2007/2/11
SQ前の「魔の水曜日」を検証する!
毎月第2金曜日の
SQ(Special Quotation)直前の水曜日は相場が軟調になる(魔の水曜日)
といった記事を
日本証券新聞
で見つけました。この2月も見事に当たったことから、もしかしたら裁定買残高が多い場合のSQ前には、何かしら規則性があるかも知れないと思い、早速調査してみました。
まず最初にSQ近辺の株価推移を確かめることにします。毎月第2金曜日の終値を基準にして、その前後5日間の日経平均の推移を見てみます。これと同時に、いつから「水曜日が軟調になる」現象が起きているのか確認するために、相場が大底から上昇を始めた「2003年6月以降」、裁定買残が増え始めた「2005年8月以降」、そして「ここ1年」を同時に掲載してみます。
「水曜日が軟調になる」現象は、ライブドアショック以降の「ここ1年」に顕著になっていることが分かります。
年間平均で1%の下落は相当なものです。もう少し推移を詳細に見るため、「ここ1年」を平均化したローソク足を見てみることにします。
はっきりと「水曜日」に大きな陰線を描き、その後のSQ当日にわずかに陽線(黒っぽく見えますが陽線です)になりますが、またそこから陰線を描いていく様子が分かります。これはやはり「裁定買残」が多いことによる波乱なのでしょうか?
そこでSQの週について、外国人投資家の動きを見てみます。
最近のクレディスイスによる先物ポジション大移動が相場に波乱をもたらしているように、こういった動きの裏に、外国人投資家の影がちらつくからです。
SQ日
現物
日経先物
TOPIX先物
合計
2006年2月10日
-2239
-871
101
-3009
2006年3月10日
-1877
-1032
1060
-1849
2006年4月14日
-3961
-339
-458
-4758
2006年5月12日
-831
-2787
-2319
-5937
2006年6月9日
-3754
2577
-757
-1934
2006年7月14日
-2772
-391
-270
-3433
2006年8月11日
679
531
1737
2947
2006年9月8日
1478
-1041
445
882
2006年10月13日
1461
2692
420
4573
2006年11月10日
-620
887
-2702
-2435
2006年12月8日
5919
-2078
1218
5059
2007年1月12日
1294
-775
-798
-279
特に昨年の前半は、マイナスばかりが目に付きます。ここ1年(53週)、外国人投資家が「現物」を売り越ししたのは18週ありました(34%)。そのうち6週はSQがある週で、大きな割合を示しています
(参考までに証券会社の自己売買部門についても調べてみたのですが、一定の傾向が見られず、バラバラでした)
。
更に今度は、外国人投資家の動きと株価の連動を調べてみたいと思い、個別にSQのある週の日経平均の動きを見てみます。SQ当日の終値をベースにしています。線が太くなっているのは、BIG SQの週です。
あまり一定の傾向らしきものが見当たりません。
但し水曜日だけは軟調になることが多く、外国人投資家も買い越しになっている8月と12月だけは上昇です(2勝10敗)。これ以前の期間についても調べてみたのですが、上昇と下降がほぼ同じ割合で出現していました(2003年6月-2006年1月 16勝16敗)。
やはり裁定買残の増加によって外国人投資家が何か仕掛けているに違いない...
と断言したい所なのですが、正直な所、わずか12回を平均化しただけですので、単なる「確率の偏り」が出現したとも言えてしまいます。
念のため、SQの週の水曜日の先物売買の手口も調べてみたのですが、
ここ4回連続!(昨年11月-今年2月)でクレディスイスが大量売りしているのは確認できた
のですが、それ以前はあまり偏りが見られませんでした。
結論
:
ここ1年、SQ前の水曜日に急落する現象が多く見られるが、仕掛けによるものなのか、確率的な偏りによるものか、はっきりしない。
「結論とはいえないような結論」となってしまいましたが、最近のSQの週の水曜日は「軟調になりやすい」ことだけは、気にかけていた方が良さそうです。
--
参考
:
・
日本証券新聞
・
オリックスタイムズ
(投資部門別売買状況)
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編集後記(From the Editor)
本来ならオプションの仕掛けを見る必要があるのですが、数値にしにくく、ここまでの調査が私の限界でした。もし何か傾向が見て取れるようでしたら、お知らせ頂けると嬉しいです。
本文中にも少々コメントしましたが、最近の相場はクレディスイスの先物売買に振り回されている感があります。一国の相場が一社の売買に影響を受け続けるのはあまり好ましくない状況です。
まあ、そこは相場ですので、誰かがクレディスイスの仕掛けを見抜いて、先回りする人も出てくるでしょう。そうしたら少しは平坦化するのではないかと思います。もし今この仕掛けの謎が解けたら、大金持ちになれそうなんですけれども(笑)。
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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!