2005/10/10
TOPIX浮動株指数導入のインパクト
いよいよ10月末、TOPIXに浮動株指数が導入されます。東証は浮動株指数移行時の株価への影響を考慮し、10月末は、本来の1/3だけ考慮した浮動株反映を行います。今後は、4ヶ月おきに、第二段(平成18年2月末)、第三弾(平成18年6月末)が待っています。
3回に分割されたとは言え、浮動株反映時に、
浮動株比率(FFW)に応じて、売られる銘柄と買われる銘柄が出てきます。
今回はその銘柄とインパクトを把握することで、この10月末の大イベントに備えることにしましょう。
ここで考慮する必要があるのは、全株式の何%がインデックスファンドによって保持されているか? です。先月の9月末のTOPIX買い日の出来高は、平均して発行株式の2.3%程度でした。従って、今回は安全度を見て
各銘柄の発行株式の2%をインデックスファンドが所持している
と仮定して、計算してみます。
それでは買いインパクト上位20銘柄と、売りインパクト上位20銘柄を見てみましょう。
(インパクト日数は、25日出来高平均を基に算出しています。大証やJASDAQ重複上場銘柄は、これらの市場での取引分も考慮しています)
買いインパクト上位20銘柄
コード
銘柄名
FFW
インパクト日数
2695
くらコーポ
0.26
1.80
9030
アートコーポ
0.15
1.48
6309
巴工業
0.38
1.33
2317
システムプロ
0.38
1.25
9507
四国電
0.92
0.93
8698
MBH
0.3
0.84
9041
近鉄
0.93
0.83
9503
関西電
0.92
0.70
9505
北陸電
0.92
0.70
9506
東北電
0.93
0.69
8754
日本興亜
0.92
0.68
9001
東武
0.93
0.65
7226
極東開発
0.92
0.58
5337
ダントー
0.93
0.54
2784
アルフレッサ
0.92
0.53
9508
九州電
0.92
0.51
9501
東電
0.92
0.51
4514
あすか製薬
0.92
0.51
8795
T&DHD
0.95
0.50
7466
SPK
0.92
0.49
売りインパクト上位20銘柄
コード
銘柄名
FFW
インパクト日数
3596
ワールド
0.68
-6.48
8194
ライフコーポ
0.75
-3.09
8279
ヤオコー
0.78
-2.77
9081
神奈中交
0.77
-2.69
9993
ヤマザワ
0.77
-2.62
8201
さが美
0.77
-2.59
9010
富士急
0.77
-2.57
5261
ミサワリゾート
0.73
-2.51
8211
相鉄ローゼ
0.78
-2.50
7868
広済堂
0.77
-2.48
4733
OBC
0.75
-2.39
8274
東武ストア
0.77
-2.30
3513
イチカワ
0.79
-2.30
8530
中京銀
0.77
-2.28
7560
ユニマットオフコ
0.75
-2.24
6910
日立メディ
0.75
-2.24
9760
進学会
0.75
-2.23
8543
みなと銀
0.77
-2.22
8182
いなげや
0.78
-2.18
8174
日瓦斯
0.8
-2.15
「買いインパクト」よりも「売りインパクト」の方が大きい事が分かります。
これは浮動株に伴う「買い」が発生する銘柄は、銀行株を筆頭に時価総額が高めであり、取引も活発であるためです。
また、「買いインパクト」上位のうち、オレンジで着色した5銘柄は、東証二部からの昇格組と、マザーズからの移行組の
MBH(8698)
です。
ドリームインキュベータ(4310)は 0.08日
と20位以内に入らず、こらを狙うのであれば、他の銘柄に切り替えても良いかも知れません。
少々ここでひとつ心配となるのは、
既に移行に向けた「買い」まはた「売り」が発生しているかどうか
です。もし既に移行が始まっていると、最終日のインパクトが薄れるためです。
そこで
「買い」と「売り」インパクト上位20銘柄
について、最近の株価の値動きを追ってみます。
(「買い」インパクトは、10月末に算入される一部昇格銘柄と、マザーズからの直接移動銘柄を除きます。「売り」インパクトは、上場廃止が決まっているワールドを除きます。一番最後にFFWが発表された10/4日をベースにTOPIXで調整されています)
ちょっと難しい判断ですが、「買い」と「売り」の両方が値下がりしていることから、「まだない」と考えても良いのではないでしょうか。最近のTOPIXの値動きが銀行株を中心とした時価総額が高い銘柄が買われたため、相対的に値下がりしているように見えるのだと思います。
事実
:
TOPIXの浮動株指数導入時は、「買いインパクト」よりは「売りインパクト」の方が大きい。
本格的な移行は、まだ始まっていない。
以上の事実から、結論を導いてみましょう。
結論
:
「売りインパクト」銘柄を狙って仕掛けるのが良い。売りインパクトがある銘柄数が多いため、売り上位銘柄でなくてもいける。
実際に行動するにあたり、いつ仕掛けるか? が問題となるのですが、前例がないため難しい課題です。ここは皆様の判断にお任せします。
移行日は10月末ですので、その前営業日の10/28(金)が、「TOPIX売り、買い日」ですので、お間違いなく!
Special Thanks:
・福寿草さん
・山本さん
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編集後記(From the Editor)
今回はできるだけ正確な数値を得たいと思い、福寿草と山本さんには多大なご協力を頂きました。面倒なお願いを快諾して頂き、本当にありがとうございます。私一人ではとても出来ない作業でした。
今回の調査結果をエクセルにしてデータを公開します。万全を期していますが、内容に間違いがあるかもしれません。それを考慮の上でご利用願います。
TOPIX浮動株指数導入時のインパクト調査結果10/10版(第1回)
(10/22追記: インパクトの最新版(10/21版)を作成しました。どうぞご利用ください)
TOPIX浮動株指数導入時のインパクト調査結果10/21版(第1回)
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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!
GOOD LUCK!