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日経平均入れ替え

2011/8/1
日経平均銘柄入れ替え予想を利用する

日経平均銘柄入れ替えの季節がやってきました。第一弾として今月(2011年8月)末に、みずほ信託銀行(8404)とみずほ証券(8606)が上場廃止となるため2枠の空き分、第二弾として来月(2011年9月)に、定期銘柄入れ替えと、CSK(9737)が住商情報システム(9719)と合併することによる1枠空き分の銘柄入れ替えが発生します。

既に候補銘柄のレポートを出している証券会社もあり、本命、対抗銘柄がいろいろと取り上げられています。8月はソニーFG(8729)がド本命。あと一枠は、ほくほく(8377)が多いですが、あおぞら(8304)も有力候補。9月は難易度が上がって、本命不在のDeNA(2432)トクヤマ(4043)あたりが有力です。

ところでこういったレポートで取り上げられた本命銘柄や対抗銘柄を事前に買うことで素直に利益が積み重ねることができるのでしょうか? 逆に外れた時の急落などを狙って事前に空売りする方が有効なのでしょうか?

そこで2004年から2010年までの7年分の日経平均定期入れ替え時(臨時入れ替えは含めていません)について、日本経済新聞社からの発表日前後の"本命銘柄"と、その"対抗銘柄"の株価推移を追ってみました。

ここで問題となるのがどうやって"本命銘柄"と"対抗銘柄"を決めるかです。毎年予想する証券会社も変わり、発表する銘柄数も変わるため定量的な判断が難しいのですが、ここは私の独断と偏見で(笑)、ほぼ全証券会社が推しているものを"本命銘柄"、それよりわずかに落ちるが、多くの証券会社が推しているものを"対抗銘柄"としました。除外銘柄については上場廃止などで除外が明らかな銘柄は含めていません。各年の本命銘柄と対抗銘柄については末尾に掲載しています。

いきなりですが結果グラフをご覧ください。日本経済新聞社からの発表日の株価の終値を100%とした場合の株価推移です。市場の影響を排除するため日経平均で差分調整しています。採用本命の後ろなどに(6/12)といった数値がありますが、これは"12"該当銘柄のうち"6"銘柄が本当に採用/除外されたという意味です。

サンプルとなる銘柄数が少ないため、このまま統計値として利用するのはかなり怪しい部分がありますが、傾向をとらえるにはいいでしょう。



採用本命は-20日前後から上昇し始めますが、発表日前には逆に売られてしまっています。その後も上昇するでもなく下降するわけでもなく、なかなか狙いにくいものがあります。

これに対して面白みがあるのが除外本命銘柄です。かなり高い所から下落して、発表日以降は逆に上昇しています。それならということで、もう少し詳しく見ています。各要素をすべてバラしてみます。



熊谷組がたびたび登場していて、特に緑色のラインにある年が大きく値をゆがめているので、これは例外として外して再度平均化してみます。



相変わらず傾向が明らかですね。ビューティフルです。それでは採用本命でも同じ事ができないか、各銘柄をチェックしてみます。



うーむ、結構バラバラですね。例外といえば例外ともいえなくもない(本当は数値で例外判定した方がいいのですがサボります)、エルピーダと長谷工を外して平均化してみます。



うーん、ダメですね....傾向が全然でてきません。-20日前後から狙う隙がわずかにある(このあたりで証券会社のレポートがほぼ出揃う)のですが、それ以外は全く狙えずです。

結論:
狙うなら本命除外銘柄の売り!! おおよそ発表日の2ヶ月前あたりから徐々に効果が表れる。

ところでなぜこのように採用本命と除外本命では非対称となってしまうのでしょうか? 私の考えは日本証券新聞のコラムで書いたので、ここでは述べませんが、本命銘柄として選ばれる理由、除外として選ばれる理由を考えると、その答えに近付くのではないでしょうか。

Special Thanks
・日本証券新聞

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編集後記(From the Editor)

今回の研究の発端は、以前に掲示板で「有力銘柄を空売りすると発表日以降どうなりますか?」といったご質問がありまして、その回答として調べたものです。ご質問自体はもう1年半も前のような気がします。大変お待たせしてしまいました。このご質問への回答は「はっきりとした効果が見られない」ということになります。

さてさて、今年の除外本命というと... 残念ながら「該当なし」なんです。三菱製紙、東京ドーム、平和不動産あたりが候補なのですが、どの銘柄も451位以下の絶対除外基準に達していないと予想されています。この手法は来年へ持ち越しのお楽しみですね。

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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!

各年の定期入れ替え予想


この表は日本証券新聞社さんより基本データ(過去掲載記事等)を頂き、私が本命銘柄、対抗銘柄を選択して記載したものです。

この表が作成できたのも日本証券新聞社さんのお陰です。どうもありがとうございます!日本証券新聞の記事には 各証券会社の銘柄予想や、いろいろと面白いアノマリーなども掲載されている楽しい新聞ですので、是非ご賞味あれ! 私の投資のヒントのいくつかは、この紙面から頂いています。

私も4週に1度コラムを掲載していますし、他の週は心配性さん、葉山さん、JACKさんといったスペシャルな方々が担当しています。

時期 種別 実際 本命 対抗
2010年9月  採用 日本電気硝子
東京建物
日本電気硝子 ソニーFG
DeNA
東京建物
除外 クラリオン 東京ドーム なし
2009年9月  採用 なし SBIHD
東京建物
DeNA
長谷工
除外 なし 東京ドーム 北越製紙
クラリオン
平和不動産
2008年9月  採用 太平洋金属
日立建機
太平洋金属
長谷工
エルピーダ
日立建機
SBI
除外 熊谷組
東亜合成
熊谷組 東亜合成
明電舎
2007年9月  採用 Jフロント
SUMCO
SBIHD ふくおか
大丸(J フロント)
SUMCO
除外 日清オイリオ
トピー工業
日清オイリオ
熊谷組
トピー工業
東京ドーム
東亜合成
2006年9月  採用 東急不動産
東宝
SBIHD
東急不動産
東宝
セガサミー
除外 日清製粉
東映
東映
熊谷組
日本製粉
明電舎
2005年9月 採用 スカパー
新生
T&D
新生銀行
T&DHD
セガサミー
スカパー
除外 森永製菓 森永製菓
平和不動産
なし
2004年9月 採用 電通
日本ハム
ソフトバンク
セガサミー(※)
ソフトバンク
日本ハム
電通
アマダ
除外 メルシャン
不二越
日本車両製造
日本車両
メルシャン
東邦亜鉛

(※この年のセガサミーだけ、セガとサミーの合併があり株価を追い切れませんでしたのでグラフから除外しています)

ライン