2008/1/6
コバンザメ投資は海外でも通用するのか?
インデックスの銘柄入れ替え合わせた売買、いわゆる
コバンザメ投資は日本だけの特異な現象なのでしょうか、それとも世界どこでも起こる普遍的な現象なのでしょうか。
最近、これを確かめるベストの機会がやってきました。英国FSTE100の銘柄入れ替えです。
英国FTSEは、米国のダウ、日本の日経平均株価と同様に、世界的にメジャーな株価指数です。先物やETFも盛んに取引されています。
FTSE社は12/21日にFTSE100の銘柄入れ替えを行う事を発表しました。
12/24日に7銘柄入れ替えです。
しかし100銘柄のうち7銘柄も一気に入れ替えるとは大胆です。日本経済新聞社は日経平均株価について毎年225銘柄中、3銘柄程度しか入れ替えません。これは2001年の30社入れ替えを行った時のトラウマが残っているためです。
それでは早速、新規採用銘柄と除外銘柄の株価平均推移を見てみましょう。相場の影響を排除するため、FTSE100によって差分調整しています。
注:新規採用銘柄のThomas Cook Group(TCG.L)と除外銘柄のDaily Mail & General Trust (DMGOa.L)の時系列データが取れなかったので、この2銘柄は含んでいません。
ほぼ日本と同じ現象が起きている
ことが分かります。発表前あたりから株価が動き出し、FTSE買い日までに新規採用銘柄が約8%の上昇、除外銘柄が約8%の下落しています。
FTSE買い日、12/21日(12/24日の前営業日)の各銘柄の4本値を見てみましょう。まずは新規採用銘柄から。
6銘柄中4銘柄が高値引け
です。
Ticker
Company
始値
高値
安値
終値
高値引け
当日上昇率
CNE.L
Cairn Energy
2740
2839
2623
2839
○
3.61%
FGP.L
FirstGroup
754
808.5
754
808.5
○
7.23%
TT.L
TUI Travel
278.5
286
273
283.75
1.89%
KEL.L
Kelda Group
1079
1093
1075
1093
○
1.30%
ADM.L
Admiral Group
1096
1132
1083
1132
○
3.28%
GFS.L
G4S
243
243.75
229
242.5
-0.21%
次に除外銘柄です。
6銘柄中4銘柄が安値引け
です。一番下のNorthern Rock(NRK.L)は、サブプライム問題によって取り付け騒ぎが起きた銀行です。
Ticker
Company
始値
高値
安値
終値
安値引け
当日上昇率
PUB.L
Punch Taverns
784
819
767.5
767.5
○
-2.10%
TATE.L
Tate & Lyle
440
450.5
432
433.75
-1.42%
DSGI.L
DSG International
103.9
105.7
100.4
100.5
-3.27%
MAB.L
Mitchells & Butlers
445.75
447.5
427.25
427.25
○
-4.15%
BDEV.L
Barratt Developments
447.75
448
431.25
431.25
○
-3.69%
NRK.L
Northern Rock
93
93
85.5
85.5
○
-8.06%
うーん、こんなに明確に株価に出てしまっていいのでしょうか...。さすがに気がついている人もいるとは思うのですが、一気の7銘柄の入れ替えが効いているのかも知れません。
結論
:
コバンザメ投資は海外でも通用する素地は十分にある。
ロンドン証券所で「大引け注文」を受け付けてはいないでしょうが、コバンザメ投資による大引け近辺での売買は試してみる価値は十分にありそうです。これだけのために英国株取引口座を開くのは面倒ですけれども。
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編集後記(From the Editor)
調査データは英国Yahooを利用したのですが、どうもきめ細かくメンテナンスが行き届いていないようでうで、FTSEの銘柄構成は古いままです。また、時系列データの更新も遅いようです。
その点、日本Yahooのデータ更新のきめ細かさ、スピードは驚くばかりです。これはお国柄の違いなのでしょうかね。
「コバンザメ投資の可能性」について英国現地の人があまり認識していないようでしたら、乗り込んでみましょうか(笑)。
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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!