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Anomaly

2005/1/2
2005年の株価はどうなる?

もうすぐ2005年の相場が始まります。雑誌やテレビでは、大勢の学者やエコノミストが2005年の相場を占っています。そのほとんどが「ファンダメンタルズ」と呼ばれる「経済の基礎的条件」からその動向を予想しています。

この観点からの予想については専門家にお任せするとして、ここでは「ダントツ投資研究所」らしく、過去の1年周期での株価の動向を調査し、その動向の原因を探ることから、2005年の株価の動向を占ってみたいと思います。

それでは早速、1年周期での株価の推移を、過去に遡って調査することにしましょう。まずは日経平均についてです。

グラフ中の値は、前年の大納会の株価を1とした場合の、年間を通じた株価の終値の推移です。青線が14年間(1991-2004)の平均、オレンジ線が最近4年間(2001-2004)の平均、黄線が最近4年間を除いた10年間(1991-2000)の平均を表しています。



ものすごくきれいな「"へ"の字」カーブを描いていますね。ここ14年間を平均すれば、12月下旬に底値を付け、5月上旬に高値をつけるパターンになっています。

そうえいば、昨年もゴールデンウィーク明けから株価が軟調になったのですが、「それはいつものパターンだった」ということになります。
そして年末に上昇を開始したのも、「それはいつものパターンだった」ということになります。

この年間パターンを知っていたヘッジファンドが、6月に売り仕掛け、12月に買いし掛けを行った可能性もあるのではないでしょうか。

なぜこのような「"へ"の字」カーブになるかは、正直わかりません。いずれにせよ、12月下旬で日経平均を買って5月上旬に売りをするだけで、年間14%(12月-5月で4%の上昇、5月-12月で10%の下落)ほどの利益!! を14年間通算で得ることができたということになります。

更にもう少し詳しく、グラフ中、いくつか特徴的な部分について、番号を振りましたので、そこも見て行きましょう。

No1. 1/11-1/15日近辺で○で囲まれた部分ですが、これは年末から上昇した分、「掉尾の一振(とうびのいっしん)」に対する反落と見ることができます。

No2. 3/22日近辺と、3/28日近辺に2度ほどピークがやってきます。3/22日は多くの銘柄の権利確定日です。3/28日近辺のピークの理由は謎です。とにかく、3月権利確定銘柄は、そのまま権利確定して、3/28日近辺で売却するのが効率良さそうです。

No3. 5/6日近辺に最大のピークがやってきます。ゴールデンウィーク明けです。ゴールデンウィークの余暇で資金を使い果たし、換金する人が出るため、ここから下がるのでしょうか? (そんなわけないですよね..)

No4. 6/27日近辺に一度谷を迎えます。半期の株の入れ替え調整のために売られるのでは? と想像します。その後に再び買われます。

No5. 7月上旬-中旬に大きな山がやってきます。半期の株の入れ替えの買いが終了する時期なのでは? と想像します。

No6. 8月中旬に谷を迎えます。市場参加者が少なくなり、「お盆底」の相場になります。

No7. 12月下旬で底を打ち、「掉尾の一振(とうびのいっしん)」から新年に向かって上昇します。

これらの株価の山谷は、いかにも日本的な事情のように思えるのですが、本当に日本だけの特有な現象なのでしょうか? それとも全世界で共通の現象なのでしょうか。アメリカの代表的な指標であるS&P500についても調べてみることにしましょう。



全然似ていない株価カーブです。2001.9.11 テロによる下落により、株価カーブは歪められましたが、それ以前は一本調子の上昇基調で、ほとんど山と谷は見当たりません。

事実1:
日経平均について、ここ14年間平均すれば、12月下旬に底値をつけ、5月上旬に高値をつける「"へ"の字」カーブを描く。
1年のうちでも何回か、ある決まった日の近辺で、株価が山になったり谷になったりする。
米国の株価カーブは、日本の株価カーブと全く異なる。ほぼ全て、日本特有の現象である。

ここでJASDAQ平均についても調べてみましょう。JASDAQ平均のデータは、1997-2004 の7年分しか手元にありませんので、この範囲で調べてみることにします。



ここ7年間平均すると、140%の上昇と驚異的です。しかしこれはご存知の通り、1999年のITバブルの影響を相当に受けています。そこでこの1999年だけを除いた黄色の線に注目してください。

黄色い線の株価カーブは、「ゴールデンウィーク明けに山があり、もう一度7月上旬に山がきて、12月下旬に底を打つ」といった、日経平均とほぼ同じ動きをしています。

事実2:
JASDAQ平均について、ここ7年間平均すれば、年間を通じて、一貫して上昇基調である。
ITバブルの1999年を除けば、12月下旬に底値をつけ、5月上旬に高値をつけるパターンがはっきりと現れ、日経平均の推移と似ている。

ではこの結果を投資戦略に結び付けることにしましょう。

結論:
日経平均に連動する商品(ETF等)について、12月下旬に買って5月上旬に売ることで、14%程度の利益を手にすることが出来る。
1年のうちに何回か、ある決まった日の近辺で、山谷が発生する。それを狙うことで、効率良く利益を手にすることができ、狼狽売り、高値つかみをある程度、防ぐことができる。

とりあえず、年初は「買い」スタンスで、ゴールデンウィークを超えたら「売り」スタンスで構えるのが良さそうです。

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編集後記(From the Editor)

今年の最初の投資戦略は、今年の1年を代表するようなものにしたかったので、何にするか悩んだのですが、そのままストレートに、1年周期の株価の推移を取り扱ってみました。

こんなにきれいな「"へ"の字」カーブが描けるとは予想の範囲外でした。「昨年の株価の動きは例年通りだった」ということも分かって、「もっと早く調査していれば良かった」と思うことしきりです。

結論について、さらっと書きましたが、その他の戦略もたくさんあると思います。ここでの戦略を基礎情報として、投資の参考にして頂けたらと思っています。

今年も皆様にとって良い年でありますように。
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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

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