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2005/1/30
株主優待タダ取りを極める!

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これからの2月、3月は、1年のうちで最も株主優待が集中するシーズンです。過去にもこの投資戦略で、リスクを極力少なく、優待権利を獲得する方法をお伝えしました。
それから1年、松井証券が無期限信用「売建」銘柄を数多く設定したお陰で、リスク無しと言える「株主優待タダ取り」が可能となりました。その理由は、品貸料(逆日歩)が、売建銘柄にまったく発生しないためです。もちろん、松井証券の「無期限信用売」が可能な銘柄のみに限定されますが、銘柄数も多いため、非常に強力です。
今回は、その「株主優待タダ取り」の方法と、一体どれくらいお得なのかについて、調べて見ることにしましょう。この件については、「栗林」さんからメールにて教えて頂きました。ありがとうございます。
まずは松井証券での基礎的なデータを確かめます。
- 売買手数料 300万円毎に 3,150円 (現物、信用の混在可)
- 売建 貸株料(無期限) 年率2.0% - 1日あたり 0.00548% 54.8円/100万円
ここで取る戦略は、株主優待権利日に「150万円分を優待取得用の現物株購入、150万円分を同じ銘柄の無期限信用売」の両建てにします。そして翌日の権利落ち日に、「現物株を無期限信用売に現渡」することで全てが完了します。これによって、最低限の手数料で、株価の変動に全く影響を受けずに、株主優待だけ取得できます。
では、この株主優待を取得するには、一体いくら手数料が必要なのでしょうか?
計算してみましょう。
まずは、売買手数料 3,150円が必要です。これに加え、無期限信用売への利率が3日分(優待権利日をまたぐと、翌日に売却しても3日分カウントされる)必要です。3月の優待はこの計算でよいのですが、2月の優待は権利日前日に土日があるため、利率が5日分必要となります。
従って、手数料の計算式は以下の通りです。(現渡は手数料がかかりません)
- 2月 - 3,150 + (54.8*1.5)*5 = 3,561円
- 3月 - 3,150 + (54.8*1.5)*3 = 3,396.6円
ここで、2月優待の場合は 150万円で買える範囲で 3,561円よりお得な株主優待、3月優待の場合は、3,397円よりお得な株主優待を狙えば、その分だけ、品貸料(逆日歩)のリスクなしで株主優待の幸せが手に入ります。
この値は、150万円毎にその倍数分だけ増えます。300万円であれば、6,800円-7,100円程度の手数料が必要となります。
実は現物株が150万を超える場合、更にお得な方法があります。それは、手数料の安い証券会社を利用するのです。ここでは売買代金も、利率も安い
E*Trade を利用することにします。
まずはE*Tradeでの基礎的なデータを確かめます。
- 売買手数料 577円 (信用のみ。売買額に制限なし)
- 買建金利 1.9% - 1日あたり 0.00521% 52.1円/100万円
安いですねー !
ここで取る戦略は、株主優待権利日に「E*Tradeで 300万円分を信用買し、すぐに現引(現物で直接買うよりこの方が安い)します。同時に松井証券で、300万円分を同じ銘柄の無期限信用売」の両建てにします。そして翌日の権利落ち日以降に、E*Tradeの現物株を、松井証券に移管します。そして移管が終了次第、「現物株を無期限信用売に現渡」することで全てが完了します。
この場合、一体いくら手数料が必要なのでしょうか? 計算してみましょう。
まずは、E*Trade では、信用売買手数料 577円と、1日分の買建て利率が必要です。松井証券では、売買手数料 3,150円と、売建の利率が、現物株が移管され、現渡するまでの間必要です。
通常、権利落ち日から権利確定日までの5日間は、現物株の移管はできません。ここでは、その分も加味し、移管に10日間(移管のための用紙は、事前に
E*Tradeに請求しておきましょう)かかると想定し、算出します。
従って、手数料の計算式は以下の通りです。(移管には手数料がかかりません)
- 577 + 52.1*3 + 3,150 + (54.8*3)*10 = 5,527.3円
ここで、2月も3月も、300万円で買える範囲で 5,528円よりお得な株主優待を狙えば、その分だけ、品貸料(逆日歩)のリスクなしで株主優待の幸せが手に入ります。
この値は、300万円毎にその倍数よりやや少ない分(E*Tradeの売買手数料が変わらないため)増えます。600万円であれば、10,500円程度の手数料が必要となります。
因みに、品貸料(逆日歩)のリスクを背負うのであれば、E*Trade を利用して、300万円分の現物株の株主優待を狙う場合、以下の値段より、得な株主優待が必須です。
- 2月 - 577*2 + 52.1*3 + 31.5*3*5 = 1,782.8円
- 3月 - 577*2 + 52.1*3 + 31.5*3*3 = 1,593.8円
ここで、株主優待を得るための現物株の額と、手数料の関係について、グラフにしてみましょう。

