資家(証券会社等)は、かなり下がっています。つまり機関投資家の予想は相場の先行きと関連するけれども、非機関投資家の予想は相場の先行きとは関連しにくいということです。

従ってここから先は機関投資家のブルベア指数を利用して投資戦略を組んでみましょう。決定係数がどの時点でも似た値になっているため、どこでポジションをクローズしても良いのですが、ここでも木曜日の寄付までの日経平均先物の上昇率を見てみましょう。



やはりしっかりと逆相関ですね。式の値から"0.1"近辺を境に「売り」と「買い」を切り分けたら良い事が分かります。

実際に0.1よりも小さかったら買い、0.1以上なら売りポジションを保有し、木曜日の始値で決済した場合の売買利益グラフを見てみましょう。



あらら、成果が発揮できたのはリーマンショック以降である事が分かります。今もまだ多少継続しています。成果が出ない期間も長かったので、投資戦略として使うには「VIXが高い時期のみとする」とした方がいいのかも知れません。

いずれにせよ結論を出すにはデータが少なすぎるので、ご利用なさる方は、この投資戦略の有効となる期間も考慮に入れておいて下さいね。

結論:
日経ベリタスのブルベア調査において、機関投資家の予想のみを参考に点数が0.1未満なら「買い」、それ以上なら「売り」のポジションを日経平均先物で月曜日の始値で取り、木曜日の始値でポジション解消すると良い。特に効果が発揮しやすいのは相場が荒れた時である。

しかし、なぜ機関投資家の予想がしっかりとした逆相関になるのでしょうか。機関投資家が本当に売買したい時には「反対のことを言う」ためという勘ぐりもできますが、単に大多数の予想と同期していただけ... という話もありですね。

その点、非機関投資家の予想はあてにはならないけれども、大多数の予想にはなびかない(ドイツ証券の武者さんのように...)人も多いということなのかも。

さて、ここから少々お遊びをします。

今回の投資戦略を利用する場合に、いったいどれくらいの資金を賭けたらいいのか、ケリー基準(オプティマルf)を用いて、過去の数値からのベストの解を探してみます。

ケリー基準(オプティマルf)って何? という方は、以前の投資戦略「資産を最大限に増やすための株の買い方」をご覧くださいませ。投資戦略の本質とは関係ないので、無視してもらっても結構です。

今回の最大損失は-9.1%程度でした。それに合わせて線を引いてみると、0.71の時に、5.6%が最大という結果になりました。つまり、-9.1%の損失を受けた時に自分の資産が71%吹き飛ぶような賭け方!をすれば、毎回資産の5.6%の利益を得られるという事です。それ以上賭けすぎても効率が落ちます。



レバレッジで言えば、0.71/0.091 = 7.81倍ですね。現時点での日経平均先物ではレバレッジ20倍程までOKですので十分利用できます。日経ミニだと元手13万円あたりに1枚買う感覚ですね、

ただこれは過去のデータを元にした最適化がされていますので、実際にはその3倍(週に27%下落まで配慮)くらいは余裕度として見ておきたい所です。その場合は 0.71の1/3にあたる0.24でも(ミニ1枚あたり39万円の元手)、毎回資産の3%程度の利益が出ることがグラフから分かります。

以上、ちょっとしたお遊びでした。

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編集後記(From the Editor)

日経ヴェリタスの記事では、機関投資家だけのブルベア指数は掲載されていません。グラフから読みとるしかありません。正確な値は日経ヴェリタスのWebサイトを見るしかないのですが、すぐには更新されないようです。うーむ。

因みに今週の機関投資家の値は0.0556で「買い」サインなのですが、現段階ではハズしていますね。残念。

今回調査するにあたり、インヴァスト証券で公開していました日経平均先物の夕場の除いたデータを利用しようと考えていたのですが、いつのまにか止めていて、過去データも掲載されていなくなっていました。ちょっとショックです。代わりに、カワサキトレスタからGETしました。

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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!

おまけ。火曜日終値でポジションを解消した場合です。


この時の決定係数が一番高い値でした。安定しているため、レバレッジを効かして火曜日終値で引き上げるのも手ですね。利益率グラフ(0.1で売り買いを反転)を見ても、こっちの方がおススメかな。





ライン