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優待買い

2006/1/15
優待銘柄の動向をチェックする
(2006年早春号)

ここ最近、優待銘柄の動向が、以前と雰囲気が変わってきたように思えます。2ヶ月前くらいから優待銘柄が上昇し始めるのです。以前は1ヶ月前くらいでも「もみあい中」に指値で買いを入れられたのですが、今だとそれでは遅く、「上昇している最中」に買いを入れる感覚になりました。

そこで今回は、私のこの感覚が正しいものかどうか確かめると同時に、3月末の本格的な優待シーズン前に、最近の優待銘柄の全体動向はどうなっているのか、2006年早春号の優待戦略として、確かめてみたいと思います。

早速、昨年の 10月、11月、12月の優待銘柄の全体の値動きはどうだったのか見るために、最終権利日の株価を100%としてグラフにしてみます。市場の影響を排除するため、東証・大証1部銘柄(伝統市場)はTOPIXで、その他の市場銘柄(新興市場)はJASDAQ平均で差分調整します。

(注意: 「優待銘柄の値動き」に注視するため、株式分割を行った銘柄、株式分割の子株が還流した銘柄、極端に流動性が低い銘柄、新規上場すぐの銘柄は除いてあります)




10月、11月優待銘柄は、順調に右肩上がりで市場全体の動きに勝っているのですが、意外なことに、12月優待銘柄になると、逆に市場全体に負けてしまっています。

こういった統一的ではない結果が出る場合、私の経験上、市場の影響分を排除せず、実際の株価の動き(実値)を追うといろいろと分かることが多いので、株価そのままの動きをグラフ化してみます。




こちらの方がはるかに状況を良く語っているように思えます。12月の優待銘柄の株価は2ヶ月間で15%近く上昇していますが、、TOPIXやJASDAQ平均のといったインデックス上昇がそれを更に上回っているため、優位さがなくなってしまったのではないかと思うのです。

では上昇相場では、優待銘柄への投資魅力は失われるのでしょうか? 私はそんなことはないと思っています。優待銘柄の魅力は、市場全体の値動きに左右されずに着実に上昇する点です。

優待銘柄は、確かに一方的な上昇相場では負けてしまうかもしれませんが、もしもの急落時のリスクに対して抵抗力があります。いわば、補助輪付きの自転車に乗っているようなものです。かなり安心して所持できると思うのです。

また、グラフから、買いタイミングとして、2ヶ月前の20日頃が一番有効で、優待権利日前(2-4日前)に売却することで利益を最大限に得ることができるのが分かります。

ここで一歩進んで、市場の上昇にも勝てるような銘柄の選択方法はないものでしょうか? いろいろと検証してみましたが、残念ながら私の調査の範囲では、10-12月銘柄であてはまる有効な方法がみつかりませんでした。

ただ、私の投資失敗経験から「値上がりが期待できそうな銘柄」について、なんとなく見当がつくようになりました。個人の感覚となってしまいますので、数値化できないのですが、「夢を描ける株主優待は人気が出やすい」ということです。

もう少し分かりやすく言うと、「恋人同士」または「家族同士」が優待券を使う場面が具体的に描け、そこで幸せが見えやすいものは、多少損しても手に入れたいと思いますから、値上がりが期待でき、それが見えにくいものは厳しいということです。もちろん例外もあります。

幸せが見えやすいもの:
・居酒屋の優待券
- 三光マーケティングフーズ、コロワイド
・(ファミリー)レストランの優待券
- 東和フードサービス、ロイヤルホールディングス
・オリジナル商品、地元名産品
- 光彩工芸、ニッコー、京王ズ、デイトナ
幸せが見えにくいもの(あくまでも個人的な感覚です):
・ファーストフード系の優待券
- マクドナルド、壱番屋、ケンタッキー
・いつでも容易に手に入る商品の優待
- キャンドウ、山崎製パン、ライオン
・商品が高額で実際には利用が難しい割引券
- 田崎真珠、カッシーナ、大倉工業
株主優待への投資は一年中「使える投資」ですので、常に2-3ヶ月先の優待銘柄の推移をチェックしておいても損はないと思います。

結論:
優待銘柄は約2ヶ月前に購入し、優待日直前に売ることで利益を最大化することができる。上昇相場では市場全体の値上がりに負けてしまう可能性があるが、急落時に対する安心度は高い投資であるため、積極的に活用すべし。

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編集後記(From the Editor)

私の投資スタンスは、基本的にイベント投資ですので、年中有効な優待銘柄への投資は積極的に活用しています。以前にご紹介した通り、事前に仕込んでおいて、優待を受け取らずに直前に売却します

こうすることで、私は値上がり益をもらえますし、直前にどうしても優待を取得したい人に、手ごろな値段で受け渡しすることができますので、両者にとって喜ばしいことだと思っています。

株主優待に誘われて株式投資の世界に入り込んだ人も多いでしょうし、たとえ損してでも手に入れたいと思う人も多いでしょうから、今後も長生きする投資法ではないかと思っています。

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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!

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