品貸料(逆日歩)のリスクを覚悟する場合の手数料は十分安いのですが、品貸料(逆日歩)は、事前に予測できないので、大損する可能性もあります。注意してください。
結論: |
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松井証券の無期限信用売銘柄を利用する場合、リスクなく株主優待を得ることができる。 |
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リスクなく株主優待を得る場合、150万円の現物株までなら、松井証券のみ、150万円を超えるようであれば、手数料が安い証券会社で現物株を買い、移管するのが良い。 |
ここまで書いておきながらも、それはないんじゃないのと言われそうですが、皆様にお願いがあります。それは「現物株の移管は、あまり頻繁に行わないで下さい」ということです。現物株の移管には手数料が発生しませんが、証券会社のコストは発生しています。
移管が頻繁に行われた場合、証券会社で発生しているコストを転嫁する必要が出てきます。そうなれば、移管を有料化、もしくは売買手数料に転化されることも考えられます。ここぞという時にだけ、利用して頂けたらと思います。
それでは最後に、2月、3月の優待銘柄であり、松井証券の無期限信用売でもある銘柄をご紹介します。 (2005/2/6追記 西友は2月の優待銘柄ではありませんでしたので、リストから削除しました)
2月の優待銘柄(「しまむら」と「イオン」は2月20日)
コード |
銘柄名 |
3337 |
サークルKサンクス |
3606 |
レナウンダーバンHD |
8016 |
オンワード樫山 |
8227 |
しまむら● |
8233 |
高島屋 |
8234 |
大丸 |
8267 |
イオン● |
9602 |
東宝 |
3月の優待銘柄
コード |
銘柄 |
1379 |
ホクト |
1878 |
大東建託 |
1925 |
大和ハウス工業 |
2001 |
日本製粉 |
2002 |
日清製粉グループ本社 |
2202 |
明治製菓 |
2282 |
日本ハム |
2602 |
日清オイリオグループ |
2801 |
キッコーマン |
2802 |
味の素 |
2810 |
ハウス食品 |
2871 |
ニチレイ |
2873 |
加ト吉 |
2875 |
東洋水産 |
2897 |
日清食品 |
2914 |
JT |
3105 |
日清紡 |
3591 |
ワコール |
4511 |
藤沢薬品工業 |
4540 |
ツムラ |
4631 |
大日本インキ 化学工業 |
4661 |
オリエンタルランド |
4689 |
ヤフー |
4732 |
ユー・エス・エス |
4911 |
資生堂 |
4922 |
コーセー |
5331 |
ノリタケ カンパニーリミテド |
5332 |
TOTO |
5701 |
日本軽金属 |
5929 |
三和シャッター工業 |
6971 |
京セラ |
7231 |
トピー工業 |
7267 |
本田技研工業 |
7911 |
凸版印刷 |
7967 |
バンダイ |
8113 |
ユニ・チャーム |
8238 |
伊勢丹 |
8253 |
クレディセゾン |
8601 |
大和証券グループ本社 |
8603 |
日興コーディアルグループ |
8623 |
SMBCフレンド証券 |
8755 |
損害保険ジャパン |
8815 |
東急不動産 |
9001 |
東武鉄道 |
9005 |
東京急行電鉄 |
9007 |
小田急電鉄 |
9008 |
京王電鉄 |
9009 |
京成電鉄 |
9020 |
東日本旅客鉄道 |
9021 |
西日本旅客鉄道 |
9022 |
東海旅客鉄道 |
9041 |
近畿日本鉄道 |
9043 |
阪神電気鉄道 |
9101 |
日本郵船 |
9605 |
東映 |
9752 |
ナムコ |
9831 |
ヤマダ電機 |
9875 |
マツモトキヨシ |
9984 |
ソフトバンク |
9987 |
スズケン |
私は、3月にオリエンタルランドあたりでも狙いましょうかね。
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編集後記(From the Editor)
この土曜日から花粉症の症状が出てきました。毎年そうなのですが、とにかくノドが痛いのです。うがいをしても、全然直りません。ついでに鼻水も出てきます。5月の連休あたりまで続くかと思うと、この先が思いやられます。
因みに私はスギ花粉症ではありません。昨年耳鼻科に通った時に、スギ花粉にはアレルギー反応はしませんでした。しかしながら、マスクをすれば症状が和らぐので、なんらかの花粉症であることには間違いがないようです。
こんな時にはいつも、「春先だけは海外で暮らしたい」と思ってしまいます。もちろん、1年中海外で暮らすのも良いのですが、日本は食事がおいしいし、言葉も十分に通じる(笑)ので、日本に暮らすのも好きなんです。
そんなこんなで、自分の居住地を、自分の意思で自由に決められるくらい、投資で利益を出し続けるのが、目標だったりするのです。
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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!

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