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格言

2007/1/14
「事故に売りなし」は本当か?

相場での格言に「事故に売りなし」というものがあります。突発的な事故や災害によって株価は一時的に下がるにせよ、いずれは復活するので、ろうばい売りは避けた方が良い といった意味です。本当にそうなのでしょうか。

2007/1/10日、不二家(2211)が消費期限が切れた牛乳を使ってシュークリームを作っていた事実が発覚しました。発表を遅らせた倫理の面で批判を受けていますが、これも一種の事故とも言えます。

そこで過去に食品業界で起こった事件・事故について株価の推移を調査し、今後の不二家の株価の行方を推測すると共に、今後、事件、事故が発生した場合、どう行動する方が良いのかを考察してみたいと思います。

まずはここ数年のうちに発生した食品業界の事件・事故を見てみます。いろいろと調べたのですが、あまり多く見つけられませんでした。

コード 企業 事故・事件 発生(発覚)日
2262 雪印乳業 食中毒 2000/6/29
2282 日本ハム 牛肉偽装 2002/8/6
8043 スターゼン 牛肉偽装 2002/2/27
1331 ニチロ 回収肉まんの再販売 2002/7/17
8216 フォルクス(現 どん) 成型肉不当表示 2005/11/15

参考までに、食品業界以外の事件・事故を見てみましょう。

コード 企業 事故・事件 発生(発覚)日
4726 ソフトバンク 個人情報漏洩 2004/2/27
8031 三井物産 排ガス虚偽データ 2004/11/22
9021 JR西日本 福知山線脱線 2005/4/25
9020 JR東日本 羽越本線脱線 2005/12/25
6752 松下電器 石油温風機 2005年12月
6758 ソニー リチウム電池 2006年夏

私は各事件・事故の当事者ではないこともあって、どれもほとんど忘れかけています。長期的に見れば、雪印グループ、三菱自動車のように、2度続けて間違いを繰り返さなければ、それほどダメージになっていないことが直感的に感じ取れます。

それでは実際に、株価の推移について見てみましょう。事故が発覚直前の株価終値を100%とした場合の値動きです。市場の影響を排除するため、全てTOPIXで差分調整しています。


どの銘柄も売られた後に、株価が上昇に転じています。「事故に売りなし」の格言は正解と言えます。ただ、表示上の問題だけで済んだフォルクスを除き、元の株価に、なかなか戻れないことも良く分かります。

それでは事故発覚前後の不二家の株価推移を見てみましょう。比較対象として、不二家同様、幅広い食品の撤去が進んだ雪印乳業、日本ハム、スターゼンと共に掲載してみます。



正直、不二家の株価はまだ下げ足りない気がします。マスコミのバッシングが、過去の企業ほど激しくないことも影響しているのかも知れません。リバウンドの買いを入れるのはまだ抑えた方が良さそうです。

次に、競合企業の株価の推移を見てみましょう。ある企業の事件・事故が発生すると、大抵、競合企業の株価が買われる現象が発生するからです。雪印乳業に対する森永乳業、日本ハムに対する伊藤ハムの株価推移です。




どれも競合企業が上昇しています。しかしながら長く持たず、下落を始めます。

サンプル数があまりにも少ないので、確度に欠けるところがありますが、結論をまとめてみます。

結論:
「事故に売りなし」の格言は本当である。売られすぎは買いチャンス、競合企業の買われすぎは、売りチャンスになる。

不二家の競合企業はどこでしょうか... まだ話題に上っていないので、これから株価が上昇する企業が出てくるかもしれません。それは買いチャンスでもあり、上昇後には絶好の売りチャンスでもあります。

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編集後記(From the Editor)

事件・事故があっても株価が復活するのは、これを教訓にして、社内の引き締めを行うために、逆に成長の種になったりするためでしょうね。「人生万事塞翁が馬」です。

この投資戦略を説明する文面に、多くのマイナスイメージ言葉を使わざるを得なかったので、最後にプラスイメージの言葉(天国言葉 - 参考:斉藤一人さん)で締めくくりたいと思います。

ついてる、嬉しい、楽しい、幸せ、感謝します、ありがとう、許します。
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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!
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