ダントツ投資
Home
夕凪通信
投資戦略
掲示板
リンク
口上
日経平均イベント

2005/9/19
日経平均買い最終チェック!

いよいよ日経平均の定期入れ替えが本格化します。明日が「日経平均買い日」の第一弾です。以前にも投資戦略の「日経平均イベント攻略法」で、日経平均買いの株価推移を追ったのですが、昨年と今年の分のサンプル数が増えましたので、再度まとめ、明日に備えて戦略を練ることにしましょう。

日経平均入れ替えの場合、発表日から実施日までの期間は一定しません。従って全体傾向を見るにあたり、「発表日」をベースに推移を追うか「実施日」をベースに追うか、どちらかの方法を取ることになります。

今年はもう既に「発表日」からは数日が経っていますので、「実施日」をベースに、株価の推移を追ってみることにします(但し上昇率は「発表日」を基準にしています)「実施日」の前日が「日経平均買い日」になります。

まずは、日経平均買い日のチェックをしてみましょう。下記のグラフは、夕凪通信の9/6日に紹介したものと同一のものです。

日付 銘柄 圧力 株数 25DVMA インパクト
9月20日 三共(4501) 売り 580万 135万 4.30日
9月20日 第一製薬(4505) 売り 500万 60万 8.33日
9月20日 スカパー(4795) 買い 1万 3016 3.31日
9月20日 新生銀行(8303) 買い 1000万 1761万 0.57日
9月26日 UFJ(8307) 売り 5000 33131 0.15日
9月26日 東京三菱(8306) 売り 3100 43071 0.07日
9月26日 日清製粉G(2002) 売り 91万 85.7万 1.06日
9月26日 T&D(8795) 買い 100万 52.3万 1.91日
10月3日 森永製菓(2201) 売り 1000万 108万 9.26日

それでは早速「買い」を見てみましょう。今回の入れ替えでは、「スカパー」「新生銀行」「T&D」が該当します。市場の影響を排除するため、発表日をベースに日経平均で差分調整しています(注:「実施日」をベースにしていますので、日数が前になるほど、グラフの信用度は落ちます)

2000年からの新規採用銘柄で、整理ポストで代替採用になった銘柄以外の24銘柄の平均値と対比します。整理ポストで代替採用になった銘柄を除外しているのは、発表日から実施日までの日数が極端に短いためです。


平均値では、順調に上昇し、「日経平均買い日」にグンと上昇しているのが分かります。そして翌日には元に戻っていることも分かります。

スカパーと新生銀行は、明日が日経平均買い日ですので、横軸の"-2"まで線が延びています。T&Dは、買い日までまだ日数があります。なんとなく、明日、スカパーと新生銀行も上昇しそうな予感がします。

もう少し別の角度から検証するために、採用される銘柄の「日経平均寄与度」別にグラフ化してみます。採用する銘柄の寄与度が高ければ高いほど、インデックスファンドは組み入れざる得なくなると予想されるからです(2000年の新規採用5銘柄は、その当時の除数が不明であるため寄与度が計算できず、除外しています)


予想通りの推移です。日経平均寄与度が1%を超えるような銘柄は、発表日からの上昇率も高く、日経平均買い日の上昇も大きく出ます。

それでは今年はいつもの年と比べ、どうなのでしょうか。全銘柄をランキングしてみました。市場の影響を排除するため、発表日をベースに日経平均で差分調整していることにご注意ください。

コード 名称 寄与度 発表日からの上昇率 「買い日」前日比
4795 スカパー 0.03% 19.48% -
4689 ヤフー 0.09% 5.51% 2.07%
9201 日本航空 0.19% -0.82% 0.81%
8795 T&D 0.21% -0.06% -
8303 新生銀行 0.21% -5.07% -
9021 西日本旅客鉄道 0.32% 11.55% 0.05%
8233 高島屋 0.33% 7.19% 0.81%
1963 日揮 0.39% 14.27% 5.76%
1928 積水ハウス 0.45% 2.26% 1.09%
8238 伊勢丹 0.53% 4.60% 0.88%
4519 中外製薬 0.58% 2.79% 1.79%
2282 日本ハム 0.58% 16.73% 1.65%
7733 オリンパス光学工業 0.86% 8.67% 1.09%
8253 クレディセゾン 0.88% 9.76% 11.68%
9064 ヤマト運輸 0.89% 10.86% 11.71%
4324 電通 1.14% 11.09% 3.65%
4511 藤沢薬品工業 1.29% 13.20% 0.83%
9766 コナミ 1.35% 34.16% 15.12%
4704 トレンドマイクロ 1.62% 7.68% 0.45%
9737 CSK 1.85% -11.06% 0.29%
9984 ソフトバンク 1.93% 8.07% 6.17%
9983 ファーストリテーリング 2.75% 30.99% 12.54%

