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2008年10月

2008/10/29(火)

 いつの間にか3桁の株価になってしまったソフトバンク(9984)。CDSの保証料も社債利回りも高めの数値で、もしかして、もしかする? と投資家が疑心暗鬼になっている様子がわかります。

 まずは東京金融取引所が発表しているCDS参考値(J-CDS)から、10/29日付トップ5を掲載します。(出所: Tokyo Financial Exchange Inc.)

参照企業 CDS
アイフル 2,004.00
武富士 1,715.00
日本航空 1,281.00
ソフトバンク 900
プロミス 554

 今週に入ってから、ほぼ全ての銘柄のCDSが上昇していています。まだまだ波乱はありそうな感じです。その中でソフトバンクは900ベーシス(9%)のCDSです。大型の不動産株や建設株よりも高いです。

 次に社債利回りから、気になる銘柄をピックアップしました。ソフトバンクの社債は償還期日までが長いのですが、平均値複利が5.5%程度とCDSほどではありません。(出所: Japan Securities Dealers Association.)

銘柄名
Issues
償還期日
Due Date
利率
Coupon Rate
平均値複利
Average Compound Yield
日本エスコン 2 20090626 3.02 158.708
NIS 10 20090323 2.29 47.813
日本綜合地所 10 20100928 2.58 47.162
ジョイントコ-ポレ-ション22 20100727 2.43 46.239
ケネディクス 1 20101109 2.09 27.082
リプラスレジデンシャル 2 20091119 2.04 15.067
アイフル 51 20151019 1.99 11.307
エルピ-ダメモリ 4 20121207 2.29 7.174
アコ-ディア・ゴルフ 1 20111108 2.1 6.896
日本レジデンシャル 3 20120924 1.28 5.86
イ-・アクセス 2 20120326 2.75 5.617
ソフトバンク 26 20140619 4.36 5.52

 いつも苦しい時を切り抜けてきた孫さんですから、なんだかんだと言いながら、今回のピンチもまたクリアして、あっと驚くサービスを提供し続けて欲しいものです。

参考: 日本証券新聞


2008/10/24(金)

 夕方、地下街を歩いていると、いつも人がいない場所に超長い行列が。多くが年齢30-50台の女性でしたので、芸能人でも待っているのかな? と思った先が、先週に引き続き、またしても外貨両替屋さんでした。

 このため、整理員が一名、監視員が一名追加され、そして何度か外貨を補充したようです。監視員の方に聞いたところ、円高による外貨両替の列だそうです。今が円高のピークかもと考えて来ているのでしょうね。この動きが少しだけ円高を食い止める方向に貢献しているかも知れません。

 店内の両替レートを見たら、ドル売りが94円程度、ドル買いが97円程度で、その時の為替相場が91円程度でした。さすがに現実のスピードには追いついていないです。為替相場にリアルタイムに追従するような両替屋さんが近くにあったら、さや取りもできてしまいますね。

 先日朝日新聞にも掲載されていましたが、海外の消費者で、円建てで家のローンを組んでいた人は大変です。資産価値が減る一方で、1日で10%近くも債務が増えるなんて、涙も通り超えてしまいますね。

 話題変更して、昨日発表された先週の投資部門別売買状況ですが、外国人投資家は、週4日間しか取引がなかったにも関わらず、株式、先物合わせて今年一番の売り越しで、3月1週の記録を超えました。

