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2004/5/2
爆裂上昇中の株式分割銘柄は買うべきか?

最近、株式分割を発表した銘柄の上昇が話題になっています。発表翌日から、ストップ高を連発し、数日のうちに株価が倍になることも珍しくありません。新規株式上場と同じような上昇率です。

では、そういった株式分割銘柄の株を、購入するのはお得なのでしょうか。また、その場合、いつのタイミングで買ったらよいのでしょうか。早速調査してみましょう。

下記のグラフは、4月末の分割17銘柄(実際は4/23日が確定日)の、分割発表日以降の株価の推移です。発表日の株価を100%(翌日が発表以降の最初の売買日)とした場合、その後、どのくらい上昇したかを示しています。

銘柄コード 銘柄名 割当比率 発表日 上昇率
4845 データベース・コミュニケーションズ 1:6 2月9日 217%
4790 グレース 1:3 2月26日 396%
2317 システムプロ 1:4 3月8日 251%
4355 日本ロングライフ 1:2 3月8日 200%
9444 トーシン 1:2 3月8日 248%
2373 ケア21 1:2 3月10日 257%
6726 オー・エイチ・ティー 1:2 3月15日 155%
6790 野田スクリーン 1:3 3月15日 272%
8917 ファースト住建 1:2 3月19日 128%
2695 くらコーポレーション 1:2 3月26日 185%
2764 ひらまつ 1:2 4月5日 283%
8925 アルデプロ 1:4 4月7日 133%
4313 アイ・エックス・アイ 1:3 4月9日 167%
4840 ドリームテクノロジーズ 1:10 4月9日 168%
2751 テンポスバスターズ 1:2 4月9日 105%
4331 テイクアンドキヴ・ニーズ 1:3 4月12日 159%
8918 ランド 1:2 4月14日 101%

ほぼ全ての銘柄が、見事に上昇していますね。本当にびっくりするほどです。その多くは上昇率 150%-280%に集中しています。わずかに2銘柄、「テンボスバスターズ」と「ランド」がほとんど上昇していません。しかし、これらの銘柄は、発表情報が漏れていたのではないか? と疑がわれるような、発表直前の怪しい上昇がありました。

では日々の上昇傾向を、よりはっきりさせるために、平均上昇率のグラフを作成します。分割した銘柄の多くがジャスダック銘柄のため、ジャスダック指数も一緒に表示します。



グラフを見る限り、分割日まで1ヶ月前を切ったあたりから、急激な上昇が起きています。それから緩やかに下降し、最後の数日間に再び上昇しています。また、ジャスダック指数と連動していないようなので、市場の影響は受けていないようです。

結論1:
・分割銘柄は、早めに買うべし。
特に分割日まで1ヶ月以上あり、まだ上昇が緩やかな銘柄を買うのがお得である。
・最終的に上昇率 150%-280% に集中するため、この上昇率を超える場合は、購入を控えるのが得策。
・最後の数日間の上昇も狙い目。わずか4日間で、発表前の株価に対して15%ほどの上昇が狙える。


でも、ちょっと待ってください! こんなに分割銘柄が上昇するようになったのは、一体いつからなのでしょうか。以前はこのような話を聞いたことはありませんでした。気になったので、今から2ヶ月前の2月末分割銘柄の上昇率を調べてみました。



4月末分割銘柄の上昇率と随分様子が違います。最大でも120%程度の上昇しかありません。発表日から分割日まで日がない銘柄については、逆に下落しています。

つまり、株式分割銘柄の上昇は、ごくごく最近の出来事です。一体なぜこのような現象が起きているのでしょうか?

元々、株式分割は株主にとってあまり良いことではありません。株式分割権利日から実際の株式分割交付日までの約2ヶ月間、表面上、分割交付分の資産が消えます。もちろん、それまでに分割交付分の株を売ることも出来ません。

以前、インターネットバブルと呼ばれていた頃、ソフトバングが株式分割を発表し、「資産が表面上消える」ことを嫌がって、株価が下がったものです。この2月末の分割銘柄についても、発表日から分割日まで短い銘柄については、株価が下がっています。

結論2:
・分割銘柄の株価上昇はつい最近の出来事であり、単なるブーム、バブルである可能性がある。細心の注意を払って参加せよ。


バブルの可能性があるにせよ、この上昇率を目をつぶって捨てる勇気は、私にはありません。多少参加してみようかと思っています。

では、株式分割銘柄はどうやって知ったらよいのでしょうか。私は「カブドットコム証券」のサイトと、「東証 適時開示情報閲覧サービス」から情報を得ています。

最後に、私が知る範囲での、5月末、6月末 株式分割銘柄と、発表日以降の上昇率を掲載します(2004/9/30日現在)。上昇率が100%を下回っている銘柄は、いずれも最近「新規上場」を果たした銘柄です。

上昇していない銘柄は、まだ狙い目かもしれません。但し、購入単価が高い銘柄が多いです。ACCESSは、1株で1000万円超です...

