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2004/9/5
定期銘柄入れ替えは蜜の味?

日経平均銘柄の定期入れ替えの季節がやってきました。過去の発表時期から考えると、恐らく今週中(9月第2週)に発表があると思います。

発表後、採用銘柄も除外銘柄も値動きが激しくなり、入れ替え日の前日には、日経平均のインデックスファンドによる「買い」「売り」が 1,000万株程度発生し、更に値動きが激しくなります。

どの銘柄が採用され、どの銘柄が除外されるかについては、各証券会社の予想にお任せするとして、ここでは、発表後の各銘柄の値動きを利用し、稼ぐ方法を考えてみることにしましょう。

まずは過去の採用銘柄の値動きについてみてみます。

最初に、2003年の採用銘柄の株価の推移をみてみます。採用発表日からどのような値動きをしたかをグラフにしています。

この年は、発表日が9/9日で、日揮が9/25日に、コナミが10/1日に採用されました。その前日がインデックスファンドによる買い日となります。



ものすごく分かり易い株価の値動きをしています。発表翌日には「衝動買い」によって、過度の上昇が現れます。その翌日は、その反動による下げによって「狼狽売り」が加速します。そこから徐々に上昇し、「インデックス買い」によって上昇のピークを迎え、その翌日は反動による「調整売り」が発生します。

ここで取る戦略は、
・「衝動買い」時期に「信用売り」
・「狼狽売り」に合わせて「買戻し」「信用買い」
・「インデックス買い」に向け「信用売り」「返済売り」
・「調整売り」に対して「買戻し」

の4度、おいしい箇所があります。

2000年の採用銘柄も、ほぼ同様の動きをしました。この年は、発表日が9/8日、新光証券と横浜銀行が9/22日、セコムが、10/2日に採用されました。



他の銘柄と異なる動きとして、セコムがインデックス買い日の翌日も上昇しました。しかしながら、結局株価は戻しています。

毎年こんな同じ動きをしてくれるのであれば楽勝なのですが、そうはいきません。2002年とその前年の2001年は、やや異なる動きをしました。

2002年のグラフです。この年は、発表日が9/5日、三井トラスト・ホールディングスが9/10日、トレンドマイクロ、オリンパス光学工業が9/19日に採用されました。



インデックス買い日まで素直に、なだらかな上昇を続けました。急激な衝動買いが発生しなかったことによるものと思われます。

ここで判断できるのは
・発表日翌日に、6%以上の上昇が発生しなければ、素直に買いを行っても良い。
ということになります。

実はこの年、もうひとつ、CSKが10/1日に採用となりましたが、史上まれにみる株価の推移でした。



途中から激しく下落し、インデックス買い日も下落、その翌日も下落と、本当に採用銘柄なのか、疑いたくなるような推移です。なんらかの事情による、相当の売り圧力があったと考えられます。

ここで導き出されるのは
・発表日から株価が10%も低下するような問答無用の売り圧力が発生したら、逃げるが勝ち。
ということになります。

最後に2001年のグラフをみてみます。この年は、9/11日に発表があり、9/25日に西日本旅客鉄道、10/1日に、積水ハウス、藤沢薬品工業が採用されました。



なんとこの年は、全ての銘柄が下落で始まります。そこからやや持ち直しますが、いったん下げ、そこからインデックス買いに向け上昇しました。

ここで導き出されるのは
・発表日翌日に下げるようであれば、買いに向かっても良い。
・このような年は、インデックス買い日の数日前に買い、インデックス買い日に売るのが良い。

ということになります。

この4年の値動きを総合すると、以下のようになります。

結論1-採用銘柄について:
・発表日の翌日に6%を超えるような上昇があれば、「信用売り」を行い、その翌日以降の数日内に「買戻し」や「信用買い」を行うべし。
・発表日の翌日の上昇率が1-2%程度で、その後もじわじわ上昇するようであれば、「信用買い」を行い、インデックス買い日まで保持して「返済売り」を行うべし。
・「インデックス買い」日はとにかく「売る」べし。「信用売り」した場合、翌日の「調整売り」日に「買戻し」を行うと吉。
・まれに発表日から10%を超えるような、問答無用の売りが発生する場合もある。ここでは逃げるが勝ち。


ここで注意がひとつあります。ここでは「信用売り」に発生するかもしれない逆日歩を計算に入れていません。特にインデックス買い日に「信用売り」が大量に発生するかもしれませんので、信用残の推移に注意してください。


次に除外銘柄をみていきましょう。

最初に、2003年の除外銘柄の株価の推移をみてみます。この年は、発表日が9/9日で、東亜建設工業が10/1日に除外されました。その前日がインデックスファンドによる売り日となります。



