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2004/1/25
「節分天井、彼岸底」の格言って本当??

「節分天井、彼岸底」の格言は、2月3日の節分あたりが高値で、3月21日の春分の日前後のお彼岸が底になるという意味です。毎年本当にそうなのか、過去13年分、数字の上で確かめて見ましょう。

節分(2/3日)とお彼岸(3/21日)の日経平均値
2月3日 3月21日 変化率
1991年 23156.7 26449.35 114.2%
1992年 22139.59 20185.09 91.2%
1993年 17222.03 18537.17 107.6%
1994年 20174.82 20469.45 101.5%
1995年 18538.97 16129.96 87.0%
1996年 20904.03 20727.53 99.2%
1997年 18085.95 18633.16 103.0%
1998年 17022.98 16830.47 98.9%
1999年 14161.31 16378.78 115.7%
2000年 19786.42 19602.36 99.1%
2001年 13703.63 13103.94 95.6%
2002年 9791.43 11526.78 117.7%
2003年 8500.79 8195.05 96.4%
平均 102.1%

全然格言通りではありません。格言通りに平均値が下がったのは、色のついた年で7回です。全体を平均すると、わずかですが逆に平均値が上がっています。

しかし、面白いことに、太字で記入した年のうるう年には、必ず格言通りになっています。今年はその「うるう年」です。ラリー・ウィリアムズの株式必勝法」にも4年周期の株価の規則性が記載されていましたので、格言通りになるかもしれません。そこで、過去10回40年分、うるう年はどうだったか調べてみました。

うるう年の節分(2/3日)とお彼岸(3/21日)の日経平均値
2月3日 3月21日 変化率
1964年 1,305.10 1,216.30 93.2%
1968年 1,315.86 1,355.17 103.0%
1972年 2,879.67 3,036.43 105.4%
1976年 4,631.42 4,610.69 99.6%
1980年 6,796.53 6,571.77 96.7%
1984年 10,134.13 10,413.88 102.8%
1988年 23,595.37 25,966.26 110.0%
1992年 22139.59 20185.09 91.2%
1996年 20904.03 20727.53 99.2%
2000年 19786.42 19602.36 99.1%
平均 100.0%

やっぱり格言通りではありません。残念ながら規則性は存在しません。節分天井、彼岸底は全くもってあてにならないことが分かります。

それでもどこかに規則性がないか、過去の日経平均の1月から4月までの毎年の高値と安値を追ってみます。

1月初から4月末までの日経平均の最高値と最安値
最高値 日付 最安値 日付
1991年 27146.91 3月18日 22442.7 1月16日
1992年 23801.18 1月6日 16598.15 4月9日
1993年 20919.18 4月30日 16287.45 1月25日
1994年 20677.77 3月16日 17369.74 1月4日
1995年 19684.04 1月4日 15381.29 4月3日
1996年 22282.05 4月24日 19734.7 3月13日
1997年 19446 1月6日 17303.65 1月10日
1998年 17264.34 3月2日 14664.44 1月12日
1999年 16957.27 4月27日 13232.74 1月5日
2000年 20833.21 4月12日 17973.7 4月28日
2001年 14032.42 1月22日 11819.7 3月13日
2002年 11919.3 3月11日 9420.85 2月6日
2003年 8790.92 1月23日 7607.88 4月28日

ちょっと面白いことが分かりました。
(1) 2月が最高値や最安値になったのは、過去13年でたった1度だけしかない。
(2) 2001年, 2003年と、節分天井、彼岸底の傾向に近い。


(1) は、2月は比較的平和であり、波乱が少ないことを示しています。商売の世界では、2月と8月は売り上げが低くなることが良く知られています。人間の習性として、2月はあまり動きたくない月なのかも知れません。

(2) は、近年の現象ですので、銀行・生保による3月決算に向けた、持ち合い解消売りの影響が濃いと考えられます。持ち合い解消の動きがあるここ数年は、同じような結果になる可能性があります。

結論:
「節分天井、彼岸底」の格言はあてにならない。ただし、持ち合い解消の売りが発生している近年、格言に近い現象が起きている。


今年も持ち合い解消の売りが発生すると予想されていますから、今の時期が株価のピークになる可能性があります。

最後に、過去13年間の1月から4月末までの、前年の納会を1とした、株価の推移のグラフを掲載します。全くもって、ばらばらです。

今年の推移は、赤で記しました。なんとなく、持ち合い解消の売りがでた、2001年、2003年に似ています。(2000年から2004年までは、グラフの線を太くしています)



2004/2/1
干支で占えば、申酉騒ぐと言うけれど...