割当日 銘柄コード 銘柄名 割当比率 発表日 上昇率
5月31日 2353 日本駐車場開発 1:3 3月12日 276%
5月31日 4813 ACCESS 1:5 3月23日 124%
5月31日 4332 パソナ 1:3 3月24日 201%
5月31日 7421 カッパ・クリエイト 1:2 3月24日 137%
5月31日 2697 コーエーネット 1:2 4月12日 148%
5月31日 4797 アイ・シー・エフ 1:2 4月15日 121%
5月31日 2799 ネクサス 1:3 4月16日 91%
5月31日 2792 ハニーズ 1:2 4月20日 95%
5月31日 3736 コネクトテクノロジーズ 1:3 4月20日 95%
5月31日 3734 エム・ピー・テクノロジーズ 1:3 4月21日 93%
5月31日 2798 ワイズテーブルコーポレーション 1:3 4月21日 96%
5月31日 8908 毎日コムネット 1:2 4月22日 136%
5月31日 2667 イメージワン 1:2 4月23日 142%
5月31日 4757 インテリジェンス 1:2 4月23日 151%
5月31日 2314 レントラックジャパン 1:2 4月26日 157%
5月31日 4731 ユニバーサルホーム 1:2 4月27日 132%
5月31日 8915 タクトホーム 1:3 4月30日 -
6月30日 6888 アクモス 1:5 4月14日 343%
6月30日 6886 グラフィックプロダクツ 1:2 4月26日 146%
6月30日 2325 日本上下水道設計 1:4 4月27日 161%
6月30日 2327 新日鉄ソリューションズ 1:2 4月27日 119%
6月30日 4325 バンダイビジュアル 1:3 4月28日 -
6月30日 6156 エーワン精密 1:3 4月30日 -

ライン

2004/5/9
株式分割銘柄を当てる!

株式分割を発表した銘柄の急上昇は、もう当然の出来事となっています。発表から1-2日間ストップ高をつけ、買える時にはもう50%も上昇していることも珍しくありません。株価の割高感、割安感など、お構いなしです。

ならば、これから株式分割を発表しそうな銘柄に狙いをつけ、事前に買うことができれば、大きく利益を上げることが出来ます。

そこで、株式分割を発表しそうな銘柄を効率よく当てる方法を探してみます。早速、今年の 5月末〜8月末に、1対2 以上の株式分割することを発表している銘柄から、ヒントを得ることにします。

下記の表にて、株式分割に関連深いと思えるデータも一緒に掲載します。
(「同時発表」の表中の記号: 本決=年度決算, 中間=中間決算, 第1四=第1四半期, 第3四=第3四半期)
(「上場」のの表中の記号: T1=東証1部, T2=東証2部, M=マザーズ, HC=ヘラクレス, JQ=JASDAQ)