見事に採用銘柄の逆の動きですね。ここで注目すべきは、インデックス売り日に向けた、3-5日前からの怒涛の下落です。

同様に他の年も見てみましょう
(9/11 補足: 飛鳥建設のグラフ値を訂正しました)







毎年、ほぼ同じような傾向を示しています。

つまり
・「衝動売り」翌日以降の「狼狽買い」は急激に発生せず、じわじわとやってくる。
・「インデックス売り」に向けて、3-5日前から急激に下落する。
・「インデックス売り」日に、下げのピークがやってくる。
・「インデックス売り」日以降、調整の上げが発生する。

ということになります。

結論2-除外銘柄について:
・「狼狽買い」を狙う「信用買い」は、発表日の翌日以降の底を確認してから行うべし。底を確認してからでも遅くはない。
・「インデックス売り」日の3-5日前の上昇期には「返却売り」「信用売り」を行うべし。ここが一番確実な動きである。
・「インデックス売り」日は「買う」べし。翌日の「調整買い」が発生せず下落するようであれば、「返済売り」して即逃げるべし。


くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

まあ、予想の当たり外れに関らず、年に一度の大イベントですし、市場の喜怒哀楽を感じるためにも、参加して楽しんでみませんか?

--
(9/7 追記)

本日、入れ替えの発表がありました。過去4年間のうち2回が、第2火曜日の発表だったため、今日の発表を予想できた人も多かったのではないでしょうか。入れ替え日が10/1日ですので、インデックスファンド買い日は、9/30日です。

採用銘柄は、ソフトバンク、日本ハム、電通です。除外銘柄は、メルシャン、不二越、日本車両です。

今日の段階で、採用銘柄の日経平均貢献度は、除外銘柄採用銘柄に比べ、約10倍あります。これが意味するのは、インデックスファンドが、除外銘柄を全部売って、採用銘柄を購入する場合、資金が全然足りない(10%程度しかない)ことになります。

資金を確保するには、他の日経平均銘柄を売るか、日経平均の先物を売るしかありません。いずれにせよ、最終日近辺では、日経平均が売り物に押され、下がることでしょう。

ちょっと前置きが長くなりましたが、明日の戦略を復習しましょう。

採用銘柄について:
・6%を超える上昇(熱狂モード)であれば、「信用売り」を行うのが良し。
・1-2%程度の上昇以下(慎重モード)であれば、「買う」が良し。

除外銘柄について
・下落の底を確認するまで待ちが良し。


とりあえず、採用銘柄について、人の裏道で勝負といったところでしょうか。
(注意: 後で述べますが、ソフトバンクはあまりにも毎日の出来高が多いので、今後の予想が非常にしにくい銘柄です)

昨年度は、日揮、コナミ共に、発表日翌日(9/10)の株価は、ほぼ寄り天井でした。

日揮 - 寄り付き前日比 6.8% 上昇
日付 始値 高値 安値 終値
2003/9/11 932 932 905 915
2003/9/10 942 949 926 932
2003/9/9 870 890 870 882

コナミ - 寄り付き前日比 5.7% 上昇
日付 始値 高値 安値 終値
2003/9/11 2,855 2,865 2,760 2,785
2003/9/10 2,955 2,965 2,825 2,880
2003/9/9 2,780 2,820 2,760 2,795


因みに、インデックスの買い日の出来高を、昨年同様、1,000万株(電通は10万株)と考えると、ソフトバンクは約1日分(ほぼ影響なし)、日本ハムは約25日分(結構インパクトあり)、電通は14日分(そこそこインパクトあり)の買いが入ります。

ソフトバンクは、インデックス買い自体では、ほとんど上昇する余地がないことを念頭に入れて取引してください。(故に、明日からの値動きが想像しにくいですね...)

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

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(9/8 追記)

新規採用の3銘柄は、ほぼ寄り天井の、ほぼ安値引けのパターンで、予想通りの動きとなりました。このサイトをご覧の多くの方は「信用売り」でニンマリしていると思いますが、ここで油断せず、安値でしっかり買い戻しましょう。

まずは記録のために、今日の1日の値動きを見てみます。最初に採用3銘柄です。結構きれいな寄り天井パターンです。





次に、除外3銘柄です。こちらもきれいな寄り底値です。株価のレンジ幅は狭いですね。





さて、明日の戦略について、再確認しましょう。

採用銘柄について、昨年度の例では、前日の終値より高めで寄り付き、その値から最大で 3%程度の下落がありました。恐らく今年も同じ展開だと思いますので、寄り付きから3%程度の下げの所で、しっかり「買戻し」を行うが良し。仮に下落しなくても、発表後3日目以降は上昇する可能性が高いので、明日中に「買戻し」しするが良しです。