 それでも3月はまだ日経平均で13000円程度ありましたから、市場に対するインパクトからすれば、今回は更にその1.5倍はあったということです。完全に大逃げです。

外国人投資家の売買状況(単位百万円)
期間 TOPIX先物 225先物(L+M) 株式(3市場) 全合計
3月1週 ▲ 201,018 ▲ 89,146 ▲ 294,993 ▲ 585,158
3月2週 20,089 387,044 ▲ 922,655 ▲ 515,522
3月3週 12,146 122,066 ▲ 63,922 70,290
3月4週 79,363 133,649 ▲ 16,706 196,306
4月1週 16,070 28,866 396,638 441,574
4月2週 15,860 ▲ 59,664 9,210 ▲ 34,594
4月3週 81,040 ▲ 26,761 204,622 258,901
4月4週 137,214 ▲ 66,692 210,018 280,541
5月1週 120,093 ▲ 141,420 400,866 379,538
5月2週 ▲ 29,442 ▲ 57,952 50,372 ▲ 37,022
5月3週 120,757 103,122 423,269 647,147
5月4週 ▲ 62,455 ▲ 92,197 97,041 ▲ 57,610
5月5週 ▲ 14,134 199,292 154,800 339,958
6月1週 ▲ 43,785 ▲ 223,712 315,587 48,089
6月2週 ▲ 100,409 280,493 281,700 461,784
6月3週 ▲ 16,083 42,973 177,411 204,301
6月4週 ▲ 101,366 ▲ 42,362 ▲ 289,213 ▲ 432,941
7月1週 ▲ 138,349 50,072 ▲ 99,163 ▲ 187,441
7月2週 ▲ 2,632 46,665 ▲ 223,921 ▲ 179,888
7月3週 25,054 44,688 ▲ 178,062 ▲ 108,320
7月4週 197,043 152,770 13,329 363,142
7月5週 57,604 ▲ 62,341 ▲ 188,718 ▲ 193,455
8月1週 115,575 495,894 ▲ 104,208 507,261
8月2週 ▲ 72,027 14,264 109,677 51,914
8月3週 12,515 ▲ 77,963 ▲ 101,701 ▲ 167,149
8月4週 123,229 322,931 131,136 577,296
9月1週 ▲ 97,127 ▲ 271,771 ▲ 194,521 ▲ 563,418
9月2週 50,896 239,628 ▲ 324,223 ▲ 33,699
9月3週 17,457 86,814 114,433 218,704
9月4週 ▲ 95,887 ▲ 37,125 ▲ 172,110 ▲ 305,122
10月1週 ▲ 51,671 184,198 ▲ 373,432 ▲ 240,905
10月2週 ▲ 62,159 ▲ 280,560 45,880 ▲ 296,838
10月3週 ▲ 164,680 ▲ 223,789 ▲ 225,859 ▲ 614,327

 これをカバーしたのが個人投資家と信託銀行です。自己部門はこの週もアビトラージに大忙しだったようです。いつこの嵐が収まるのでしょうかね。買い越しした個人投資家の財布も気になる所です。

10月3週 投資部門別売買状況(単位百万円)
TOPIX先物 225先物(L+M) 株式(3市場) 全合計
自己 58,910 366,151 ▲ 414,888 10,173
外国人 ▲ 164,680 ▲ 223,789 ▲ 225,859 ▲ 614,327
個人 15 ▲ 41,151 278,799 237,663
信託銀行 111,244 ▲ 16,656 265,848 360,436


2008/10/21(火)

 また懲りもせず、似ているチャートをアップデートしました。まずは、ITバブル崩壊の2001年と金融バブル崩壊?の2008年の比較です。



 リズムが同じであれば、来週あたりから上離れを始めて、日経平均11,000円レベルを目指すはずなのですが...。

 次にNASDAQの崩壊とWTIの劇下げのチャートです。日程的に乖離し始めました。WTIの方が半年ほど早く崩壊しています。



 最後に、各バブル崩壊後のチャートです。マザーズは10%にタッチ。全銘柄平均すると1/10の価格になったわけですね。もう上向き始めてもいい時期なのですけれども。上海総合指数はNASDAQと似たペースですね。




2008/10/17(金)

 日経平均株価史上3位の暴落を2回記録した先週の投資部門別売買状況ですが、株式について、意外にも外国人投資家が買い越ししていました。個人投資家も、信託銀行も買い越し。そして大きく売り越していたのは自己売買部門です。

 え、それじゃあ、今回の暴落を誘導していたのは自己売買部門なの? と思ってしまうところなのですが、最近の相場は先物が主導し、その後に現物に裁定取引が入るパターンです。従って、先物まで含めてみる必要があります。

10月2週 投資部門別売買状況(単位百万円)
TOPIX先物 225先物(L+M) 株式(3市場) 全合計
自己 ▲ 50,634 401,089 ▲ 439,854 ▲ 89,399
外国人 ▲ 62,159 ▲ 280,560 45,880 ▲ 296,838
個人 ▲ 1,428 ▲ 41,672 131,678 88,578
信託銀行 102,979 ▲ 30,218 223,472 296,233

 自己売買部門は全合計で見てみると、中立的な位置にいる事がわかります。先物売りと現物株の乖離を埋める裁定取引が多いようで、225先物については大幅買い越しです。その逆に225先物を大きく売っていたのが外国人投資家です。

 つまり、外国人が先物に売りを入れ、自己売買部門が先物買いの現物売りで裁定取引を行い、信託銀行(恐らく年金系と自社株取得)が現物に買いを入れたのが先週の状況です。少なくとも先週に限って言えば、外国人投資家が現物を大幅撤退したための暴落ではないようです。

 日本市場は世界的に見て売買高がありますし、まだ空売り規制も入っていないので、自由度が高く、外国人投資家が米国や欧州の市場に対するヘッジ操作するには持ってこいの市場なのかもしれません。


