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株主優待買い

2006/12/17
株主優待はやっぱり「食事券」でしょ!

株主優待はいつもらっても嬉しいものです。毎月何かが届くと、とても楽しくなります。最近、私の所にも9月優待の「サンリオグッズ」や「ディズニーパスポート」が届いて、ついつい「また次も獲得しよう」と思ってしまいます。

そうなると、優待銘柄が少なくなる 1月,4月,5月,7月,10月,11月 あたりでは、個人投資家による買いが集中しやすく、優待銘柄の株価上昇幅も大きくなるのではないでしょうか。

以前にも投資戦略にて、何度か優待銘柄について取り上げましたが、今回は優待銘柄数の少ない 1月,4月,5月,7月,10月,11月 に限定して、今年の優待銘柄の株価推移を調査してみたいと思います。

それでは早速グラフにしてみます。市場の影響を排除するため、優待権利日をベースとして、東証1部、大証1部の伝統市場銘柄はTOPIXで、それ以外の市場銘柄(名古屋、札幌、福岡の市場の銘柄は除外しています)はJASDAQ平均で差分調整しています。横軸は営業日数です。

また、1月と7月、4月と10月、5月と11月は、銘柄が共通することが多いため、それぞれセットにして見てみます。

1月、7月の優待銘柄



4月、10月の優待銘柄



5月、11月の優待銘柄



1月と7月に優待がある銘柄についてはあまりパッとしませんが、4月と10月、5月と11月については、明らかに優待銘柄の上昇を見ることが出来ます。

1月と7月の優待銘柄を個別に見てみると、成績が良いのと悪いのが混じっていて、成績を引き下げているのは、衣類や劇場入場券といったものが優待品目となっている銘柄でした。ということは、株価の推移は、優待品目の影響を受けているのかも知れません。

そこで、Yahoo! ファイナンス「株主優待情報」に記載されている「優待の種類」の分類に沿って、優待の品目を分けてみます。1月と7月は、他の月に比べ、ファッション、芸術・娯楽の銘柄の割合が多くあります。

各優待月の品目構成比率
1月 4月 5月 7月 10月 11月
飲食料品 14.75% 25.81% 15.25% 12.12% 20.37% 20.37%
ファッション 11.48% 3.23% 5.08% 9.09% 5.56% 5.56%
日用品・家電 9.84% 6.45% 15.25% 12.12% 9.26% 9.26%
食事(割引)券 6.56% 12.90% 8.47% 6.06% 12.96% 12.96%
買い物券 19.67% 22.58% 22.03% 18.18% 18.52% 18.52%
娯楽・芸術 14.75% 3.23% 8.47% 18.18% 5.56% 5.56%
スポーツ 1.64% 6.45% 1.69% 3.03% 3.70% 3.70%
交通旅行 1.64% 3.23% 1.69% 0.00% 1.85% 1.85%
宿泊 3.28% 3.23% 6.78% 3.03% 7.41% 7.41%
その他 9.84% 12.90% 13.56% 12.12% 12.96% 12.96%
オリジナル 6.56% 0.00% 1.69% 6.06% 1.85% 1.85%

それでは、各月の優待として見るのではなく、優待品目別に株主優待の成績を見てみることにしましょう。品目の後のカッコは該当銘柄数です(注: 複数の品目に登録されている銘柄は、複数回カウントされます)



やはり「ファッション」「娯楽・芸術」といった分野の成績は良くありません。一番上昇率が高いグループ(Best3)は「日用品、食事券、スポーツ」、次のグループ(Better3)は「飲食、買い物券、宿泊」です。これらグループをまとめてみます。



このグラフからいろいろなことが分かります。買うなら「Best3」グループであり、2ヶ月以上前から上昇を始め、1ヶ月前あたりから上昇が加速します。「Better3」グループは、ちょうど1ヶ月あたりから上昇を始めるます。

優待銘柄を売るのであれば、権利日の2営業日前がベストです。もし優待銘柄がどうしても手に入れたいのであれば、権利落ち日に速攻で売ってしまいましょう。

結論:
優待銘柄の上昇を狙うのであれば、品目で銘柄を絞り込み、約1ヶ月に購入し、権利日-2日前に売却するのがベスト。ただし、上昇率は平均5-7%と、地味な投資である。

Best3グループは、急上昇と急降下が見られることから「優待は欲しいけれど、あまり長期でもちたくない」銘柄群とも言えますね。

しかしまあ、優待銘柄の権利日に向けた上昇は既に良く知られている現象だと思うのですが、今もなお続いているということは「優待品の魔力に引き連れられ、損を覚悟で買ってしまう」ということでしょうか。

Special Thanks:
○ 山下さん


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編集後記(From the Editor)

今週の土曜日、覚悟を決めて「左下の親知らず」を抜きました。噂には聞いていたのですが、やはり痛かった。その日は「つば」を飲み込むだけでも激痛が走り、食事も全く取れませんでした。

今はもうすっかり良くなりましたが、右下にもう一本残っています。これを抜くには、同じような痛い目を、もう一度経験しなけければならないかと思うと、思わず躊躇してしまいます。

それでも「お産」は、この10倍の痛みとも言いますから、あらためて女性の方を尊敬せずにはいられません。ちまたで「女性の方の方が投資に向いている」と言われるのも、こういった覚悟があるからかも知れませんね。

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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!
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