割当日 銘柄コード 銘柄名 発表日 発表時購入単価 決算月 同時発表 上場
5/31 2353 日本駐車場開発 3/12 410,000 7 中間 JQ
5/31 4813 ACCESS 3/23 9,100,000 1 本決 M
5/31 4332 パソナ 3/24 718,000 5 第3四 T1
5/31 7421 カッパ・クリエイト 3/24 490,000 5 第3四 T1
5/31 2697 コーエーネット 4/12 925,000 3 - JQ
5/31 4797 アイ・シー・エフ 4/15 385,000 3 - M
5/31 2799 ネクサス 4/16 1,830,000 5 - JQ
5/31 2792 ハニーズ 4/20 913,000 5 - JQ
5/31 3736 コネクトテクノロジーズ 4/20 3,680,000 8 中間 M
5/31 2798 ワイズテーブルコーポレーション 4/21 2,670,000 2 - M
5/31 3734 エム・ピー・テクノロジーズ 4/21 4,970,000 7 - M
5/31 8908 毎日コムネット 4/22 190,000 11 - JQ
5/31 2667 イメージワン 4/23 565,000 9 中間 HC
5/31 4757 インテリジェンス 4/23 343,000 9 中間 JQ
5/31 2314 レントラックジャパン 4/26 102,000 3 本決 HC
5/31 4731 ユニバーサルホーム 4/27 470,000 3 - JQ
5/31 8915 タクトホーム 4/30 1,090,000 5 - JQ
5/31 7644 常盤薬品 5/6 760,000 5 - JQ
5/31 8914 エリアリンク 5/6 1,350,000 12 - M
5/31 2392 セキュアード・キャピタル・ジャパン 5/7 6,650,000 12 第1四 M
6/30 1766 東建コーポレーション 2/16 520,000 6 中間 T1
6/30 8909 シノハラ建設システム 3/25 625,000 3 - JQ
6/30 9449 GMO 4/5 443,000 12 - T2
6/30 6888 アクモス 4/14 180,000 6 第3四 JQ
6/30 8910 サンシティ 4/19 990,000 12 第1四 JQ
6/30 4741 インターネット総合研究所 4/21 659,000 6 - M
6/30 6835 アライドテレシス 4/23 228,000 12 第1四 T2
6/30 6886 グラフィックプロダクツ 4/26 1,400,000 12 - JQ
6/30 2325 日本上下水道設計 4/27 516,000 12 第1四 T2
6/30 2327 新日鉄ソリューションズ 4/27 606,000 3 本決 T1
6/30 2752 フジオフード 4/27 291,000 12 第1四 HC
6/30 4325 バンダイビジュアル 4/28 875,000 2 - T2
6/30 6156 エーワン精密 4/30 3,580,000 6 第3四 JQ
8/31 8911 創建ホームズ 4/20 650,000 2 本決 JQ

結構な銘柄数ですね。全部で34銘柄もあります。この表から読み取っていきます。

まずは、発表時の購入単価からです。ざっと見た限りでも、100万円を超える銘柄が多いですよね。グラフにしてみます。



購入単価が50万円を超える銘柄が 2/3を占めます。25万以上であれば、85%です。狙いをつけるなら、購入単価が50万円以上、最低でも 25万円以上の銘柄です。

次に、決算月と分割権利月の関係を見てみます。



半数の銘柄が、本決算月または中間決算月と一致しています(表中で、決算月に着色がある銘柄)。これは配当金や株主優待との兼ね合いから、「途中で分割すると面倒」が理由と思われます。

また、発表時に80%の銘柄が、分割日まで2ヶ月以内で行われています。従って、狙いをつけるなら、本決算月または中間決算月まで2ヶ月以内の銘柄です。

次に、発表タイミングについて見てみます。



半数の銘柄が、何らかの決算発表と同時に株式分割を発表しています。表にはありませんが、分割銘柄で、赤字決算をした企業はありませんでした。また、PER, PBRとは特に関係がありませんでした。従って狙いをつけるなら、黒字想定の決算発表を控えている銘柄です。

それでは最後に、上場市場を見てみます。



半数近くの銘柄がJASDAQ銘柄です。また、マザーズ、ヘラクレスを加えた新興市場銘柄のみで、75%を占めています。東証1部は12%しかありません。従って狙いをつけるなら、新興市場銘柄です。

以上のことをまとめると、
結論: 分割銘柄の候補を探すのであれば:
・購入単価が50万円以上、最低でも 25万円以上
・本決算月または中間決算月まで2ヶ月以内
・黒字想定の決算発表(本決、中間、四半期)を控えている
・新興市場(JASDAQ, マザーズ、ヘラクレス)銘柄
の各条件を満たせば満たすほど、確率が上がる(はず)。


これからの時期であれば、6月末の分割が期待できる、6月に中間決算、または本決算を迎える、購入単価が25万以上の新興市場銘柄を探すことになります。

では実際の候補としては、どの銘柄があるのでしょうか。私が調べた限りにおいては、下記の銘柄です。6月に株主優待がある、単位購入価格が25万円以上の新興市場銘柄を取り上げています。

この中では、株式コードが白色の4銘柄は、既に決算発表を終えたので、可能性は低くなりましたが、まだチャンスはあります。皆様はどの銘柄を狙いますか?

コード 銘柄名 市場
2268 サーテイワン JQ
2345 システム・テクノロジー M
2675 ダイナック HC
2688 レインズインターナショナル JQ
2732 クインランド HC
2762 三光マーケティングフーズ JQ
2904 一正蒲鉾 JQ
3319 ゴルフダイジェスト M
5283 高見澤 JQ
5987 オーネックス JQ
7422 東邦レマック JQ
7585 かんなん丸 JQ
9608 福山コンサルタント JQ
9973 小僧寿し本部 JQ

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