株式相場における、干支による格言では、「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌笑い、亥固まる、子は繁栄、丑つまずき、寅千里を走り、卯跳ねる」が有名です。ここ2年、「午尻下がり、未辛抱」の格言が当たっていただけに、今年も格言に沿った動きになるか気にかかるところです。さっそく過去の干支の成績はどうだったのか、数字で確かめて見ましょう。

干支別の日経平均における上昇率
干支
1948 -37.6% -6.1% 62.6% 116.1% 3.6%
1960 56.1% 4.8% -0.3% -13.6% 1.0% 15.5%
1972 92.0% -17.7% -10.4% 15.4% 13.3% -2.7%
1984 16.3% 13.5% 42.4% 14.6% 42.1% 28.7%
1996 -6.1% -21.5% -7.5% 41.1% -27.5% -23.0%
平均 39.6% -11.7% 3.6% 24.0% 29.0% 4.4%

干支
1948 -1.9% 17.9% 28.1% -13.6% 40.3% 30.3%
1960 1.5% -11.0% 35.4% 36.1% -17.3% 35.6%
1972 23.3% 8.7% 8.5% 7.4% 3.9% 23.3%
1984 -38.4% -4.5% -28.9% 2.5% 13.5% 0.9%
1996 -21.1% 22.5%
平均 -7.3% 6.7% 10.8% 8.1% 10.1% 22.6%

恐るべし、なんと、数字を見ると、ほぼ格言通りの結果です。良い成績の干支と悪い成績の干支が明らかにあり、それが2年交互に出現します。「未、申、酉、戌」はそんなに変化はありません。となれば、今年の干支は「申」ですので、「騒ぐ」年になりそうです。そこで、本当に騒いでいるのか、過去の干支の年間変化率(最高値と最安値の上下幅)を調べてみました。

干支別の日経平均変動率(年最高値/年最安値)
干支
1948 179.6% 134.9% 166.8% 220.8% 160.7%
1960 56.1% 45.4% 30.7% 36.1% 13.8% 38.9%
1972 92.0% 35.4% 42.7% 25.8% 13.3% 15.0%
1984 19.3% 13.7% 47.0% 43.7% 42.1% 28.9%
1996 18.3% 40.0% 34.0% 43.1% 55.2% 52.9%
平均 46.4% 62.8% 57.9% 63.1% 69.1% 59.3%

干支
1948 120.1% 123.1% 134.8% 126.3% 140.3% 147.0%
1960 16.4% 20.5% 46.2% 36.1% 31.3% 38.3%
1972 25.3% 11.2% 11.0% 15.3% 17.2% 26.8%
1984 91.4% 26.5% 66.3% 31.5% 24.1% 38.2%
1996 44.3% 46.7%
平均 59.5% 45.6% 64.6% 52.3% 53.2% 62.6%

確かに申年は、辰年に次ぎ、2番目に変化が多い干支です。しかし、全体的にそんなに差はありません。このことから、「申年は年始と年末では、株価は変わらないけれど、変化率は他の年並みにある」ことが申年の「騒ぐ」の格言が出ていると考えられます。

では、この変化率を利用した売買ができないか、過去の申年の年間変化グラフを見て、傾向を掴んでみることにします。

申年における日経平均の変動率(年初=1)

絶句... 見事にばらばら。本当にばらばら。過去の推移からは変化率を利用した戦略を練るのは難しいと言えます。

結論:
「干支の格言は信用度高く、申年も当てはまる。しかし、「申騒ぐ」によった具体的な戦略を練るのは難しい。


この結論では、あまり得るものがありません。そこで、最初に「良い干支と悪い干支が、2年交互に現れる」ことが分かったので、もうすこしこちらを調べてみることにします。

日経平均における4年毎に区切った成績
(表左側の数値と、表上側の数値を足した値が、年度になります)
年度 +0 +1 +2 +3
2000 -27.45% -23.00% -21.09% 22.53%
1996 -6.09% -21.53% -7.45% 41.13%
1992 -28.89% 2.49% 13.55% 0.94%
1988 42.15% 28.67% -38.40% -4.51%
1984 16.27% 13.46% 42.36% 14.58%
1980 8.48% 7.42% 3.86% 23.34%
1976 13.35% -2.67% 23.29% 8.74%
1972 92.01% -17.70% -10.38% 15.39%
1968 35.43% 36.07% -17.30% 35.60%
1964 1.01% 15.54% 1.54% -10.95%
1960 56.06% 4.82% -0.34% -13.62%
1956 28.13% -13.63% 40.27% 30.33%
平均 19.20% 2.50% 2.49% 13.62%

おおお、見事に傾向が現れました。2000年をベースに +0 と +3 の年は成績が良く、+1 と +2 の年は成績が今一歩です。今年は2004年ですので、+0(うるう年) の年になり、株を買うのには良い年になりそうです。しかしながら、ここ3回連続で、+0 の年は、マイナスです。

結論2:
2年交互に、成績が良い年と、成績が今一歩の年が現れる。今年は、成績が良い年の2年目であり、上昇が期待できそう。


株式相場では、4年サイクルで考えるのがよさそうです。