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2004/6/6
寄り付き前の外資系証券の売買動向を利用する

毎朝8:30分頃に発表される「寄り付き前の外資系証券経由の売買動向」は、市場関係者の注目の的です。ここ1年間の株価上昇は、外国人投資家が大きく貢献したため、その動向は気になる所です。

ここで発表される数値は、毎朝の株式市場ニュースにも取り上げられます。この数値が買い越しか、売り越しかによって、その日の相場の雰囲気が決まってしまうと思えるほどです。

そこでこの数値をうまく利用して、市場から利益を得る方法はないのでしょうか。

最近気になったのは、買い越しであれば、その日の「始値」より「終値」が高くなり(陽線)、売り越しであれば、その逆になる(陰線)ことが、感覚的に多いように思えたのです。単なる私の勘違いかも知れません。

しかし、もしこれが本当であれば、日計り取引のデイトレードに非常に有効です。
買い越しであれば、「寄り付きで株を買って、大引け間際で株を売る」
売り越しであれば、「寄り付きで株を空売りして、大引け間際で株を買い戻す」

を繰り返すだけで、利益が出ることになります。

また、株式の購入または売却を予定している場合、寄り付きで売買すべきか、それとも大引け間際で売買すべきかの指針にもなります。

それでは早速、ここ100日間(2004/1/9〜2004/6/4)の動向について調べてみましょう。まずは、ここ100日間の、外資系証券経由の寄り付き前「買い越し日数と売り越し日数」について調べてみます。

買い越し日数 54
売り越し日数 46

最近は 54対46 と、ほぼ拮抗していることがわかります。

次に、寄り付き前「買い越し日は寄り付き買い、大引け売り」、「売り越し日は寄り付き空売り、大引け買戻し」を、毎日実行した場合の利益率を見てみましょう。

「買い越し日は寄り付き買い」、「売り越し日は寄り付き空売り」の利益率(1)
日経平均 TOPIX 店頭指数
100日総利益 24.63% 27.88% 38.66%
1日あたりの利益 0.25% 0.28% 0.39%
利益が出た日数 60 64 56
損失が出た日数 40 36 44

なんともすばらしい成果です。損失が出る日も多いですが、それも含めた 100日通算での利益ですので、年率に換算すれば、この数値の2.5倍程の利益が生まれます。日経平均であれば、年率75%程、店頭指数であれば100%に近い利益です。

手数料と信用代金を別途払うとしても、年率75%は、他に何もしなくても、十分寝て暮らせる数値です。

でもちょっと待ってください。日経平均などの指数値は「気配値」でも算出してしまいます。要するに寄り付き時の誤差が大きく、実際の取引には使えない場合も多いのです。

そこで、本当に使える数値として、「日経225先物」「TOPIX先物」「楽天の株価(店頭指数先物が存在しないため)」を利用してみることにします。

「買い越し日は寄り付き買い」、「売り越し日は寄り付き空売り」の利益率(2)
日経225先物 TOPIX先物 楽天株価
100日総利益 13.79% 17.97% 30.30%
1日あたりの利益 0.14% 0.18% 0.30%
利益が出た日数 51 54 53
損失が出た日数 49 46 47
(1日の平均変動率) 0.78% 0.75% 2.21%

多少利益が減少してしまいましたが、それでも素晴らしい数値です。日経225先物では、年率換算 34.5%, 楽天であれば、70% の利益です。

表中、一番下の数値を見ると、1日の平均変動率は、日経225先物で 0.78% ですので、100日での総利益13.79% は、1-2日で利益が吹き飛ぶことはない、確実な利益のように思えます。思わず先物を始めてみようかと思える数値です。

では毎日の利益率をグラフにしてみてみます。



なんと、よく見ると、グラフ中の丸印で囲んでいるあたり(4月末から5月末の株価が乱高下した期間)の利益率が非常に良いのがわかります。調べてみると、TOPIX先物も、楽天株価も同じような傾向を表していることが分かりました。

そこで、株価の乱高下が激しかった最近の25日を除いた、75日間(2004/1/6〜2004/4/26)と、その後の25日間(2004/4/27〜2004/6/4)での利益率はどうなのでしょうか。表にしてみます。

「買い越し日は寄り付き買い」、「売り越し日は寄り付き空売り」の利益率(3)
日経225先物 TOPIX先物 楽天株価
75日総利益 -1.44% 2.91% 11.17%
1日あたりの利益 -0.02% 0.04% 0.15%

残念ながら、当初の75日間は全然利益になっていません。日経255先物であれば、損失が出てしまっています。TOPIX先物も、年率換算で7.5% と、とても納得できない数値です。

「買い越し日は寄り付き買い」、「売り越し日は寄り付き空売り」の利益率(4)
日経225先物 TOPIX先物 楽天株価
25日総利益 15.23% 15.06% 19.14%
1日あたりの利益 0.61% 0.60% 0.77%

一方で、最近の25日間では素晴らしい成績です。日経255先物、TOPIX先物であれは、年率換算で150%の利益になります。

結論:
・株価が乱高下しない時期には、寄り付き前の外資系証券経由の売買動向では、当日の市場状況の予想ができず、利益を得ることはできない。
・株価が乱高下する時期には、寄り付き前の外資系証券経由の売買動向に合わせて売買すると、年率150%ほどの大きな利益を得ることができる


なぜこのような現象が起きるのでしょうか? 理由を考えると、「株価が乱高下する場合には、市場の勢いで当日の動きが一方方向になりやすく、その方向が、外資系証券経由の売買動向に表れる」ということでしょうか。

株価が乱高下する時期には、「寄り付き前の外資系証券経由の売買動向」を気にかけるべきですが、それ以外は無視してしまうのがよさそうです。

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