昨年度のパターンを再掲します。

日揮 - 始値から安値まで 2.9% 下落
日付 始値 高値 安値 終値
2003/9/11 932 932 905 915
2003/9/10 942 949 926 932

コナミ - 始値から安値まで 3.3% 下落
日付 始値 高値 安値 終値
2003/9/11 2,855 2,865 2,760 2,785
2003/9/10 2,955 2,965 2,825 2,880

今日「信用売り」をし損ねた人は、明日の底値で「信用買い」する手もあります。過去の例から、明日以降の上昇率は、ゆるやかと考えられます。従って、おいしさは、いまいちかも知れません。

ここまで予想したのですが、ソフトバンクだけは、よくわかりません。今日は 0.41% の上昇ですので、本来なら「買うが良し」のパターンですが、出来高が多すぎるため、どうなるか分かりません。他の採用銘柄と同様、明日も下がるのではないかと思っています。

除外銘柄については、引き続き底値を確認するため、見送りするが良しです。寄り底値の展開だったため、これよりも下落がないかも知れませんが、もう少し様子見が賢明です。

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

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(9/9 追記)

本日の採用銘柄、除外銘柄の終値を確認してみましょう。

コード 銘柄名 終値 前日比 前日比率
9984 ソフトバンク 4,850 -90 -1.82%
2282 日本ハム 1,371 -7 -0.51%
4324 電通 283,000 -6,000 -2.08%
2536 メルシャン 251 -1 -0.40%
6474 不二越 324 -4 -1.22%
7102 日本車輌 278 -6 -2.11%

今日は新規採用銘柄、除外銘柄共に下げました。下落率がいまいちでしたが、ほぼ予想通りの展開です。採用銘柄について、「衝動買い」と「狼狽売り」がきれいに出現しました。今年は素直に、過去の値動きを参考に売買して良いのではないかと思います。

さて、明日の戦略について再確認してみましょう。

採用銘柄について、明日以降、上昇する確率が高いのですが、上昇率はイマイチですし、2000年のように、更に下落する可能性もあるので、ここ1週間は「休むが良し」です。買ってそのままインデックス買い日まで持っているのも良しです(あまり勧めません)。狙いとしては、インデックス買い日2日前からの急上昇を捕らえるのが良いでしょう。

除外銘柄については、引き続き、底値を確認する必要がありますので、「様子見するが良し」です。明日底値を確認でき、買うとしても、インデックス買い日の1週間前位には売却する必要があります。頭の片隅に入れておいて下さい。

除外銘柄について、本当に狙うべきは、このインデックス買い日の1週間前位からの急激な下落です。従って、無理に買う必要はありません。

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

--
(9/10 追記)

まずは、本日の採用銘柄、除外銘柄の株価推移を確認してみましょう。

コード 銘柄 始値 高値 安値 終値 前日比
9984 ソフトバンク 4,780 4,830 4,710 4,800 -1.84%
2282 日本ハム 1,368 1,375 1,362 1,371 0.00%
4324 電通 280,000 287,000 280,000 284,000 0.35%
2536 メルシャン 250 252 246 248 -1.20%
6474 不二越 320 321 303 310 -4.32%
7102 日本車輌 278 280 274 277 -0.36%

採用3銘柄は、始値より終値が高くなる「陽線」でした。一応の下げ止まりが見えます。逆に除外銘柄は「陰線」となり、下げ止まりが確認できません。

ということで、来週月曜日の戦略を復習してみましょう。

採用銘柄については、下げ止まり感があるため、買うのも良しです。昨日もコメントしましたが、上昇率はいまいちと予想されるので、もう少し待つのも良しでしょう(ソフトバンクについては、出来高が多く、他の銘柄と異なる動きをするかもしれません)。

除外銘柄については、下げ止まり感がないため、様子見が良しです。今日もまた、反発しないことを考えると、狼狽買いを狙うのは中止し、もう少し後のインデックス買いの下げを狙う方が賢い気がします。

来週以降の「買いタイミング」「売りタイミング」については、投資戦略の研究として、今週の日曜日の深夜に公開する予定です。

GOOD LUCK!

ライン

2004/9/11
決戦日までの12日間を楽しむ!

