 |
 |
 |
 |
 |
 |
|
2006/3/12
|
||||
 株式分割の翌日に効力発生日となる新制度が採用されて、はや2ヶ月半経過しました。過去の調査では「株も株価もみな戻る!」で示した通り、効力発生日近辺での株価下落が明白だったのですが、新制度ではどのような状況なのでしょうか。早速調べてみましょう。調査対象となる、ここ2ヶ月半の間、相場はかなり特異な状況にありました。それは強烈な上昇相場と、突然のライブドアショック、更にその余震とも取れるアップダウンの激しい相場です。 そこで調査対象としては、ある程度相場が安定してきた「ライブドアショック以降に分割した49銘柄(セントレックス、JASDAQ MM銘柄を取り除く)」を取り扱うことにします。また、1月末分割銘柄群(1/25-2/14)と2月末分割銘柄群(2/22-2/27)を分けて表示します。 市場の影響を排除するため、「全て(※)」の銘柄を分割権利日を基準として、JASDAQ平均で差分調整しています。横軸の0が分割権利日です。配当分は考慮していません。 ※本来、東証1部の銘柄はTOPIXで差分調整するべき所でしょうが、分割銘柄の推移は、ほぼJASDAQ平均と動きが一致していましたので、JASDAQ平均との差分調整を採用しました。  なんとなく傾向が掴めますね。権利日の約7営業日前あたりを境にしてそれ以前は上昇傾向、そこから分割権利日以降の7営業日あたりまでは下落傾向です。 「それじゃあ、これに沿って売買すればいいのね」と受け取ることもできますが、ちょっと待ってください。実は、分割権利日前には、JASDAQ平均自体も同じような動きをしているのです。  つまり、分割銘柄の分割権利日前の推移は、JASDAQ平均の推移を「大きめに増幅させただけ」とも解釈できるのです。言い換えれば、JASDAQ平均が上昇すれば、分割銘柄は大幅に上昇し、JASDAQ平均が下落すれば、分割銘柄は大幅に下落するということです。(これをJASDAQ平均に対してβ(ベータ)が高いと言います) 分割銘柄の分割権利日前の推移は、「βが高いだけ」なのか、それとも「7営業日前あたりをピークとする」のかは、もう少しサンプル数を多く取らないと、正直なんとも言えません。 このことを頭の片隅に入れておいて、もう詳しく分析を進めてみましょう。 まず最初に株式分割比における銘柄の推移です。できるだけライブドアショックの影響を避けたいことと、最近の値動きを参考にしたいことから、2月末に分割した29銘柄を対象にします。  それぞれの分割比によって傾向が変わりますね。3分割以上の銘柄について、権利日近くまで急落しますが、権利日以降は、再び上昇傾向となります。2分割銘柄は、権利日前後は下落傾向で、2分割未満は逆に上昇傾向となります。 3分割以上の銘柄は急落分を取り戻す動きで、2分割銘柄が一番素直です。2分割未満銘柄が上昇するのは、投資家が、株数に端数が出るのを嫌がっているのかもしれませんね。 次に「貸借区分別」の推移です。信用売り(空売り)できる銘柄であれば、積極的に利用したい所です。逆日歩や分割権利調整分は考慮していません。  権利日の2営業日前の急落をどう見るかによって、解釈が変わりますが、1月末分割銘柄を見る限り、2営業日前は大きく落ち込んでいないので、ここはJASDAQ平均の影響が多めに出たと解釈します。 株価に上下動はありますが、権利日近辺で下落傾向にあります。信用外銘柄は、流動性が少ないためか、値動きが激しいですね。
正直、15日間で10%程度の利幅というのは、微妙な数値です。私の感覚からは、利益の割りに、ホールドする期間が長過ぎです。 「信用売り」は利益は限定されますが、損失は無限大となる、リスクが高い投資です。そのリスクに対して、見合う投資かどうかの判断は、各個人の投資スタイルに依存することと思います。 -- 編集後記(From the Editor) 久々に投資戦略を更新しました。前回書いた相場状況と全然違いますね。前回までは「上昇する銘柄はどれか」が関心の的(まと)だったのですが、今は「下落する銘柄はどれか」に関心の的があります。 今回は大まかに傾向を探ったのですが、もう少し個別銘柄で絞り込めば(発表日からの上昇率、RCI(40)との関係等)もっと利益が出る方法があるのかもしれません。もう少しサンプルが増えたら、いろいろ試そうかと思っています。 -- くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね! GOOD LUCK!  |
||||
