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2007/4/8
急騰は翌日の寄付きで売っちゃえ!

前回の投資戦略「急落はその日のうちに買っちゃえ!」では、日経平均で前日比 -1.75%以上の下落で終了した場合、その日のうちに日経平均先物を買うと良い結果がでました。では急騰の場合も同じことが言えるのでしょうか。早速調査してみましょう。

調査期間として、前回同様、日経平均の大底をつけた2003年4月14日以降に絞ります。従って、今回の結果は、長期的な上昇局面での利用を前提としています。

調査方法についても前回同様で行います。まずは日経平均先物を、急騰した当日の大引けで売建てをした場合と、翌日の寄付の売建てをした場合の比較をしてみます。

急騰当日大引けで売建て
前日比 3%以上 2.75%以上 2.5%以上 2.25%以上 2%以上
合計利益率 1.87% 1.49% 0.80% 2.55% -5.94%
回数 6 11 18 24 39
1回あたりの利益率 0.31% 0.14% 0.04% 0.11% -0.15%
勝ち 4 7 11 14 18
負け 2 4 7 10 20

急騰翌日寄付きで売建て
前日比 3%以上 2.75%以上 2.5%以上 2.25%以上 2%以上
合計利益率 2.57% 3.40% 2.77% 6.01% 1.01%
回数 6 11 18 24 39
1回あたりの利益率 0.43% 0.31% 0.15% 0.25% 0.03%
勝ち 3 6 7 11 18
負け 3 5 10 12 19

急落時と違って、わずかですが翌日の寄付きに売った方が成績が良くなることが分かります。また、勝率も、1回あたりの利益率も、急落時に比べ、あまり良くありません。

次に、どれ位の上昇率であれば、売り出動した方が良いのか見てみます。急騰翌日の寄付で売り、当日の大引けで買戻した場合を基準に探ってみます。グラフは、売買1回あたりの利益率です。



クラブから、前日比 2.25%以上の上昇であれば、売り仕掛けしても良い値です。詳しく調べましたら、2.20%を割ると、急に成績が悪くなります。

次に「いつ買い戻すか」ですが、前日比 2.25%以上の上昇で、日経平均先物を翌日の寄付で買いを入れ、3営業日寄付まで、それぞれの寄付と大引けで買い戻したタイミング別に平均利益率をグラフにしてみます。売買手数料は含んでいません。


直線的に下落し、当日のうちに手仕舞いした方が良い事が分かります。しかしながらこれでは、急落パターンと比較し、利益率が低く過ぎて、あまり実行に移す気になれません。もう少し効率が良い方法はないものでしょうか。

そこで利益が出るパターンを分析してみると、日経平均で前日比 2.25%以上の上昇、かつ先物の翌日の寄付きが、前日終値よりも高く始まる場合に売り、当日のうちに買い戻すと、プラスとなる場合が多いことに気がつきました。このフィルタをかけてみます。

前日比 3%以上 2.75%以上 2.5%以上 2.25%以上 2%以上
合計利益率 3.36% 5.70% 6.56% 6.99% 3.25%
回数 3 6 9 13 23
1回あたりの利益率 1.12% 0.95% 0.73% 0.54% 0.14%
勝ち 2 5 6 8 14
負け 1 1 2 4 8


うまくいきました。勝率も、利益率も上がりました。但し、挑戦する機会も年に2-3回程度とかなり少なくなります。

結論:
日経平均が前日比2.25%を超える上昇を終値で記録した場合、翌日の日経平均先物の寄付が、前日比終値を上回って始まる場合に限って売るべし。そして当日の大引けで買い戻せば、1回平均0.54%の利益が得られる。

「日経平均先物の寄付が前日比終値を上回って始まる場合に限って売る」というのは一見不可能な注文に思えますが、「寄指」を使えば、実現できますね!

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編集後記(From the Editor)

せっかくなので、ここで急落時と急騰時の違いをまとめてみます。

  急落時 急騰時
回数 回数が多い 回数が少ない
タイミング 当日の大引けで買う 翌日の寄付で売る
利益率 利益率が大きい 利益率が小さい

とっても面白いですね。全く違う結果が出ています。 特に、上昇期であるにも関わらず、急落の方の回数が多いのは驚きです。

結局は、出所を知らないのですが「ブルは階段を上り、ベアは窓から飛び降りる」の格言が、よく様子を表していると思います。急騰、上昇時は、様子を見ながらゆっくりと買い進まれるのですが、急落時は我れ先に一斉に売りに出るためでしょうね。

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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!
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