日経平均の入れ替え日まで残り3週間を切りました。9月下旬には祝日がありますので、取引できる日数は、あと12日間です。ここから、入れ替え決戦日までの12日間を楽しく過ごすにはどうしたら良いのでしょうか。

そこで今回は、過去の日経平均入れ替え銘柄の推移を、決算日から逆算した12日間の動きを追い、今年の稼ぎに結びつけることによって、楽しく過ごすことにしましょう。

まずは採用銘柄からです。13日前の株価(今年ならば9月10日(金))を100%とし、そこからインデックス買い日まで、どのように各銘柄が推移したのかを見てみます。

実は、今年のように、日経平均銘柄の入れ替え発表日から実施日までの日数に、余裕があった銘柄は意外と少なく、採用銘柄で5銘柄(CSKも該当するのですが、特異な推移をしたので算入せず)、除外銘柄では7銘柄です。

サンプル数が少ないので精度の信頼性に欠けますが、それでも十分に傾向は掴むことができるでしょう。



グラフには結構きれいに傾向が出ていますね。このグラフに現れているのは、「衝動買い」から「狼狽売り」を経て、「狼狽売り調整」による上昇からです。そこから「徐々に上昇」し、そこから「インデックス買い急騰」が見て取れます。

もう少しわかりやすくするために、この5銘柄の平均の推移を見てみます。



このグラフから、買いポイントが2箇所と、売りポイントが1箇所存在することが分かります。

結論1-採用銘柄について:
・月曜日(9/13)近辺に「買いポイント1」が存在する。その後の上昇はゆるやかなので、余裕があれば「買う」べし。
・再来週の月曜日(9/27)近辺に「買いポイント2」が存在する。直後に急激な上昇が待っているので、逃さず「買う」べし。
・9/30日に「売りポイント」が存在する。しっかりと利益を得るべし。


次は、同様に除外銘柄の推移を見てみましょう。



これもまたきれいに傾向が出ています。「徐々に上昇」し、まるでインデックス売りが存在しないかのように推移しますが、そこから一気に「インデックス売り急落」が発生し、翌日には、行き過ぎを調整する「インデックス売り調整」が現れています。

もう少しわかりやすくするために、この7銘柄の平均の推移を見てみます。



このグラフから、買いポイントが2箇所と、売りポイントが2箇所存在することが分かります。

結論2-除外銘柄について:
・火曜日(9/14)近辺に「買いポイント1」が存在する。その後の上昇はかなりゆるやかなので、ここでは「見送る」べし。
・来週の金曜日(9/24)近辺に「売りポイント1」が存在する。直後に急激な下落が待っているので、逃さず「信用売り」するべし。
・9/30日に「買いポイント2」が存在する。その後の反発もあるので、しっかりと「買い戻す」または「買い」を入れるべし。
・10/1日以降「売りポイント2」が存在する。反発上昇があるので、そこで「売る」べし。


いずれにせよ、今週の日経平均入れ替え銘柄の取引は「見送り」して、来週末あたりからの大変動をしっかりと捕らえるのが良さそうです。採用銘柄よりも、除外銘柄の方が変動が激しく、傾向が同じなので、こちらの方が実行しやすいかもしれません。

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

--
(9/13 追記)

今回の日経平均定期入れ替えとは関連しないのですが、日経平均採用銘柄のカネボウ(3102)は、9/30日をもって、10株を1株に株式併合します。最終権利日は、9/24(金)です。

つい先日の8月16日、この逆のパターンで、日経平均採用銘柄のイオンが、1株を2株に分割したケースがありました。この時には、インデックスファンドによる売りが 500万株程発生しました(日経新聞社のWebサイトのどこにも記載されていないですが、この調整によって、現在の日経平均の除数は 22.999 に変更されたようです。自分で計算した結果、この除数でないと値が合いません)

これは、日経平均の算出に合わせるため、インデックスファンドの持ち株を、半分(1,000万株 -> 500万株)にする必要性から発生したものです(分割が実施されると、元の1,000万株に増えます)。以前にここで、その現象を紹介しました

ということは、カネボウに、一体何が起きるのか想像できますよね。

カネボウはこの逆ですから、インデックスファンドは、今所持している株数1,000万株に加え、9倍の9,000万株を追加購入し、1億株にする必要が生じます(10:1の株式合併することにより、元の1,000株に戻る)

カネボウの現在の全株式数は 512,835,576 株ですから、その約17.5% をインデックスファンドが追加購入するという、異常状態が発生します。

つまり、最終権利日の 9/24日(金) の1日で、17.5% の株式償却が行われるような状態になります。これは相当のインパクトがあります。常識的に考えて、かなり上昇するでしょう。以前、イオンはこの逆の現象で、株価が下落したことからも分かります。

但し、次のような危険性も存在します。
1. 先回りが多すぎる - 今日の出来高は、1億5千万株もあり、全株式の30%に該当します。これからも連日大商いになり、最終日に供給過剰状態になる可能性があります。
2. 日経新聞社が突然、ルールを変更し、追加購入しなくても良いように調整する - イオンの例からして、これは可能性が低い気がしますが、もし実行されたら(日経新聞社のダブルスタンダードになります)、連日ストップ安になっても不思議ではありません。


カネボウはしばらく、熱い、熱い 銘柄となりそうです。

GOOD LUCK!

