「節分天井、彼岸底」の格言は、2月3日の節分あたりが高値で、3月21日の春分の日前後のお彼岸が底になるという意味です。毎年本当にそうなのか、過去13年分、数字の上で確かめて見ましょう。
節分(2/3日)とお彼岸(3/21日)の日経平均値
|
2月3日 |
3月21日 |
変化率 |
1991年 |
23156.7 |
26449.35 |
114.2% |
1992年 |
22139.59 |
20185.09 |
91.2% |
1993年 |
17222.03 |
18537.17 |
107.6% |
1994年 |
20174.82 |
20469.45 |
101.5% |
1995年 |
18538.97 |
16129.96 |
87.0% |
1996年 |
20904.03 |
20727.53 |
99.2% |
1997年 |
18085.95 |
18633.16 |
103.0% |
1998年 |
17022.98 |
16830.47 |
98.9% |
1999年 |
14161.31 |
16378.78 |
115.7% |
2000年 |
19786.42 |
19602.36 |
99.1% |
2001年 |
13703.63 |
13103.94 |
95.6% |
2002年 |
9791.43 |
11526.78 |
117.7% |
2003年 |
8500.79 |
8195.05 |
96.4% |
|
|
平均 |
102.1% |
全然格言通りではありません。格言通りに平均値が下がったのは、色のついた年で7回です。全体を平均すると、わずかですが逆に平均値が上がっています。
しかし、面白いことに、太字で記入した年のうるう年には、必ず格言通りになっています。今年はその「うるう年」です。「ラリー・ウィリアムズの株式必勝法」にも4年周期の株価の規則性が記載されていましたので、格言通りになるかもしれません。そこで、過去10回40年分、うるう年はどうだったか調べてみました。
うるう年の節分(2/3日)とお彼岸(3/21日)の日経平均値
|
2月3日 |
3月21日 |
変化率 |
1964年 |
1,305.10 |
1,216.30 |
93.2% |
1968年 |
1,315.86 |
1,355.17 |
103.0% |
1972年 |
2,879.67 |
3,036.43 |
105.4% |
1976年 |
4,631.42 |
4,610.69 |
99.6% |
1980年 |
6,796.53 |
6,571.77 |
96.7% |
1984年 |
10,134.13 |
10,413.88 |
102.8% |
1988年 |
23,595.37 |
25,966.26 |
110.0% |
1992年 |
22139.59 |
20185.09 |
91.2% |
1996年 |
20904.03 |
20727.53 |
99.2% |
2000年 |
19786.42 |
19602.36 |
99.1% |
|
|
平均 |
100.0% |
やっぱり格言通りではありません。残念ながら規則性は存在しません。節分天井、彼岸底は全くもってあてにならないことが分かります。
それでもどこかに規則性がないか、過去の日経平均の1月から4月までの毎年の高値と安値を追ってみます。
1月初から4月末までの日経平均の最高値と最安値
|
最高値 |
日付 |
最安値 |
日付 |
1991年 |
27146.91 |
3月18日 |
22442.7 |
1月16日 |
1992年 |
23801.18 |
1月6日 |
16598.15 |
4月9日 |
1993年 |
20919.18 |
4月30日 |
16287.45 |
1月25日 |
1994年 |
20677.77 |
3月16日 |
17369.74 |
1月4日 |
1995年 |
19684.04 |
1月4日 |
15381.29 |
4月3日 |
1996年 |
22282.05 |
4月24日 |
19734.7 |
3月13日 |
1997年 |
19446 |
1月6日 |
17303.65 |
1月10日 |
1998年 |
17264.34 |
3月2日 |
14664.44 |
1月12日 |
1999年 |
16957.27 |
4月27日 |
13232.74 |
1月5日 |
2000年 |
20833.21 |
4月12日 |
17973.7 |
4月28日 |
2001年 |
14032.42 |
1月22日 |
11819.7 |
3月13日 |
2002年 |
11919.3 |
3月11日 |
9420.85 |
2月6日 |
2003年 |
8790.92 |
1月23日 |
7607.88 |
4月28日 |
ちょっと面白いことが分かりました。
(1) 2月が最高値や最安値になったのは、過去13年でたった1度だけしかない。
(2) 2001年, 2003年と、節分天井、彼岸底の傾向に近い。
(1) は、2月は比較的平和であり、波乱が少ないことを示しています。商売の世界では、2月と8月は売り上げが低くなることが良く知られています。人間の習性として、2月はあまり動きたくない月なのかも知れません。
(2) は、近年の現象ですので、銀行・生保による3月決算に向けた、持ち合い解消売りの影響が濃いと考えられます。持ち合い解消の動きがあるここ数年は、同じような結果になる可能性があります。
結論:
「節分天井、彼岸底」の格言はあてにならない。ただし、持ち合い解消の売りが発生している近年、格言に近い現象が起きている。
今年も持ち合い解消の売りが発生すると予想されていますから、今の時期が株価のピークになる可能性があります。
最後に、過去13年間の1月から4月末までの、前年の納会を1とした、株価の推移のグラフを掲載します。全くもって、ばらばらです。
今年の推移は、赤で記しました。なんとなく、持ち合い解消の売りがでた、2001年、2003年に似ています。(2000年から2004年までは、グラフの線を太くしています)

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