2008/10/10(金)

 今日、地下街を歩いていると、あまり見たことがない場所に行列が。一体何だろうと思ってみたら「両替」でした。まだ16時頃なのに、ドルと韓国ウォンが"Sold Out" と表示されていました。

 3連休という事もあるのでしょうけれど、近日中に海外旅行に行く人が、今が円高のピークと考え両替に来ているのではないでしょうか。

 大前研一さんがコラムであちこちに書かれていますが、今や銀行の取り付け騒ぎは店頭ではなくてネット上。あっと言う間に資金が銀行から銀行へ。行列が発生しないので報道されていないけれど、裏側では静かに、急激に、体力の弱い銀行から資金が引き出されます。

 私は米国の「ウェルズ・ファーゴ」に多少の預金を置いてあります。買収する側なので資金は移動させていないですが、その逆だったらネットで移動させていた可能性もありますね。店頭に急いでいくよりも、ネットの方が断然早いんです(実際に振り込まれるまでが不安ですけれど...)。


2008/10/9(木)

 大嵐が巻き起こり始めていた先週の投資部門別売買状況ですが、やはり外国人投資家は株式を大幅売り越し。個人投資家がこれに向かっていました。今週の状況からして、個人投資家にはかなり厳しい嵐になっています。

期間 TOPIX先物 225先物(L+M) 株式(3市場) 全合計
8月1週 115,575 495,894 ▲ 104,208 507,261
8月2週 ▲ 72,027 14,264 109,677 51,914
8月3週 12,515 ▲ 77,963 ▲ 101,701 ▲ 167,149
8月4週 123,229 322,931 131,136 577,296
9月1週 ▲ 97,127 ▲ 271,771 ▲ 194,521 ▲ 563,418
9月2週 50,896 239,628 ▲ 324,223 ▲ 33,699
9月3週 17,457 86,814 114,433 218,704
9月4週 ▲ 95,887 ▲ 37,125 ▲ 172,110 ▲ 305,122
10月1週 ▲ 51,671 184,198 ▲ 373,432 ▲ 240,905

 株式の売り越し額の3,700億円をみると、あまり大した事はないというイメージが私にはあります。しかしそれは日経平均株価が18,000円台の頃の話で、今売ると、市場インパクトはその時の約2倍です。激烈。

 ということで、いつもの東証一部時価総額に対する売買割合のグラフです。13週線はガンガン下へ。いつになったら戻ってきてくれるのだろうか。




2008/10/8(水)

 一体どこで売りが終るのだろうかと思える程の下落で、日経平均株価約59年の歴史の中で第3位の下落率。20年に1度、出会えるかどうかの経験です。今年1月の下落の経験がかすんでしまう程です。(出所: 日経平均プロフィール)

順位 年月日 日経平均値 下落率
1 1987/10/20 21,910.08 -14.90%
2 1953/3/5 340.41 -10.00%
3 2008/10/8 9,203.32 -9.38%
4 1970/4/30 2,114.32 -8.69%
5 1971/8/16 2,530.48 -7.68%
6 2000/4/17 19,008.64 -6.98%
7 1949/12/14 98.5 -6.97%
8 1953/3/30 318.96 -6.73%
9 2001/9/12 9,610.10 -6.63%
10 1972/6/24 3,421.02 -6.61%
11 1990/4/2 28,002.07 -6.60%
12 1991/8/19 21,456.76 -5.95%
13 1971/8/19 2,190.16 -5.93%
14 1990/8/23 23,737.63 -5.84%
15 1998/10/8 13,026.06 -5.78%
16 2008/1/22 12,573.05 -5.65%

 2001年との比較で、9.11事件があった時よりも更に株価は下落していきました。史上まれに見る大事件よりも信用収縮の方がはるかに株式相場にダメージを与えることを改めて思い知らされました。



 しかし、斎藤手法にひっかかる銘柄が「1,641」。3銘柄に1銘柄くらいはそうなっているってことですね。この記録は近日中は別として、落ち着いた後では当面破られる事はないでしょうね...。


2008/10/6(月)

 このところの株価急落で、斉藤手法に合致している銘柄数は618に到達。今年の1/16日の記録450をあっさりと抜き去りました(ただし大証と東証などの重複している場合でもカウントされているので、実質的にはこれよりも少ないのですが)。任天堂(7974)とかREIT銘柄とかもゴロゴロあって驚きです。

 こんな時は、やはり行き過ぎ戻りのリバーサル狙いで買いに行くのが基本なんでしょうけれど、いったい誰が一緒に買いに行ってくれるんでしょうかね?