ライン

2004/9/19
日経平均入れ替え銘柄の傾向と対策

いよいよ日経平均銘柄の入れ替えまで、残り2週間となりました。過去の入れ替え銘柄と、今年の入れ替え銘柄の株価の推移を見比べ、今後の傾向と対策を練ることにしましょう。

また、入れ替え対象銘柄ではないのですが、9月末に株式10:1の併合を行うカネボウについて、9月24日に、日経平均入れ替え以上のインデックスファンドの買いが発生すると考えられますので、ここで一緒に考えて見ることにしましょう。

まずは、採用銘柄について、発表日からの株価の推移を見てみます。



ようやく「衝動買い」上昇後の「狼狽売り」下落を消化し、安定してきたようです。

発表日から、各銘柄の上昇率に差はあれど、9/13日以降からは、全銘柄が同じ動きをしています。こららの銘柄は、ペアトレード(割高なものをカラ売りし、割安なものを買い、そしてそれらの割高、割安が解消されたのを見計らって手仕舞う)の対象銘柄とするのも面白そうです。

次に除外銘柄についての動きです。



発表日以降、ずっと値下がり傾向です。売りが一巡した後で、どこかで反発するだろうと想定していたのですが、全然上昇しません。採用銘柄同様、全ての除外銘柄が同じような値動きをしています。

以上の経過を踏まえ、今後、入れ替え銘柄がどのような値動きをするか、過去の銘柄と比べ、予想することにしましょう。

最初に採用銘柄についてです。赤の線が過去の値動きの平均で、その他の色が、今年の各銘柄の値動きです。



グラフから、日本ハムはほぼ平均的な動きで、ソフトバンク、電通が平均を下回っていることが分かります。

現段階を、ようやく「狼狽売り」下落を消化した時点と考えると、これからは過去の採用銘柄と同様に、上昇すると考えられます。

結論1:採用銘柄について
・「狼狽売り」下落を消化したことから、今後上昇基調に入る可能性が大きい。最終的な買いポイントは、9/27(月)であるが、今週中に再び下に値を押すような動きがあれば、買い体制に入るのも良し。


次に除外銘柄についてです。赤の線が過去の値動きの平均で、その他の色が、今年の各銘柄の値動きです。



グラフから、全銘柄が平均をやや下回る値動きであることが分かります。

また、発表日以降、上昇局面が存在していないので、このまま一方的に下がるとは考えにくい気がします。

結論2:除外銘柄について
・発表日以降、上昇局面が存在しないため、このまま売りに入るのは多少危険が伴う。最終的な売りポイントは、9/24(金)であるが、上昇局面を待って信用売りするのが良し。


しかしながら、採用銘柄については、最終的に上昇し、除外銘柄については、最終的に下落することが濃厚ですので、途中の多少の評価損を覚悟の上で、「買い」や「売り」をしても良いかなとは思っています。

次にカネボウについてみてみましょう。カネボウは、以前お知らせしたように、併合によって、採用銘柄の9倍(9,000万株)のインデックスファンドの買いが予想されます。

現在段階の株価で計算すれば、カネボウの日経平均への寄与度は、 225銘柄中、220番目の 0.05% であり、インデックスファンドの中のいくつかは、カネボウを組み入れていないことも考えられます。

しかしながら、株式併合により、225銘柄中、45番目の 0.57% へ急上昇し、インデックスファンドは、組み入れざるを得なくなります。

この銘柄についても、過去の採用銘柄と比べ、今後の値動きを予想することにしましょう。



過去の平均をはるかに越えて、高値恐怖と思える位置まで上昇しています。「株式発行数の17.5%に相当する9,000万株のインデックス買い」、「ここまで過去をはるかに超える上昇率」と、過去に全く例がないため、今後の予想は非常にしにくくなっています。しかしながら、「新規信用売り停止中」銘柄のため、売りが限られることと、結局インデックスファンドは買わざるを得ないことから、最終日の大引けは、上昇するのではないかと思います。

実は昨年の採用銘柄の日揮、コナミについて、インデックス買い日に「信用売り」が大量発生しました。

日揮(9/24-インデックス買い日)
日付 始値 高値 安値 終値 前日比 出来高 貸株残高 融資残高
2003/9/24 948 980 940 974 53 12,640,000 1,979,000 722,000
2003/9/22 914 925 902 921 -3 2,476,000 1,352,000 1,448,000

コナミ(9/30-インデックス買い日)
日付 始値 高値 安値 終値 前日比 出来高 貸株残高 融資残高
2003/9/30 3,180 3,570 3,140 3,570 420 11,360,800 1,595,400 259,000
2003/9/29 3,140 3,180 3,080 3,150 0 2,727,200 116,400 587,400