寄与度から言えば、今年は本当に小粒です。その中でスカパーの上昇率は驚異です。日経平均買い日に10%を超えるような急騰は、寄与度が大きい銘柄に偏っていることが分かります。いずれにせよ、どの銘柄も、多かれ少なかれ上昇しています。

事実:
日経平均寄与度が高ければ高いほど、発表日からの上昇率、最終日の上昇率、共に高くなる傾向にある。
日経平均買い日には、どの銘柄も多かれ少なかれ上昇する。

次に除外銘柄についても同様に見ていきます。今回の入れ替えでは、「森永製菓」が該当します。除外銘柄は、流動性の低下により除外された銘柄に限っています。早速グラフを見てみましょう。


森永製菓の日経平均売り日は、まだまだ先です。平均を見る限り、4日前あたりから急激に下落していることが分かります。

「日経平均寄与度」別も参考までに見てみます。除外銘柄は寄与度が低い銘柄ばかりですので、採用銘柄と違い、0.1%で区切ります。


どちらも傾向が似ています。発表日からの上昇率に違いはあれど、4日前あたりから急激に下落していることが分かります。更にランキングについても見てみましょう。

コード 名称 寄与度 発表日からの上昇率 「売り日」前日比
1805 飛島建設 0.02% -17.21% -29.75%
6310 井関農機 0.03% -15.74% -3.36%
1301 極洋 0.05% -6.49% 0.61%
1885 東亜建設工業 0.07% -1.41% -7.09%
2536 メルシャン 0.09% -3.34% 3.44%
2201 森永製菓 0.10% 5.40% -
7102 日本車両製造 0.10% -12.29% 0.34%
6474 不二越 0.11% -14.74% -0.04%
9006 京浜急行電鉄 0.24% -9.07% -4.74%

なんともバラバラです。寄与度自体が低いためか、傾向が見当たりません。

事実:
日経平均売り日の4日前あたりから、全般的に下落傾向となる。
発表日からの上昇率は、どの銘柄も多かれ少なかれ下落する。

最後に会社合併・吸収による除外のケースを見てみましょう。今回の入れ替えでは、「三共&第一製薬」が該当します。統合比率がしっかりと調査できのは、今年の除外銘柄である「セブンイレブン&イトーヨカー堂」、「藤沢薬品」、「東急百貨店」だけでしたので、この銘柄群と比較してみます。



はっきりと分かるのは、「日経平均売り日」前日までは、それほど株価の変動なく、最後にストンと下落しています。明日の三共、第一製薬も同じ傾向になるのではないでしょうか。

因みに、9/16日の株価終値では、三共、第一製薬の「除外分」の寄与度は 0.4%、UFJは、0.07%です。

事実:
合併・吸収による除外される銘柄は、日経平均売り日前日まで、株価の変動はなく、最終日に下落する傾向にある。

以上の事実から、結論を導いてみましょう。

結論:
新規採用の「スカパー」「新生銀行」「T&D」について、日経平均買い日には多かれ少なかれ上昇する。しかし翌日には下落が予想されるため、しっかり売り切るべし。
除外銘柄の「森永製菓」については、日経平均売り日4日前あたりから売り体制に入るべし。
合併、除外銘柄の「三共」「第一製薬」については、日経平均売り日に「売り」で勝負すべし。

正直、この上昇相場での「売り」はちょっと怖いので、新規採用銘柄の「買い」に重点を置くのが良いかと思っています。

--
編集後記(From the Editor)

今回の調査では、「買い・売りインパクト」の日数は意識的に外しました。TOPIX等の経験上、よほど極端ではない限り、インパクト日数よりは、インデックス上位にある方が買い進められやすいと思ったからです。

だからと言って、「買い・売りインパクト」を否定するつもりはなく、これらの数値も、今回の投資戦略と組み合わせて、うまく数値化すれば、もっと正確に上昇率が測れるかもしれません。

話し変わって、毎年日経平均の定期入れ替えは、その規模から、インデックス売買の王様と言えます。しかしながら日本経済新聞社は、この入れ替えに伴う株価乱高下を押さえるためか、いくつか手を打ってきました。

それらは、(1)「発表日」をずらしたこと(例年の予想日の1日前に発表)、(2)分割・併合には、みなし株価で対応してきたこと、(3)新規採用銘柄のみなし額面をコントロールすることで、日経平均寄与度を押さえたこと、です。

正直、イベント投資を行う私としては、残念な方向なのですが、市場の透明度(誰もが気軽に投資できる)を上げる意味では良い方向なのかも知れませんね。

--
くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!


ライン