 今までであれば、外資系の自己売買部門あたりがリスクを取って相場の反転の流れを作るような事もしてくれたのでしょうけれど、今はファイナンスコストが高すぎで、ポジション取るに取れない状況ではないかと想像します。今年3月の時でも「外資系なので借入コストが高くてきつい」と言っていましたら、今だったら更に...。

 いまこそ個人投資家の総力を結集? やっぱりここは他人力で世界各国の協調大幅利下げのニュースに期待かなぁ。きっと政府は何か手を打ってくれるに違いない...などと思ってしまう私は投資家モラルハザード状態(笑)。


2008/10/5(日)

 東証二部に上場中のリンクアンドモチベーション(2170)は、10/3(金)の引け後に株式の売出しを行うことを発表しました。その理由を「東京証券取引所市場第一部指定に向けた」と明らかにしています。

 過去に一部指定をおおぴらに宣言し売出しを行った例を私は聞いた事がありません。相場状況が悪化しているため、売出しを宣言したとたんに大幅に株価が下落してしまうことを防ぐ目的があったのかも知れません。

 リリースには「市場第一部銘柄への指定は承認されない可能性があります」とあるものの、野村證券がバックについてアドバイスしているでしょうから、まず大丈夫ではないかと思います。

 問題となるのはリンクアンドモチベーションの上場日が2007/12/17である事から、最短でも一部指定は、上場から一年後の2008/12/17(発表は12/10)となる事です。価格決定日から約2ヵ月ほどあります。

 さて市場はこれをどう判断するのでしょうか。もし好意的に受け止めてくれるのであれば、今後は一部指定狙いを宣言した売出しが流行するかも知れません。新しいイベントの誕生となるのかも。


2008/10/4(土)

 10/2(木)の外国人投資家のデータについて、東証の値(証券会社の値を使っていた)大証の値(4週前の値を使っていた)も間違っていましたので、訂正します。ひえー、ごめんなさい。

 他の週も間違っていないかチェックしてみましたが、他は大丈夫のようです。わださん、ご指摘ありがとうございます!

期間 TOPIX先物 225先物(L+M) 株式(3市場) 全合計
8月1週 115,575 495,894 ▲ 104,208 507,261
8月2週 ▲ 72,027 14,264 109,677 51,914
8月3週 12,515 ▲ 77,963 ▲ 101,701 ▲ 167,149
8月4週 123,229 322,931 131,136 577,296
9月1週 ▲ 97,127 ▲ 271,771 ▲ 194,521 ▲ 563,418
9月2週 50,896 239,628 ▲ 324,223 ▲ 33,699
9月3週 17,457 86,814 114,433 218,704
9月4週 ▲ 95,887 ▲ 37,125 ▲ 172,110 ▲ 305,122

 外国人投資家はオールマイナスでした。もう単純に、外国人投資家は引き揚げているのですね。


2008/10/3(金)

 先月の中頃に掲載しました似たチャートのアップデート版です。

 今年の日経平均株価は2001年の後追いをしているかのようです。前回もご説明しましたが、2001年の90%から80%への推移は、9.11テロの影響がありましたので、あと2〜3%の下落あたりが底の目安となりそうです。






2008/10/2(木)

 (10/4 追記: 9月4週のデータが間違っていましたので下記の値を参考にしないでください。10/4日の記事をご覧ください。その下の平均移動のグラフはそのまま合っています。申し訳ないです)

 先週の投資部門別売買状況ですが、株式について外国人投資家は売り越し。し一方で日経平均先物を大幅買い越しで、意外なことにトータルすると買い越しとなりました。

 2週間前にも同じような光景があり、現物売りの先物買によって株式の持ち高を減らし、どんどんポジションを縮小させているのかも知れません。

期間 TOPIX先物 225先物(L+M) 株式(3市場) 全合計
8月1週 115,575 495,894 ▲ 104,208 507,261
8月2週 ▲ 72,027 14,264 109,677 51,914
8月3週 12,515 ▲ 77,963 ▲ 101,701 ▲ 167,149
8月4週 123,229 322,931 131,136 577,296
9月1週 ▲ 97,127 ▲ 271,771 ▲ 194,521 ▲ 563,418
9月2週 50,896 239,628 ▲ 324,223 ▲ 33,699
9月3週 17,457 86,814 114,433 218,704
9月4週 ▲ 60,774 322,931 ▲ 172,110 90,047

 いつものグラフです。売り越し割合は下げ止まる雰囲気はありません。また、TOPIXはとうとう郵政民営化時と同じような水準まで舞い戻ってしまいました。




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