表から、日証金ベースで、日揮は60万株程度(出来高比 5%)、コナミは150万株程度(出来高比 15%)と、インデックス買い日に、かなりの「信用売り」が発生したことがわかります。

カネボウについては、この「信用売り」による売り手は存在しないため、買い手はかなり有利です。とは言え、既に融資残高は 1,600万株(予想出来高比 17.8%)を超えており、先回り買いが結構膨れ上がっています。カネボウに手を出すには、かなりの覚悟が必要です。

また、カネボウは、日経平均入れ替えの前哨戦でもあり、9/24日の大引けの値動きを見れば、インデックスファンドの影響を予想することができます。従って日経平均入れ替え銘柄の値動きにも大きく影響を与えることでしょう。

以上のことから、9/24日のカネボウの大引けの値動きには注目です。

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

--
(9/23 追記)

今日現在までの日経平均採用銘柄・除外銘柄、およびカネボウの株価の推移をグラフ化しました。





採用銘柄については、ほぼ過去と同様の動きです。来週月曜日は、全ての銘柄が中間の権利落ち日(日本ハムだけは中間配当せず)となるため、値段が下がる所を買うのが賢いかもしれません。

除外銘柄については、一直線に下がっています。信用売りのための押し目がない(押し目待ちに押し目なし)状態ですね。ここらで打診売りも狙いかもしれません。また、日本車輌だけが金曜日に権利日を迎えます。上昇したところを狙うのが面白いかも知れません。

カネボウについては、先回り買いと思われる信用残は、21日申し込み東証発表値で 23,599千株です。当日は 90,000千株の買い需要が予想されるので、約26% に相当します。あとは現物で持っている人がどれくらい売りに回るかです。

90,000千株をまっとうに買うとしたら、相当なハイペースで買わないと間に合いません。しかしながら百戦錬磨の証券会社は、買う気配を消して、午後の最終局面まで心理戦を展開することでしょう。大引け2分前までじっと我慢でしょうね。

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

--
(9/25 追記)

インデックスファンド買い日の、大引け間際の怒涛の買い上げは、いつ見ても凄まじいですね。最高では170円まできましたが、最後は167円でした。

インデックス買い日の前日(9/22)の信用買い残高は、前日比 540万株減の、1820万株でした。この1820万株を、まったく問題なく、飲み込んでいきました。

早速デイチャートを見てみましょう。



証券会社は、最初は買う気を全く見せずに、一般投資家の恐怖心をかきたて、151円まで下落させることに成功します。しかしながら、前場の出来が2000万株程度とスローペースだったたためか、多少の買いを入れたようで、前日の終値近辺で推移します。

そして最後の2分間、怒涛の買い上げです。きれいですね。そして最後に珍事件? が起きます。大引けの取引が成立しませんでした。更に、最終的な板情報が、最後の約定値の167円ではなく、147円近辺にありました。

大引けの取り引きが成立しなかったことで、「引け成り」の売り注文をした一般投資家は、結局売れなかったようです。一体どんな時に「引け成り」注文が成立しないのか分かれば対応の仕方があるのですが、どこにも説明がありません。

こういった怒涛の取り引きが予想される場合、「引け成り」注文は便利なのですが、危険性を含んでいます。私は「指値」でしたので難を逃れました。

証券会社は、最後の大引けで買えなかった分を、場外市場で調達したようです。この日の 15:00 以降に、約6,000万株の売買がありました。場内では、8.400万株程度ありましたので、通算で 14,400万株 が出来高としてありました。予想(9,000万株)の約1.6倍です。

また、147円近辺で終わった板情報についてですが、これは、インデックスファンドが、好き勝手に値段を操作する証券会社への反撃の手段として、値を下げるチャレンジをしたのではないか? とか、証券会社が、一般投資家の「引け成り」による値段の低下を阻止するために、なんらかの手段を用いたのではないか? とか勘ぐりを入れたくなりますが、本当の所は分かりません。

結局引け値ですが、カネボウの日経平均に算出される値は 167円です。最後の147円近辺に板があっても、「特別気配」となっていない限り、最後の約定値が利用されます。私は自力でも日経平均を計算しているのですが、カネボウを167円として算出すれば、公式発表値と合致します。

この日の出来事で分かったことは、9/30日の日経平均銘柄の入れ替え時も、間違いなく、採用銘柄については、怒涛の買い、除外銘柄については、怒涛の売り が発生すると予想できます。更に出来高も、1600万株程度が予想されます。

我々一般投資家はこの現象を狙うことができるので、嬉しい限りですが、インデックスファンドを所持している人は、知らず知らずのうちに、この穴埋めをさせられています。私はインデックスファンドを買う気が起きません。

GOOD LUCK!

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2004/9/26
日経平均は9/30に暴落する?

いよいよ日経平均入れ替えによるインデックス売買日(9/30)まであと4日です。

このインデックス売買日の日経平均採用銘柄の上昇と、除外銘柄の下落の予想は、以前からご紹介している通りです。9/24日に発生したカネボウの大引け怒涛の上昇によって、実現性が更に増してきました。

今回は、もうひとつの気になる動きである、「9/30の日経平均の暴落」の可能性について取り上げてみたいと思います。

なぜ暴落の可能性があるのか? それは、日経平均の算出方法と、日経平均採用銘柄と除外銘柄の株価の差が関連しています。

** これから少々長い文章になってしまいますが、どうしても前提知識として知って頂きたい重要なことですので、お付き合いください。**

日経平均値は、全銘柄の株価を単純に平均したものです。従ってインデックスファンドは、株価が高い、低いに限らず、各銘柄を同じ株数(1,000万株)保持しています。

9/24の終値にて、みなし株価でみると、京セラが 7780円で一番高く、双日ホールディングスが 42.8円と、一番低い値段です。

インデックスファンドは、それぞれを 1,000万株保持していますので、京セラは778億円分、双日ホールディングスは 4億2800万円分の株式を所持していることになります。

今回の入れ替えでは、採用3銘柄の株価合計が、4740(ソフトバンク)+1397(日本ハム)+2710(電通) = 8847円 です。除外3銘柄の株価合計は、234(メルシャン)+294(不二越)+263(日本車輌) = 791円 です。

以上のことから、採用3銘柄を組み入れるための必要金額は、8847 x 1,000万株 = 884億7千万円です。一方で除外銘柄3銘柄を売却した場合に手に入る金額は、791 x 1,000万株 = 79億1千万円であることが分かります。

つまり、採用3銘柄を組み入れるためには、884億7千万円必要であるのに対して、除外3銘柄の売却金からは 79億1千万円しか補充できません。残りの805億6千万円をどこからか調達する必要があります。

その調達方法は、手元にある日経平均先物を売却するか、除外銘柄3銘柄を除く、その他の222銘柄を均等に売却するしかありません。いずれにせよ、日経平均を押し下げる方向でしかありません。

まずは、日経平均への影響を考えてみます。

過去にも、入れ替え銘柄間の値段差がある日には値下がりしました。表にすると、傾向が掴めます。2001年はイマイチでしたが、その他の年はデイトレードを行うには十分でした。

注意事項として、高値を見ると、途中、仕掛けてきな値上がりがある年もあります。しかし、結局は下げています。この仕掛け的な高値での売りが面白いかも知れませんね。

2003年 コナミ採用 - 東亜建設工業除外
日付 始値 高値 安値 終値 銘柄間の値段差
2003年9月30日 10,294.75 10,420.76 10,219.05 10,219.05 3429円

2002年 CSK採用 - 極洋、飛鳥建設除外
日付 始値 高値 安値 終値 銘柄間の値段差
2002年10月1日 9,289.53 9,289.53 9,143.28 9,162.26 3620円

2001年 積水ハウス、藤沢薬品採用 - 井関農機、京浜急行除外
日付 始値 高値 安値 終値 銘柄間の値段差
2001年9月28日 9,783.80 9,933.69 9,737.42 9,774.68 3124円

過去3年間は、3,500円程度の値段差ですが、今年は8,000円と、その倍以上です。インデックス売買日までには、値段差がもっと広がるかも知れません。単純に考えると、過去3年よりも下落があっても良さそうです。

次に、その他の222銘柄を売却する場合の影響について考えてみます。

222銘柄の、みなし株価合計は 250498.7 ですので、各銘柄について、8056/250498.7 * 1000万株 = 32万株程度、売却が必要です。

となると、222銘柄の中で、1日の出来高が少ない銘柄は、売り圧力に押され、相当の下落も予想されます。この3日間(9/21, 9/22, 9/24) の各銘柄の出来高平均を算出すると、32万株は、1日分の出来高に相当する銘柄もあることが分かりました。

下記の表は、売りインパクトが大きい上位20銘柄です。テルモ、日本粉は、1日分程度の売り圧力があることが分かります。

コード 銘柄名 みなし株価 日経平均寄与度 売りインパクト(日数分)
4543 テルモ 2580 1.03% 1.03
2001 日本粉 460 0.18% 1.00
5707 東邦鉛 239 0.10% 0.96
6473 光洋精 1252 0.50% 0.86
9681 東京ドーム 479 0.19% 0.84
8803 平和不 364 0.15% 0.83
9301 三菱倉 982 0.39% 0.81
3865 北越紙 579 0.23% 0.78
9737 CSK 4390 1.75% 0.77
1861 熊谷組 214 0.09% 0.76
9605 東映 420 0.17% 0.75
4045 東合成 291 0.12% 0.72
1721 コムシスHD 811 0.32% 0.72
9766 コナミ 2600 1.04% 0.70
9613 NTTデータ 2990 1.19% 0.70
6762 TDK 7570 3.02% 0.67
4272 日化薬 567 0.23% 0.66
2202 明菓 443 0.18% 0.66
2201 森永 240 0.10% 0.63
4041 日曹達 324 0.13% 0.62

長くなりましたが、以上のことから、次のような戦略が考えられます。

結論:
1. 9/30 は日経平均が値下がり濃厚である。仕掛け的な値上がりがあった所で、日経平均を売るべし。その方法として、ETFの信用売りも良し、日経平均のPUTを買うも良し。
2. 日経平均で出来高が少ない銘柄を信用売りするのも一考である。特に日経平均寄与度が高い銘柄は、インデックスファンドがほぼ間違いなく所持しているため、テルモ、CSK、TDK あたりが狙い目となりそう


9/30日は、日経平均採用銘柄、除外銘柄以外にも、狙う方法がたくさんあり、楽しみが一杯ですね。年に1度の大イベント、存分に楽しんでください。

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

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(9/27 追記)

今日は気持ちよい1日でした。採用銘柄が上昇し、除外銘柄が下落し、想定していた典型的な動きでした。先週金曜日のカネボウの暴騰が効いたのでしょう。ここで各銘柄の株価推移を確認してみましょう。



採用銘柄も、除外銘柄も、ほぼ想定したような株価の推移です。過去の例から、採用銘柄(ソフトバンクは怪しいです)は、これからも上昇するでしょうし、除外銘柄は、これからも下落するでしょう。

まだ「採用銘柄を買っていない」、「除外銘柄を信用売りしていない」方は、お早めにどうぞ。途中、カネボウのような「ふるい落とし」があるかもしれませんが、最終日の結果を信じて、辛抱するのが良いと思います。

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

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(9/29 追記)

明日がいよいよ最後です! 大引けにどれくらい変動するかについては、過去の各銘柄毎に差があったので、目標値を設定しにくいですが、平均で、採用銘柄であれば、前日比4.5%程度の上昇、除外銘柄であれば、9%程度の下落です。

10/1には、採用銘柄であれば、0.5%ほど下落、除外銘柄であれば、3%ほどの上昇と、反転が予想されますので、お気をつけあれ!

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

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(9/30 追記)

日々の推移グラフを見れば、最終的には同じあたりに価格が収まりました。しかしながら、除外銘柄について、最終日の動きは、事前予想通りの展開に届きませんでした。



本日の期待していた動きは、ソフトバンクには出ました。日本ハムと電通は、もうひと伸びが欲しいところでしたが、まあまあです。しかしながら、除外銘柄は消化不良で、大引け間際と大引けの取引が成立しませんでした。

各銘柄の1日チャートもご覧頂きましょう。

まずは日経平均です。換金のための最後の下げが目に付きます。



次に採用3銘柄です。ソフトバンクは、先回り買いをものともせず上昇しました。入れ替え全6銘柄中、株価が最も高いため、この銘柄を上昇させることで、手っ取り早く「引値保証」による儲けが出せます。

今回は、証券会社がこの銘柄を上昇させることに集中したのかもしれません。一度に6銘柄は、証券会社が扱うには、熟練の担当者が足りなかったのかも知れません。これは以前、9月昇格銘柄のTOPIX買いと似た状況です。






次に除外3銘柄です。全銘柄、大引けの取引が成立せず、ザラバ安値を更新できませんでした。

特にメルシャンと、日本車輌は、最後に売りが一気に押し寄せ、買い手の気配値が飛び飛びとなったため、特別売り気配となったようです。







除外銘柄に関して、研究結果通りにならずに、今日の結果は残念でした。

証券会社は大引けで売り残した分、カネボウの時と同様に、場外取引で売買しているようです。個人投資家は手出しができませんね。これでは日経平均売買のうまみが減ってしまいます。

今日の出来事で得た教訓:
・先回り買いの規模よりも、証券会社が儲けることができるような銘柄を狙うべし。
・「引け値保証」の銘柄が多すぎると、規模が低い銘柄は放置される可能性あり。
・大引け間際および、大引けの取引は成立しない場合もある。その場合のリスクも見込むべし。

今回はいい勉強になりました。経験値が上がり、パワーアップしました。次にはやり返しますよー!

くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!

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